太陽が恋しい!スウェーデンの夏至祭
今日は夏至ですね!しかも、新月と日食も同じ日という特別な日で、同じように、これらが前回地球上で重なったのは372年前。日本は江戸初期で、天皇は後光明天皇、江戸幕府将軍は徳川家光の頃だそう。
(話が逸れますが、私は江戸時代の文化にも興味があって、本など読んでいるのですが、当時の人たちがどんな気持ちでこの日を過ごしたのだろう、と思いを馳せてみると楽しい 笑)
さて、夏至の話ですが、日本の本州は梅雨の時期なので、この日に太陽を見ることは難しいこともあって、あまりピンと来ないかもしれませんが、北ヨーロッパではお正月に次ぐ大きな節目の日となり、お祝いが盛大に行われます。
私は縁あって、スウェーデンの会社で働いていたことがあるので、そこからスウェーデンの文化やデザインを学んだり、スウェーデンに行ったりして、スウェーデンついて詳しくなりました。そこで夏至祭を知ったのですが、以来毎年、この時期になると今年も太陽の季節がやってきた!と身近に思うようになりました。
数年前、スウェーデンに住む友人の家族と一緒に、夏至祭をお祝いしたのですが、お正月のように親戚が集まって、美味しいお料理と楽しい歌、ゲームをしたりしてこの日をお祝いします。近所の広場に行けば、メイポール(白樺の葉と季節の野花で飾られたポール)が建てられていたり、ミッドソンマルクランス(白樺の葉と野花で花の冠)を身に付けた人を多く見かけます。青空と眩しい太陽、自然な草花、楽しい音楽、そして人々の笑顔で飾られたこの光景は、とても美しいです。
スウェーデン人の友達に言わせると、普段は多くを語らずシャイで、日本人の気質に近いスウェーデン人が、この時期になると「別人になったよう」に陽気になるとのこと。確かに、私もそう思う節はあります 笑。
スウェーデン人に限らず、夏になると多くの人は陽気になり、気分が明るくなって行動範囲も広がる季節かと思いますが、北ヨーロッパの人たちはより顕著に現れると思います。
というのも、長く暗い冬がようやく終わり、待ちに待った太陽の季節がやってきたので、その喜びを存分に味わいたい!と思う気持ちがより強くなるからです。スウェーデンの首都ストックホルムでは、冬はだいたい9時くらいに日が昇り、午後3時くらいには日が落ちます。日差しも弱くてずっと夕方のような感じです。スウェーデンは南北に長い国なので、もっと北に行くと日照時間が更に短くなります(ストックホルムは南の方)。
※以前ご紹介した、スウェーデンの煮出しコーヒーブランドLemmel Kaffe(レンメルコーヒー)は、サンタクロースが住むと言われているラップランド地方なので、ストックホルムよりずっと北に位置します
それから、教えてもらった話でとても印象的だったのが、春先、太陽が輝き初めた季節の到来時、人々が道端で立ち止まって目を瞑り、日光を浴びている光景が見られるとのことです。「やーーっと春が来たー。はぁ、嬉しいなぁ。しみじみ」のような気持ちかな。(私はこのとき、池のほとりの石の上で、首を長くして気持ちよさそうに日光浴をしている、亀さんを想像しました 笑)
東京生まれ東京育ちの友人が、ストックホルムで暮らし初めて、8年くらい経ちますが、まだまだスウェーデンの冬には慣れないと言っていました。それから、スウェーデン人の友人も「本当のスウェーデンを知りたかったら、ひと冬をスウェーデンで過ごすといいよ!」と言っていました(色んな意味で)。
私は夏しか行ったことがないので、この暗くて長い冬は想像することしかできませんが、実際に暮らしたら、もっと気分が落ち込むような気がします 笑。逆に言うと、スウェーデンを始めとした、北ヨーロッパ諸国はインテリアデザインのクオリティが高いことに納得します。冬は外出することが難しいので、いかに室内を快適に素敵に整え、楽しく暮らせるようとても考えられています。
冬の話になってしまいましたが、夏のスウェーデンは生の輝きに満ちています!短い夏を存分に楽しむぞ!という気合がよく伝わってきます。夏休みは長く(6週間くらい)、田舎のサマーハウスでのんびり過ごしたり、海外旅行へ行ったりするので、首都ストックホルムは、夏の時期は地元の人はあまり見かけません。
そして、この時期にたくさん日光を浴びておこう!と言わんばかりに、公園などで日光浴を楽しんでいる人や、湖や川に入って水遊びを存分に楽しむ人を多く見かけます(東京に長く住んでいる私にとっては少し肌寒いな、と思うような日も)。
また、夜遅くまで外で過ごす時間を楽しみます。というのも、冬は日照時間が短い代わりに、夏は日照時間が長いから。夜は11時くらいまで薄明るいので、とても神秘的だったことを覚えています。北極圏に近い所は白夜になるので、一度は体験してみたいな、と思います。
ちなみに、日本でも夏至祭は行われています。三重県伊勢市の二見興玉神社です。
夫婦岩付近一帯は古くより清渚と呼ばれ、伊勢参宮を前に人々が汐を浴び、心身を清めた禊浜として尊ばれてきました。
太陽のエネルギーが最も溢れる夏至の日に、夫婦岩の間から差し昇る朝日浴びながら、禊を行います。
天候が良ければ、富士山の背から差し昇る朝日を拝することが出来、その感動は筆舌に尽くし難いものがあります。
(観光三重ウェブサイトより)
お祭りを始めとした、土地によっての文化を知ることはとても楽しく、日本はもちろん、もっともっと地球上の色々な文化を勉強していきたいです。