選択的夫婦別姓
今日は午前中、経団連で、#選択的夫婦別姓 実現を求めるフォーラムがあり、登壇してきました。以下、気持ちを込めて挨拶しました。原稿を用意したわけではないのでうろ覚えですが、お読み頂ければ幸いです。
「ご紹介いただきました、衆議院議員、自民党の井出庸生と申します。私は、自民党内の『選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟』の事務局長をしています。本来であれば議連会長の浜田靖一衆議院議員がご挨拶申し上げる予定でしたが、公務のため都合がつかず、私が代わりにご挨拶申し上げること、まずお詫び申し上げます。
我々議員連盟は3年前に立ち上がり、自民党議員約100名が所属しています。先の総裁選で、選択的夫婦別姓が大きな争点となり、多くの候補から前向きな発言があったことは、3年間活動してきた我々としても嬉しく思っています。
私がこの問題に真剣に取り組むようになったのは、選択的夫婦別姓について勉強していた際に、ふと、自分はどうだったか。日本の男性は、婚姻の際に苗字が変わることを想像したことがあるだろうかと思ったことです。男性の多くは、考えもしてこなかったのだろうと思います。私は、一切ありませんでした。現在の法律のもとでも、婚姻の際に苗字をどうするかは、本来であれば、男性も考えなければならないことです。男性も当事者です。
しかし戦後の慣習のもと、95%以上の女性が改姓し、困難に直面してきました。総裁選に出馬した上川陽子さんは、結婚して改姓した時に、『喪失感にかられた』とおっしゃいました。私の母は、井出の姓の方がすっかり長くなりましたが、私が幼い頃に、『私は土屋だ』と何度か話していたことも思い出します。この問題は、本来、自分の名前を大切にしたいというアイデンティティの問題です。そして、改めて説明致しませんが、多くの女性が社会で活躍する上で多くの支障を抱え、特に海外では、旧姓使用は通用しません。この間、旧姓使用の拡大も進めてきました。『旧姓使用は便利だ』という方がいることも事実です。しかし旧姓使用では、自分の名前を大切にしたいというアイデンティティの問題を解決することはできません。
自民党ではこの夏から党内議論を再開しました。ご存知の通り自民党ではいつも激しい議論になります。私は、これまでの自民党を向いて議論するのか、それとも、国民政党の理想を掲げる自民党が、国民と向き合う議論をするのかが問われていると思います。若い方たちの意見と向き合い、これまでではなく、これからの自民党と向き合う議論をしたいと思います。間もなく解散総選挙との話もありますが、私たちの子どもの世代、年配の方の孫の世代のための議論をしたいと思います。
先日終了した、NHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』で、寅ちゃんの恩師の穂高先生が、このようなことを仰っていました。『長年にわたって染みついたものを変えるというのは容易ではない。当たり前だと思っていた法律が、習慣価値観が間違っていると分かっていても受け入れられない、変えられないのが人間だ。それでもそれを我々は引き剥がし溶かし、少しずつでも新しく上塗りしていくしかない』
この言葉を胸に、これからの日本のために、なんとしても実現を期してまいります。今後ともご指導賜りますようお願い申し上げて、ご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました」