【タイムレス】ウィノータエクストラコンバット侍デッキガイド【第0回檸檬杯優勝】
今回のあらすじ:タイムレスはいいぞ
こんサメ~🦈
蒼紅杯をきっかけにnoteで記事を書いたり、ジャパンオープンで決勝に残ったりと、日々お友達や強敵とMTGAでエンジョイしているわたくし鮫梨ジルでしたが、新フォーマットであるタイムレスの実装は非常に心踊るものでした。
というのも、私がマジックを始めたのはちょうど3年前……ゼンディカーの夜明け期でして、オムナスもウーロもオーコも死の国からの脱出も禁止されていたタイミングだったからです。アリーナを立ち上げたらいきなり禁止カードがワーっと出てきて面食らった覚えがありますwねこもいます。
お友達が「あれはやばい」「二度と帰ってくるな」「鹿:ザ・ギャザリング」と語るのをよく分からず聞いていた身としては、ついにこの時が来た!と、オーコを4枚作る所から始めました。
今まで使えなかったカードが使えるというのはとてもワクワクしますねっ!今回の記事にオーコは出てこないのですが、オーコですら採用されるか分からない、低マナ高パワーカードは勿論、やばいコンボが飛び交うスペシャルなフォーマット、それがタイムレスです!
参入に関してワイルドカードを多く要求されますが、わたくし的にはスタンやリミテッドを楽しみつつ、合間に訪れるのにちょうどいい怪獣フォーマットかなと思います。
既にこのフォーマットを本拠地にしている方もいたりして、これをメインでやるのも楽しそうです!
カード資産やリアルマネーに余裕がある皆様は是非遊んでみましょう!
今回はタイムレスの大会に参加して優勝したデッキガイドになります。
経緯とウィノータの歴史
今回参加したのは檸檬杯(仮)という、MOM蒼紅杯での優勝経験もあるVtuber永廻檸檬様が今後大会を主催するため、練習として開いた第0回大会ということで、リスト公開性・スイス5回戦・プライズなしというカジュアルな大会でした。
大会主催者増えていいゾ~これって感じですね!
私がこういった大会に求めているのは楽しさとちょっとの名誉(SNSでいいねや応援、褒めてもらえると嬉しい)、プライズも勝った時にあれば嬉しいな~くらいなのでホイホイ参加することにしましたが、環境初期特有の手探り感あふれるデッキをみんなで持ち寄って戦うのはとても楽しかったです!
最後はスニークアタックから世界棘のワームやアトラクサを出すデッキに敗れてしまいましたが、4連勝からの4-1ということでオポ優勝できました!
使用したデッキレシピはこちら。
デッキの強さ的にはよくてTier1.5、冷静に2.5くらいかなと思いますが、メタビート的ないいデッキです(自画自賛)!資産に余裕がある方や、ウィノータを既に持っていたり、多く採用されている指輪カードを持っている方は是非回してみて下さい🥰
最強デッキではありませんし、使いこなすには確率やコンバットといったMtGにおける難しい要素が絡んでくるので初心者の方には全くおすすめできません😭
コンセプトと回し方ミニガイド
メインのギミックはELD~AFR期のスタンダード末期に存在した、マナクリやエシカの戦車などの人外を沢山ならべておいて、ウィノータを着地させ、人外フルアタックから出たら勝つ人間をデッキから出すというお馴染みのものですが、タイムレスではこの出たら勝つ人間、いわゆる当たりくじの質が非常に高いです。
パイオニアやヒストリックではここに6マナや7マナの生物が採用されていたのですが、これらの重い生物は引いた時に困るデメリットがあります。
とはいえそんなデメリットを抱えつつもパイオニア・ヒス環境ではトップメタとして君臨していたのです。
最終的にウィノータはパイオニアでは禁止・ヒスではガチャが1回しか引けないナーフを受け無惨なカードになり、今では使われることはなくなりました。
スタンで使われていた時は、ウィノータを除去されていても当たりくじやエシカの戦車を手札から素出ししていくことで質の高いクリーチャーによるビートダウンが可能でした。サブプラン、別軸の勝ち方を高い水準で備えていたので隙がないつよつよデッキでした。
上記のような、生物を重くても5マナまでの質の高いカードで構築することで、メインのウィノータガチャプランと、グッドスタッフビートプランを両立させた咎めにくいデッキだったのです。ウィノータを除去されても、引いてきた当たりくじで殴って勝つ!
