ミシンは何をどこで買うべきかの話(前半・ミシン屋とミシン種類概要について)
こんにちは、洋裁教室コモノのぜんばやしです。
今回は非常に良く聞かれる質問、「ミシンは何をどこで用意したら良いのか」についての話を書こうと思います。
実は私自身は洋裁学校(文化)入学時の頒布会で購入した、職業用直線ミシンをずっと使っており(なんと約30年前だ)、家庭用ミシンは使ったことが殆どないのです。自分で買う前の中学高校時代は、母のジャノメ日本初電動ジグザグミシンを使っていたし。わたしの子どもの頃は、足踏みミシンがある家庭も珍しくない時代でしたね。
自分が買う必要がないので特に調べる必要がなかったのと、かつて修理でお世話になった技術力があるミシン屋さんは東京なので、改めて連絡することもなくで過ごしておりました(ご高齢ということもあり、多分相手はすでに引退してる筈)。
洋裁教室をはじめてからはミシンについて本当に良く質問されるので、どう答えたらいいのかと思っていたのです。つい先日、お教室のミシンを修理する必要があり、キャリアのあるミシン屋(下京区の幸商会)さんとのご縁がありました。
電話で問合せたら、社長さんが実に良い感じ。お話して実際にお会いしたら、ここは実力がある会社だな、とすぐ分かりましたよ。そこでショールーム訪問して、色々聞いてきました!
今回は根掘り葉掘り聞いてきたことをまとめて、皆さんにシェアの巻です。
1・まず、ミシンはどこで買えば良いのか?
結論から言うと、ミシンは「地元ミシン屋(専門店)で直接買え」です。
(注*都会に住んでいる人の場合)
布屋や洋裁材料店のカタログを見て買う、とかネットでアフィリエイトされているものを買う、の選択肢もあると思いますが、ハッキリ言ってオススメできません。
なぜなら売りっぱなしのところで買うことになるから。
ミシンは安いものでも数万円からの商品。基本、現物を見て触って比較検討してから買ったほうが良いです。実際コントローラーを踏んでみての感触も大事。普通、ミシン屋さんのショールームに行けば試し縫いさせてもらえると思います。
訪問するミシン屋を選ぶポイントとしては、10年以上継続して営業してる店であること、今後10年はやっていそうな店であること(社長が高齢でも、跡継ぎがいるかどうか)、ショールームがあり現物をみれる地元の店であること(幸商会さん談)。
現状残念ながらオンライン化はあまり進んでおらず、ミシン屋さんもメール対応はまだまだ、と思いますが、検索したらHPの表示ぐらいはどこのミシン屋もしてると思います。とりあえず気になるところに電話して個人向け商品の取り扱いを聞いてみる。ミシン屋さんは製造工場から電話かかってきたら、即出張修理。という仕事なので、電話なら確実に連絡つくと思います。電話予約でショールーム訪問が良いのでは。その場で買わなくて見るだけでも、気軽に対応してくれると思いますよ。
なぜ今後10年はやっていそうな店、という条件かというと、ミシン(機械)は製造が中止されてからパーツを10年は保持しなければいけないとういう法律があるそうです。自分が買ったミシンが壊れたときに修理対応が出来る店であるかどうか、というのが、ミシン屋を選ぶポイントになりますね。
新規にミシンを買ったときのメーカー保証期間は三ヶ月。話聞いてあまりの短さにビックリしましたが、それって初期不良だけ対応しますよって感じですよね。。あまりに短いので、京都のミシン組合では一年保証にしているという話でした。ミシンの協同組合があるかどうかはエリアによるそうで、関西だと京都大阪兵庫にはあるらしいです。
2・ミシンの種類、何をどう選べばいいかについて
初心者さんがまず悩むのがコレですね。あまりに種類があって、分かりにくいので、順番に大枠を説明していきます。
●分類
家庭用 < 職業用 < 工業用 *ロックミシンは別に後述
・家庭用ミシン
家で使用する、少し縫い物をしたい人向けの商品。ポータブルタイプでアームが狭いです。4〜5万〜の価格帯。モーターにパワーが無いので布が何重にもなると縫うのが難しくなります。下糸はボビンを直接ミシンに入れるタイプが多いです(ボビンケース無し)。
・職業用ミシン
洋裁学校の生徒さん、セミプロの方、洋裁教室など比較的沢山縫い物をする方向けの商品。10数万〜20数万が中心の価格帯。ポータブルの本体を専用の台(別料金、3万ぐらいの価格)に嵌め込んで使用します。
・工業用ミシン
商品製造をするために、毎日数時間使う方向けの商品。20数万円からの価格帯で、上の本体機械だけで40kgぐらい重さがあります。台とジョイントすると合計60kgぐらいになるので、一度設置すると移動が大変。設置場所の床などをよく考慮する必要があります。プロ向け。
●種類について
直線 < ジグザグ < コンピューター(ジグザグ)
・直線ミシン
その名の通り、「直線」のみを縫うミシンです。
・ジグザグミシン
ロックミシン代わりの簡易版の布はしの処理として、ジグザグに縫うことができます。縫ってからジグザグにステッチをかけた後の布端を手でカットします。
・コンピューターミシン(ジグザグ)
ジグザグミシンの進化系。複雑な刺繍や、ボタンホールなどもできます。
*ロックミシンは布端かがり専用のミシンで、上記で述べているミシンとは又別のものになります。家庭用や職業用の分類無いですので、全く別で考えてくださいね。
3・大体の価格帯について
上記の分類✕種類で考えます。ざくっと書くとこういう感じ。
家庭用ーー直線ミシン 4万円ぐらい
ーージグザクミシン 5万円ぐらい
ーーコンピューターミシン(高性能ジグザグ) 多種・30万のものもある
職業用ーー直線ミシン 15万前後
ーーコンピュータージグザクミシン 25万前後
*自動糸切りをつけるとプラス2〜3万になります
工業用ーー20万〜
ロックミシンーー10万〜15万前後の価格帯
4・中古ミシンに関して
ミシンも所謂「家電」。機械は大体製造されてから使用期限10年と考えたほうがいいそうです(未使用であっても、劣化していくので同じように考える)。
上記のように製造中止されてから10年はメーカーがパーツを持っているので、その点でも最低10年の使用は保証されていると考えていいと思います(修理代はかかりますが)。
中古の場合もそこでミシン屋さんが壊れたパーツを新品に交換して販売しているので、ある程度の期間は使えると考えていいですが、10年の使用に耐えられるかどうかは当たり外れがあるのは事実。しかし価格は新品の半額となるので、取り敢えず安く購入したいという場合は、検討の余地ありです。
とにかくパーツさえあれば修理は可能。ということなので、壊れていても一度ミシン屋さんに直るか聞いてみるのがいいですね。修理代は大体2〜3万ぐらいで大概のものはできるようです(基本料金+パーツ代実費)。
5・結局、どういう基準で選べばいいか?
どういうものを、どれくらい作るためにミシンを買いたいのか?をはっきりさせる必要があります。
直接ミシン屋さんに行って相談したいという場合は、上記を参考に是非ミシン屋さんに質問してみてください。
京都市内の方は、今回取材させていただいた幸商会(ゆきしょうかい)さんがオススメです(京都府京都市下京区西七条中野町12-9 TEL.075-312-2666 http://yukisyokai.web.fc2.com メールはレス来ないので注意)。
記述が長くなったので、具体的にどう考えたら良いかを後半で書いていきます。
シチュエーションによってかなり選択肢が変わると思うので、洋裁教室の授業中に相談していただいても、ある程度はお答えできるので是非聞いてくださいね。
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