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コロナじゃなくても食べ物を扱っている所では、是非マスク着用を!
コロナが猛威を振るっていた頃、飛沫やエアロゾルによる感染防止のため、マスク着用が義務付けられていました。
テレビでは、各局で何度もマスクの必要性を理解してもらうために、色々な場面で飛沫やエアロゾルが飛んでいる映像を見せながら、分かり易く説明していました。
普通に会話した時や、大声での会話、そしてクシャミや咳をした時など、それぞれを比較したものが可視化されて、こんなに出るのか、こんなに飛ぶんだと、改めて驚いたものでした。
だから、一人一人がそれを理解して、マスクをしていましたので、この頃は私にとっては、コロナ感染は怖かったのですが、飲食店での食事は快適でした。
飛沫防止用のパーテーションで仕切られていたり、料理担当者もホール担当者も全ての人が、しっかりとマスクをしていたからです。
私はコロナ以前は、飲食店で食事するのが、苦手でした。
外国のレストランの様子を、テレビで見ている限り、また、ドラマですが、ポワロの中に出てくる紳士的なウェイターなどは、料理を正面に置いて、料理の説明をしている場面は、殆ど見たことがありません。
必ず、身体の左右どちらかにトレンチを構えた状態で、料理を出しています。
ところが、日本ではどうでしょう、大体が両腕で抱え、そして肘を90度ぐらいに曲げた状態で持っているので、料理を乗せたおぼんの位置は、体の正面で丁度、胸の高さぐらいである、それでご丁寧に大声で「お待たせ致しました、トンカツ定食です」・・・。
どれだけ飛沫がかかっているか分かりません・・・。
いや、それはコロナの時のマスク義務化の理由として検証し、証明済の筈なんですが・・・・・。
ですから、私の切なる願いは、コロナ後であっても、特に飲食店であれば、飛沫のかからない方法で(マスクをする)、料理の提供を考えてほしいと本気で思っています。
ウイルスが無けれは、料理に飛沫がかかっても良いのでしょうか。
それは私にはとても耐えられない事なんですが、見てると、皆さん結構、平気な方が多いんですねぇ・・・。
私は、子供の頃から何の科学的根拠も、当然知らなかった訳ですが、何故か自分の料理の上や、食べ物の近くで話をされるのは嫌だと感じていました。
それは例え兄妹であってもです。
特に私の家は7人兄妹だったので、ご飯とみそ汁だけが各自、自分の前にあり、テーブルを囲んだ中央に大皿料理が、1品か2品あるというスタイルなので、いざ用意ドンで食べる時には、先ず真っ先に、おかずをご飯の上に乗せるだけ乗せて、食べていました。
何故かと言うと、その後に皆が箸を付けたおかずは、どうしても食べる事が出来なかったからなのでした。
そういう訳で、何時もおかずは足りていなかったと思いますが、しょうが無いと諦めていました。
母親も兄妹も、私のその可笑しな行状については、多分見て知っていたとは思うんですが、だからといって予め別盛りに分けて・・ということは、一切ありませんでした。
そして最も苦手だったのは、鍋料理です。
皆で直箸で食べた後に、ご飯と卵でおじやなんて・・・私には到底無理な話でした。
そんな私ですが・・・
横須賀に妻の親戚の家がありまして、十年前まで毎年、三浦海岸や由比ヶ浜に行く時には、行きと帰りに、必ずそこに寄って一泊する事が、恒例になっていました。
そこには大好きな、高齢の叔父さんと叔母さんが2人だけで住んでいましたので、お互いに毎年その事を、本当に楽しみにしておりました。
しかし・・・・・、そこには上記にお話したような私にとっては、大きな試練が待っていたのでした。
それは一番楽しみな筈の夕食時にやって来るのでした・・・・・。
夕食時、お酒好きの叔父さんが、お酒がある程度の量まで行くと、決まって戦時中に苦労したという話を、決まったパターンでそれも何度も繰り返すようになるのでした。