半年近く大流行していたスゥルタイ根本原理を抑えて最後に覇権を掴み取った今見てもスゴ味のあるデッキでした。
といった経緯から、素出し可能で強力な人間と共存しているフォーマットであればウィノータデッキはやれるという確信があり、またモダンでのウィノータデッキのガイドをnoteで上げているネグセん氏の記事を読んだことで輪郭がハッキリしてきました。
この記事で紹介されているエオメルと、マナを使わずに好きなタイミングで死亡できる生物(ここでは爆弾三勇士とする・モダンとは構成が異なります)の組み合わせは、追加コンバット自体が非常に有力で、爆弾三勇士が内蔵しているクリーチャーを守ったり強化する能力は追加コンバットに使うだけでなく、ヘイトベアと合わせて別軸の攻め方も可能にしてくれますし、上手く組めば総合力の高いデッキになりそうだと感じました。
ウィノータガチャからまずはエオメル、次いで爆弾三勇士と出していき、全体破壊不能や追加の戦闘フェイズ、エクストラコンバットを得て勝ちます。
数体のマナクリしかいないような盤面からでもいきなりシャキーンて感じで勝つのでウィノータエクストラコンバット侍です。
一度戦闘が終わってもターンが終わるまではダメージが取り除かれないため、ウィノータの誘発回数さえ確保できていれば、不利な状況に見えてもエクストラコンバット+ハジャールやボロミアの効果+ダリアンの全体修正がかかるため概ね勝ち、あるいは盤面を大優勢にするコンバットになり得ます。2回ブロックして生き残れるのはタルモとデスシャドウからいですので、まずは殴ってから考えてもヨシ!
また、エオメルの追加コンバットは、1ターン1回と書いてありますが、新しいエオメルを出しなおせば新しいエオメルの方は誘発します。ここ遊戯王とかと違うポイントですねっ!
ですので応用として、ウィノータガチャの誘発回数が多い(下限2回~)なら、Shift+Enterでフル操作モードを固定(フルコン)しておいて、エオメルと爆弾三勇士のうち1枚が並んだ時点で爆弾を死亡させてエオメルを誘発させておきましょう!なるべくダリアンは長く生きていて欲しいので、全体に破壊不能と指輪をつけられるボロミアから起爆するのがベターです。
こうしておいて、後でエオメルがめくれたら、新しいエオメルを出したときの伝説ルールを処理する所で、新しい方を残すのです!すると旧エオメルが死亡したことで、新エオメルがさらに追加の戦闘フェイズをもたらしてくれます!3回の破壊不能つきフルアタックが通れば勝ちでしょう!
また、重要な小技としてフルコンを活用するにあたり、このゲームには戦闘終了ステップと呼ばれるタイミングがあります。
アリーナの画面でいうと、戦闘ステップに入り、攻撃クリーチャーを指定しビビビシッとタップし、相手がティンティンティンとブロッククリーチャーを指定し、割り振りを決めると、ガンガンガンガンと派手な動きと音でクリーチャーたちが戦闘し、ダメージを与えますが、戦闘フェイズはこのダメージを与えた段階で終わりではないのです!
フルコンにしているとダメージを割り振った後、戦闘後メインフェイズに入る前に戦闘クリーチャーの前に矢印が残っているタイミングがあるのですが、この戦闘終了ステップというタイミングで爆弾三勇士を死亡させてもエオメルが誘発します。画面に矢印が出ている間はまだ攻撃クリーチャーだからです!
