エピソード5 ~横田めぐみさんに思いを馳せるカァ~
今日もカァが写真を撮ってくれたけど何故かワタシは不安顔。
今日は違う部屋なので余計に不安なんかな?
ワタシを部屋の隅に追いやってカァは何の為にピカピカ光らしたりカシャカシャ鳴らすんやろ。
まだまだ写真には慣れへんし、「お座りしてじっとしいや!」と言われて動かずに固まっているけど、ピカッと光るカメラを向けられると怖い~。
ホンマに慣れへんわ~。
カァと暮らしてまだ半年位の頃やったと思う。平成12年頃の事。
でもその時のワタシの不安な表情が北朝鮮に拉致されて初めて写真が公開された時の横田めぐみさんの表情と似てるんやて。
その頃からカァはワタシを「メグミさん~」と呼ぶ事がしばしば。
「メグミさん!」と言うてワタシを痛い程きつく抱きしめるけど、そう言う思いがあったんやな。
カァ 「そう、メグミと呼ぶ時は横田めぐみさんをイメージして、めぐみさんに思いを馳せてたんやで。
横田めぐみさんのご両親の気持ちを汲めば、どれ程心配で悲しくて
辛くて悔しくて、娘への思いは言葉では表す事は出来ないと思う。
私とメグとは一緒に暮らしてまだ半年位やけど、目が真っ赤になる程の結膜炎になって痛くてコンタクトレンズを装着出来なくても手放すなんて出来ないし、僅かの月日でも情が移るもんや。
アンタも横田めぐみさんも同じ表情のめぐみさんや。
めぐみさんが帰って来れたらどれほど良い事か、他人の私でも常に思う程」