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きもののルールは窮屈?

5月中旬。
昨日から昼間の気温が25度を超えて、
急に日差しも強くなり、
日傘やサングラスが欲しくなりました。

毎年この時期に悩むのは
今の季節に、どのきものをどう着るか。

いわゆる暦どおりとなると
5月はまだ袷(あわせ)という裏のついた
きものに、帯や小物も冬のものを
合わせることになります。
とはいえ、25度の気温に袷は当然暑い。
だから体感に合わせて、少し早めに
単衣(ひとえ)という裏のないきものを
装う人がおそらく多数派ではないでしょうか。
私もその一人です。
昔と今では気候が違うことは明白、
ルールにだけ縛られて体調を崩したり
きものから気持ちが離れてしまうようでは
本末転倒です。

先日地元で久しぶりに地域のお祭りが
催されました。
コロナ禍をへて4年ぶりで大変な人出でしたが、
中にはパラパラと、小さなお子様を中心に
浴衣姿の方も見かけました。
暦があたまにある私は
もう浴衣?
と心底びっくりしましたが(夏物は7〜8月)
多くの人にとっては
浴衣は夏の装い、ではなくてお祭りの装い
というイメージが濃いのだろうと
納得しました。

5月の浴衣に文句を言うつもりは毛頭なく、
私の頭になかったその装いのあり方に
自身の衣替えやルールについての
考え方を振り返った、という話です。

結婚式などの式典をのぞき、
私は体感優先で4月であっても単衣をきます。
襦袢は少ししか見えないので暑ければ
夏物や半襦袢にする日もあります。
半衿や帯締め、帯揚げは暦どおり。
これは暑さに関係ないから。
ただ、見え方は気にするので生地の質感や
色の使い方で暖かさ、涼しさを意識して
選びます。
春先ならあまり涼しい色よりも、暖かな
色合いをコーディネートします。
この工夫を面倒くさい、と思うか
これが楽しいと思うか。
私は圧倒的に後者です。

ネットで目につく様々な意見を見ていると
ルールは絶対、という人もいれば
ルールなんて!という人もいて。
(もう絽を着た、とかいてあった)
洋服ではTシャツ(夏物)でしょう?
と言われたら勿論そうなのだけど、
それだけの理由でルール無用でいいのかな。
ルールは窮屈なだけなのか。

ルールという縛りがあるからこそ、
楽しいし美しい。

そろそろ出番が近いと
襦袢に絽の衿を縫うとき。
そろそろ小物は夏物が相応しいな、と
日差しを見ながら考えたり。
こんなにワクワクすることはありません。

きものに出会って、私は季節の移ろいに
敏感になりました。
一括りに夏、といってしまえば
それまでだけど、夏の始まりと
お盆のあとの日差しや風とでは
それぞれまるで違います。

ルールを時代に合わない面倒な
押し付けられたものと捉えるよりも
またこれもきものの楽しみ、と思うかで
目に見えるものは違ってきますね。


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