追加コンバットが欲しい場面でスルーされてもフルコンにしておけば、ダメージ解決後の起爆で追加コンバットから勝てる場合があるので覚えておきましょう!人間を爆弾扱いするな。
ウィノータとエオメルを引き立てる脇役たち
さて、ここまででデッキのキーカードとやりたい動きが決まったので、あとはウィノータガチャを素早く決めるためのマナクリなど誘発要員を入れたり、コンボが邪魔された時のビートダウンを遂行できるカードを足していきます。
伝説かつ人外のカードは、4ターン目にウィノータ・エオメルのどちらが着地しても勝ち筋になりますので優先的に採用します。上記のボロミアもそうですが、指輪物語のカードがいい味を出してます。
マナクリはタフ2とおまけの効果が嬉しい冠婚葬祭コンビを2種8枚。
伝説でこそありませんが1マナと軽く、後続の展開をサポートしてくれ、ガチャ回数を増やしてくれます。
盤面に素早く生物を出すのはサイド後も共通したプランなので抜くことはないと思います。
その他誘発要員はそれぞれに言い分があり、散らしたのですが、今回大会直前に枚数を足したエメリアのアルコンが頭2つ抜けて強かったです。ミンブーも良かったけどこちらは頭1つくらいかな?アルコンは逆に伝説じゃないのが複数置けて偉いです。
ということでアルコンを増やすなどして私はまずここに手を加えて行く予定ですので、皆様も色々試してみて下さい!今回のリストはここの枠が多すぎたので、妨害増やしそうかな?
ウィノータを抜く場合にちゃんと勝ってくれるカードがいいと思います!
さて、話をアルコンに戻します。
こいつが戦場にいると前半の効果で、タイムレスでよく使われる強い動きを縛れます。これが鬼のように強い!
例えば、暗黒の儀式やアイレンクラッグの妙技からのビッグアクションやストーム、1マナ連打と戦慄衆の秘技術師(ジャーシル)の黒赤(緑)頻出の動き、瞬唱の魔道士といった広い相手に深く突き刺さります。
なお、イゼットフェニックスは全身エメリア性感帯なので定着したら簡単に逝ってしまいます。全体強化ニ種やボロミアを使い、稲妻で死なないよう大事に運用しましょう!指輪をつけておくとハジャールでも守れるようになります。
また、後半の効果もフェッチランドが10枚前後採用されている(要出典)この環境では非常に良い働きをします。
相手がデッキからショックランドしか持ってこれない場合、2ターン何もしない土地ということなりますので実質ランデス内蔵です🍕その間にウィノータやエオメルで攻めていきましょう!
相手視点に立ちますと、赤い相手にフェッチランドを使う時は血染めの月対策として基本土地を早めに引っ張ってくる、という定石がありますが、アルコンはそれと逆のことを要求するのでよく刺さるという理屈です。月を入れずに月を強く使えちまうんだ!ただ赤マナが出る土地を置いただけだが?
こういった相手の動きを咎める、”刺さるカード”を適切に刺すと、ゲームを決めてくれるアドバンテージをもたらしてくれます。ラガバンや渦巻く金玉・一つの指輪に対してオークを刺した経験は皆様もあるのではないかと思います。
オークが盤面とライフという直接的なアドバンテージを得るのに対し、こちらは長期的に相手の行動を縛ることで、テンポとカードのアドバンテージを得ることが出来ます。しかも飛行23だからガチャを引き殴れる!