そして声も段々と大きくなって来ると・・・やがて、恐怖の飛沫攻撃が始まるのでした・・・。
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飛沫が飛んで来たかなぁ•••じゃないんです。
ハッキリ目で確認出来るんです、大粒です!速射砲です。
正面に座っているので避けられません。
そういう事が毎回あるので、ある日妻と相談して妻を正面に座らせて、私は叔父さんの横に座るということを試した事があるのですが、もっと悲惨でした。
叔父さんは相手の顔をジーッと見ながら話す人間なので、段々顔だけではなく、体までこちらに向けて来たのです。至近距離からの攻撃ですから、逃れようがありません・・・完全に失敗でした。
ビールをグイっと飲む時以外、話を聞いている時には、コップの上に手を被せるようにして防いでいました。
摘み類は全滅でしたが、お寿司だけはフタをしたままにしていたので、叔父さんが寝た後に、ゆっくり食べる事が出来ました。
そういう失敗もあったので、諦めて正面に座り、それでも何とかしないといけないと思い、思い付いたのが最初から500ml缶のビールを4本並べるという防御方法でした。
空になった缶もそのまま並べて置いて、350ml缶も用意していたので、飲み終わった缶も、500ml缶の上に重ねて置くという、明らかに不自然な状態でしたが、必死だったので、それが不自然であるとは、まったく気付いていませんでした。
それから暫く経った時、さすがに積み重ねた缶ビールの壁を不審に思ったのか、叔母さんが「○○くん(私の名前ですが)、そんなに缶があったら、じゃまでしょう!」 と突然手を伸ばして来たのです。
あーあー、慌てた私の一言が、「あー、いや叔母ちゃん、俺7人兄弟で育って来たからこの方が落ち着くんですよ•••」 と、まったく意味不明の理由を口走ってしまい、とても説得力があるとは思いませんでしたが、叔母さんは、少しビックリした様な表情を見せながらも「あ、そうなの」と言っただけで、何とかそれを見逃してくれました。ふーーっ。。。
横で食事をしていた妻が、吹き出しそうになったのを感じたので、チラッと顔を見て、ホッとしたという様に、笑顔で合図しました。
その後も、悪戦苦闘しながら・・・数年間、海の前後には必ず、泊り掛けで遊びに行ったものですが、今は二人共亡くなり、ずーっと空家になっている様です。
私達もここ数年、海に行く事は無くなりました。
私たち夫婦は、子供が居なかったので、従兄弟の子供の小学2年と3年の姉妹を連れて、彼女達が中学2年生になるまで、一緒に海とその叔母夫婦の家に行っていたのでした。
湘南の海は変わらずにあるのに、叔母夫婦の家は空家になり、彼女達も社会人になり、会う事も殆ど無くなった今、あの伯父さんとの悪戦苦闘が、懐かしくもあり、ある意味・・・幸せな一時だったのだと、逆に思えてくる今日この頃です・・。
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これは少し余談ですが、
私は先に述べたように、人が箸を付けた料理は食べる事が出来ないのですが・・・昔、埼玉に住んでいる妹が久し振りに遊びに来て、我が家で夕食を一緒に食べたのですが、その時に、たまたま妻が食べ残した料理の肉を、私がいつもの様に食べたのを見た妹が、ビックリした表情をして、「お兄さんは○○さん(妻の名前)の食べ残しは食べられるの?」と聞いてきました。
それからは、妻に私の子供の頃のあれやこれやを色々と話しながら、2人で盛り上がっていました。
そうですね、妻の食べ残しは平気なんですよね•・・不思議ですね・・。
それからもうひとつ・・・
がってん寿司バンザイ!
同社は、十数年前からプラスチックで透明のマスクを職人さん全員、装着していますよね。
ですから、安心して食べに行っています。
また私は、黙ってスーッと持って来て、乱暴にボンと御膳を置いて行くぐらいの、無愛想な店員さんがいるお店の方が好きです・・・今時そんなお店があればの話ですが、本当に・・・・・。