One Key to Global Trade 世界中から取引先を見つける新しい商社 YourTrade始めます。
この度、貿易領域におけるスタートアップ商社 YourTradeを設立しました。
私は大手総合商社に10年以上勤めていて、周囲の人にも恵まれ、色々な経験を積むことができており、仕事はとても充実していました。
ただ、突然 自分の人生観を見つめ直す出来事が起こりました。
それは、身近な知り合いが亡くなったからです。
人生は長いようで短いのかも……。残りの時間を考慮して構えるよりも、明日人生から退場しても後悔のない日々を積み上げていきたい。
そんな想いから、人生最後のチャレンジに挑むために会社を立ち上げました。
なぜ、貿易領域なのか。人生を懸けた領域を次世代に残すため
1つめの理由 自分たちが心血を注いできた領域だから。
総合商社で10年以上、海外輸出入、海外事業会社経営、事業開発をやっているため、貿易業務を一気通貫で理解しているし、海外のビジネスパートナーとの交渉や間合い、ポイントを理解しているので、自分達の強みが活かせると思ったからです。
2つめの理由 次世代により良い貿易システムを残すため
日本は、島国でその経済構造上貿易立国ですが、その貿易システムの中身は過去20〜30年間、ほとんど変わっていません。現在は、貿易の中でも輸送や契約履行段階でのブロックチェーン活用の検討などがようやく日本でも始まりましたが、世界ではさまざまなコンソーシアムが立ち上がり、日本は1〜2歩遅れているという状況です。
そもそも、貿易は非常に関係者が多く、輸出と輸入でも進め方が異なり、メーカー、商社、輸送会社、フォワーダー、銀行でも抱えている課題は多種多様です。
総合商社が取り扱うのは、大ロットのみ。中小企業の小ロットは面白い商材でも断念
日本の貿易額の内訳を見てみてください。
日本の会社の中小企業比率は99%ですが、金額ベースで輸出入に占める比率は約15%です。米国は中小企業比率は同じく99%ですが、輸出入に於ける比率は33%となっており、日本の倍以上です。
色々な要因があるかと思いますが、日本の貿易システムは大企業に最適化された仕組みになっていると考えられます。私がいたような総合商社は取引を成立させるために、営業、リスクマネジメント、法務、為替、経理、輸送など、さまざまな機能をインハウスで抱えてます。
加えて、会社によっては海外拠点も数多くあり、人件費の高い駐在員を抱えています。大手商社の平均年収は1,200万円以上、これら人員を何人か稼働させながら海外取引を実現するとなると経営効率を考えると自然とロットの大きい取引しかやらなくなります。大まかにいうとロットの大きい取引とは基本的にはすでに流れている商売が多く、既存取引に最適化された形になっているという状況です。なので、私が総合商社にいるときも面白い商材だがロットが小さいので断念という案件はいくつもありました。
商社は、トレードから事業投資会社へ
商社不要論の時代から商社は進化を遂げて、トレードから事業投資会社へと変わっています。なので、本体のトレード比率は低くなってきていると言うのが現状です。一方で専門商社も基本的には取引先はある程度固定され、色がついている傾向があります。特にB2Bの領域では、ニッチ商品やロットが纏まらない、新規取引の会社は商社を介する事は難しく、自社で取引するにしても専門性が求められるのでかなりハードルが高い、という現状があると思っています。我々はこのようなお客様に商社機能を使いやすいようにアンバンドリングしてご提供する事を考えています。
コロナとITで変わりつつある世界、貿易を変えるのも今
日本の経済は転換期にあると思っています。サプライチェーンの複雑化や気候変動による産地変更、政情不安などの国際経済の変化は円安やコストプッシュ型のインフレ、材料不足、食料不足といった形で我々の経済活動、生活に大きな影響を与えます。昨今ではそのスピードとインパクトは過去に比べて加速度的に増幅しています。
加えて、これは自明の理ですが、日本では、総人口も2008年をピークに減少、労働人口も1995年をピークに減少しており、今後は国内市場の縮小と貿易を担う労働人口の担い手が減ります。この長期的傾向の中では、新産業の育成に加えて貿易競争力を高めて外貨を獲得して経済安全保障を実現する事が一つの必要条件になってきます。これは超マクロ的な視点ですが、身近にも、日本の事業者の方も海外との取引を開始する場合には、多くの時間とコストを掛けているケースも多々あり、今のシステムだと今後の国際経済で求められる俊敏性とのギャップが大きくなっていきます。
コロナでWeb面談が当たり前となった世界、国と場所を超えてSNSでつながる世界、貿易や会社情報がデータベース化されつつある世界……。従来以上に、ITが取引実現に於いて果たせる役割も大きくなってきており、国際取引のフローを更新する素地が整いつつあるのが今ではないか、と我々は考えています。
何をやるのか。最速で海外取引できる世界を作る
我々は、海外との新規取引を成立させる事に特化した貿易商社から始めます。どうやって海外との新規取引を成立させるか? 我々はデータとテクノロジーで新規取引を早く、安く、そして確実に実現する事を目指します。将来的には、海外に物を販売したい、海外から物を買いたいという事業者が当社サービスを利用すれば、1週間以内には取引候補先と面談して、1カ月以内に成約しているような世界を目指したいと思ってます。
日本人は良い意味で慎重な方が多い気がします。海外取引はリスクがあるから、事前調査やブランディングが必要と考えている方が数多くいます。それ自体を否定する物では全くありませんが、あまりそこに時間とコストを掛けすぎても勿体無いとも思います。ひとまず、顧客候補の声を聞く、営業したけど興味を持って貰えずその原因を考えるなど、実際に動いて見えてくる物も多いですし、我々はこの一連のプロセスの中で取引機会の最大化と取引コストの最小化をお客様にご提供していく事を目指しています。
また、越境ECなども拡大してますが、やはり国内ECと違い難易度は格段に上がることに加えて特有の問題も多く、今後日本企業が海外販売をする際のボトルネックを解消していくようなサービスも作っていきたいと思ってます。
”We will be the key to open up all business opportunities in global business"というミッション
将来的には、ミッションである ”We will be the key to open up all business opportunities in global business"(世界のビジネスチャンスを開ける鍵となる)という姿に近付けるよう、サービスを展開していくつもりです。以前、インドネシアとミャンマーで日本の中古電車が元気に走っているのを見ました。日本だと廃棄される物が場所が変われば誰かに価値提供しており、このような機会は世界中に溢れているだろうと思っています。我々が提供する価値は、この世界中のビジネスチャンスとモノの偏在を繋げていく事です。
YourTradeの設立記念キャンペーン中!
と、最後は宣伝となってしまいましたが、長々としたNoteを最後まで読んで頂き有難う御座います。我々もまだ始まったばかりですが、今後お客様と対話しながら色々なチャレンジをしていきたいと思っています。どうぞ引き続き宜しくお願い致します。