えんぴつと消しゴム(2)
えんぴつに続いて、消しゴムの話。
父が他界して、1年半。
色々思い出す言葉がある。
『お前は、消しゴムを持った方がいい。』
父の言葉は、大抵抽象度が高い。
小学生にもなれば、消しゴムは大概持っている。勿論、私も持っていたし、父はその事を知っていた。
私は、ステーショナリーが大好きで、
人生で使いきれない筆記用具に囲まれている。
色々試したが、方眼で、青色。私が好んで使うものだ。
ペンの欠点は、消せない事。
最近は、この概念を覆す、フリクションペンが、筆記用具界を席巻していて、私自身も、愛用している。
でも、久しぶりに消しゴムを見つめた。
祖母のえんぴつも見つめた。
手にした。書いた。
えんぴつが、紙に触れた時、
すーっと、広い世界に繋がる感覚があった。
横にある消しゴムが、何度でもやり直したらいいと、励ましてくれた。
亡き祖母と、父が、少し分かった気がした。
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