youの血統考察 #20 【新潟芝で狙うべきはドイツ血統】
こんにちは。
今回はドイツ血統について書いてみました。最後まで読んで頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
はじめに
先日、日本競馬を種牡馬として長く支えたディープインパクトの訃報に続くように、同じく長きに渡る活躍を見せたキングカメハメハも天国へと旅立ちました。
彼らの活躍は言うまでもないですが、この2頭が亡くなったことによる影響は日本競馬界にとって当然大きいものと考えられます。
次の時代を支える種牡馬はどの馬になるのか?様々な意見が交わされ、様々な挑戦が行われることでしょう。今回の考察記事は少しそのあたりにも関係してくることなので、冒頭で触れさせて頂きました。
さて、今回のテーマはドイツ血統です。
みなさんは、ドイツ血統と言われてどの種牡馬が思い当たるでしょうか?
おそらくノヴェリストを挙げられる方が多いと思いますが、なかなか多くは見つからないと思います。
他には、キングズベストやその産駒のエイシンフラッシュ、ワークフォース。ディープ産駒ですがワールドエースも牝系はドイツ血統で、マンハッタンカフェもそうです。また今年から産駒がデビューしているオーシャンブルーもドイツ牝系。デビューした産駒はまだ2頭と少ないながらも14人気5着、9人気5着と父ステイゴールド譲りの意外性(?)も相まって低評価を覆し、掲示板入りしています。これから思わぬ活躍が見られるかもしれません。
以上が日本でよく見ることが出来そうなドイツ血統を持った種牡馬ですが、まだそう多くはないことが分かっていただけたかと思います。
ひとまずいまの新潟芝でドイツ血統がかなり活躍しているということをご紹介したいと思います。
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新潟芝コース 好走例
7/27 新潟1R 2歳未勝利 芝1400m
1着 4人気 コミカライズ
→父ノヴェリスト
7/27 新潟11R 佐渡S 芝2000m
2着 2人気 ゴージャスランチ
→父マンハッタンカフェ+母系の奥にドイツ血統
3着 3人気 ダイワメモリー
→父ノヴェリスト
7/27 新潟12R 3歳以上1勝クラス 芝1600m
1着 2人気 アビーム
→父ノヴェリスト
8/3 新潟3R 2歳未勝利 芝1800m
2着 3人気 グラスデスティーノ
→父ワールドエース
8/3 新潟9R ダリア賞 芝1400m
3着 5人気 コパノビアンカ
→父ノヴェリスト
8/4 新潟6R 2歳新馬 芝1400m
1着 5人気 トロワマルス
→父キングズベスト
3着 10人気 スターオブフォース
→父父キングズベスト
8/10 新潟3R 2歳未勝利 芝1800m
1着 2人気 ココロノトウダイ
→父エイシンフラッシュ
8/10 新潟7R 3歳以上1勝クラス 芝2400m
1着 1人気 エフェクトオン
→母ドイツ血統
8/10 新潟10R 三面川特別 芝1800m
2着 3人気 アルミレーナ
→母ドイツ血統
8/10 新潟11R 新潟日報賞 芝1400m
1着 7人気 ジョイフル
→父キングズベスト
8/11 新潟12R 3歳以上1勝クラス 芝1000m
3着 4人気 ヤマニンベリンダ
→父キングズベスト
いかがですか?
かなり活躍してる!と思われた方も、これぐらいならたまたま!と思われた方もいると思います。私はたまたまではないと思っています。もしこれがノーザンダンサーとかミスプロレベルの広がりを見せている血統であれば、たまたまだとは思います。
しかし新潟芝コースでのドイツ血統を持つ馬ということを考えると全体の分母はかなり少なくなると思うので、これだけ好走馬がいるのは間違いなく適性が向いているからだと言って良いはずです。
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新潟芝コースとの相性
では、なぜ新潟芝コースと好相性なのか。私はドイツ競馬に詳しいわけではないので、そう言われてしまうと難しいのですが、強いて挙げるとするなら
・主要レースを左回りの競馬場で行うことが多い
→遺伝的に左回りの走り方を受け継いでいる
・500m以上の比較的長い直線の競馬場が多い
→持久力的な末脚が特徴の馬が多い
・ドイツ競馬のメインシーズンが夏であること
→夏場に強いタイプが多い
このあたりとの関わりが非常に深いのではないかと推測します。
やはり競馬の世界は、メインシーズンに行われる大きなレースを勝つための馬づくりがされるわけです。
日本においては3歳時に行われる日本ダービーが中心で、三冠レースは春に2戦、秋に1戦です。そのため「ある程度早く仕上がって軽い芝向きのスピードと瞬発力に優れた馬」が生まれやすい傾向にあります。
例えば米国型血統の馬に「仕上がりが早くパワーとスピードに優れたダート馬」が多い印象があるのも、アメリカ競馬が"ダート中心で米3冠レースは春で3戦すべてが行われ、2歳G1の権威も高い"からなので、種牡馬としても仕上がりが早くテンからのスピードが速い馬という馬が生まれやすくなります。
ヨーロッパでは、3歳の権威あるレースも多いですが、やはり古馬の出走が多いフランスの凱旋門賞とイギリスのキングジョージが最高峰になると思うので、「仕上がりがゆっくりでタフな芝に強い馬」が生まれやすい傾向にあります。
ドイツ競馬は、ヨーロッパの中でも少し異質です。何かで読んだことあるのですが、他の欧州と比べると、時期によっては速いタイムも出る競馬場もあるとのこと。やはりノヴェリストが13年のキングジョージで大幅にレコードを更新するタイムで優勝したことなども、時計の出やすい新潟で活躍できる要因ではないでしょうか。
実際にドイツ系の血統を持った馬の成績を調べてみると、母ドイツ牝系のフォイヤーヴェルク(通算4勝のうちの3勝が新潟芝コース)、父・母ともにドイツ血統のショウナンバーズ(新潟芝コース2,1,0,0)、その半弟のイモータル(サウジアラビアRC 2着、共同通信杯 2着)など、新潟芝コースや左回りの競馬場で活躍が目立つ馬も多いということが分かりました。
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夏競馬に入り、未勝利からメイン重賞までされる方もいらっしゃるかと思いますが、重賞しかやらないという方も多くいらっしゃるかと思います。今週は新潟開催の重賞はありませんが、来週には新潟2歳S、再来週には新潟記念があります。新潟2歳Sに関しては、仕上がりの早さも重要視されるのでドイツ血統への信頼度はあまり高くないですが、特に新潟記念の出走馬でドイツ血統の馬には注意したいですね。
ちなみに、
「ドイツ血統が新潟芝に強いのは分かったけど探したりするのがめんどくさいor分からない!」
という方のためにドイツ血統を見つける方法をお教えします・・・
ドイツ競馬は母馬と同じイニシャルを付けなければならないという規則があるため、
このように
母Moonlady〜Midnight Fever〜Majoritat
母父Platini〜Prairie Darling
父母Allegretta〜Anatevaka
と、血統表の牝系が同じアルファベットから始まっています。こういった馬を見つけた場合は、ドイツ血統かな?と思って頂いた方がいいかと思います。よく調べたらフランスの場合もあります。逆にドイツ血統を探したい場合は、ここを見ればある程度の時間を省くことが出来ます。
日本競馬との相性
最後に、こういうテーマになるわけですが、日本競馬との相性、つまり東京芝2400mのダービーを中心としたスピードや瞬発力至上主義の世界にマッチしていくのかどうか、というところです。ここにマッチしていかなければ、国内では所詮「マイナー血統」として扱われ、日の目を浴びることはないでしょう。
ただ先ほど紹介した例を踏まえると、ヨーロッパの競走馬のなかでは、日本との相性はいいのではないかと推測します。
実際すでにエイシンフラッシュがダービーを勝っていますし、牡馬だけでなくブエナビスタやソウルスターリングなど東京2400mのG1を制した牝馬たちもドイツ牝系です。
あと今年のクラシック戦線は特にドイツ血統持ちが多かったような気がします。皐月賞2着・ダービー3着だったヴェロックス、1戦1勝で弥生賞を2着とし、皐月賞ダービーともに出走したシュヴァルツリーゼ、牝馬クラシックに出走したシェーングランツとジョディー。
これからの日本競馬はSS系やキングマンボ系が飽和状態に入りますし、やはり大系統を辿るとミスプロ、ノーザンダンサーなどの多重クロス、それによって引き起こされる体質の問題などは避けて通れない道かと思います。
ただドイツ血統に関しては、これだけ世界中にムーブメントを巻き起こしたミスプロやノーザンダンサー、ナスルーラなどの血統を持っている馬がほとんどおらず鎖国的にBlandford系やHampton系のSurumuなどを繁栄させてきたため、日本では無駄なクロスが起こりにくく体質が強い馬の生産が可能になります。
いまダービーでの血統的な馬券攻略法と言えば、「ダービーを勝った種牡馬や母父の組み合わせを狙え」とかディープ×Storm Catに代表される「SS系×米国型」を提唱されているのが一般的で、それが正解です。
ただ、もしこれから先、ダービーで高配当を狙うようであれば、まだバレてない血統傾向を狙うことも重要です。なのでトレンドとは一歩先の「ドイツ血統」を持った馬を狙うという考え方も悪くないのかもしれません。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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