アンフェアデッキへのアプローチ
さて、このデッキ、実はウィノータ以外はフェアデッキとして構成されています。基本は質の良い生物を並べて殴る、そこにウィノータガチャからのコンボを積んだデッキだからです。
サイド後にウィノータを抜く場合はエンチャントやダリアン48世で全体強化してビートしたり。エオメルも盤面以上のことはしないので、限りなくフェアデッキです。
ですのでウィノータ・エオメルをサイドアウトしたり対処されると、普通にビートダウンしていく展開になるのですが、何も考えずに構築とプレイをしていると引いたカードを順に出すしかなく、伝説ルールのデメリットもあり最終的にリソース負けしやすいです。
タイムレスでは相手は沢山カードを引いたり並べたり、除去を使いまわしたり鹿を増やしたりしてきますから、そうならないような構築をすべきです。
ですのでリソース負けせずビートダウンしていくためにエメリアのアルコンのような刺さるカードがもたらすアドバンテージを上手く使っていく必要があります。このカードは相手のテンポに干渉することで、カード枚数差を実質ゼロにできるのです。ハンデスこそしてませんが、実質何枚ものカードを無力化しているのです。
といったロジックから大会前にアルコンを足したのですが、自分含め全員がアルコンで1回はハマったので大正解でした。
あとボロミアの隠された効果でミシュラのガラクタが打ち消されたり、初見殺し部分が強かったです。
このエメリアのアルコンを入れたロジックの流れは、師匠から教わったデッキ構築理論に基づいています。
師匠のどうみんさんは定期的にアープンインマネや、ラスベガスリミテオープンでプロツアー出場をキメたりとリミテッドの腕はもちろん、マジック全般と人間への造詣の深さから来る例え話や寓意に満ちた教導が得意で最高の師なのですが、中でも素晴らしいと感じたデッキ構築のお話を引用します。
私がSTX期にどうみんさんに師事して以来、どうみんさんの実験体として暮らしているのでこういったお話を掘り下げてもらうことがあるのですが、当時のスタンダードのウィノータはXYZ全部が強い、という話をしたことがありました。
X(ウィノータ)が潰されないように精鋭呪文縛りというYで縛る、あるいはXを警戒させつつYを連打して勝てる、後知恵で文句をつけるどころか称賛するしかないという完成度が高い構築でした。
Z部分の人間と人外の比率とかもなんかすごいやばいです。
タイムレスで組むにあたり、精鋭呪文縛りはタフ1なため(2マナのオークで死ぬ3マナのカードは弱い)採用できませんが、アルコンはこの島田紳助理論でいうY軸のカードとして最高だと思いました。
致命的な一押しのような採用率の高いカードでも、フルタップのときに出せばフェッチからの紛争達成がすぐに出来ないことや、赤い相手には強化や守る手段を併用することで稲妻で落とされずに定着させられます。
ということでメインに4枚入れても良さそうです。入れましょう!
採用しなかったカードとかわりに入れてるカード
負け筋であるサイズ負けを稲妻では消せないことから採用しませんでした。
タルモにはクローティスとシャーマンでじっくり小さくして盤面を取りに行くいくプランが取れますが死の影がきついです。
上記のモダン記事のリストのように、激情とあわせて取ってはじめて真価を発揮するのではないかと思います。タイムレスにはラクドス想起みたいな、インスタント除去を沢山取りたいデッキもないですしね。
モダンエアプなので想像で語ってますが、タイムレスには合ってないと感じていますw
タイムレスではライフを直接詰めるよりボードをサイズと横並べでじわじわ取って、エオメルによる突然のエクストラコンバットや顔にハムスターを投げて勝つほうが攻防に効いてそうでした。
除去としては現実の断片化というアルケミーカードが触れる範囲が広く、サイドプランが噛み合わず墓掘りの檻・血染めの月でピンチな状況を打開してくれます。
デメリット部分もタップ状態で出るので次のコンバットで勝つなら関係ないです💪
モックスアンバーもまた、サッフィーとガドック・ティーグがいるモダンでこそ強いカードです。タイムレスのプールでは緑含みの伝説が素出ししてうれしいものが少ないため、アンバーから緑マナが出ず、追加でマナクリを足したり夏の帳を構えたりということができないからです。
最初は1枚入ってましたがアルコンが入ったことで0枚になりました。
サムトは鹿で止まりますし稲妻で焼かれますし、ドローがデメリットになり得ます。タイムレスの環境的に使わないほうがよさそうでした。
逆にモダンで使われてないようなカードでは、鏡割りの寓話がエシカの戦車とも噛み合っていて良さそう。2ターン目に置ける先手では強く使えそうな感触です。
他に検討したカードを以下に適当に並べます。
おわりに
今回の記事は以上になります。
優勝した勢いで3時間で書いたので拙い部分もあると思いますが、皆様がタイムレスを楽しむ一助となったり、最強のウィノータデッキを組む役に立ててもらえると嬉しいです!ウィノータっていうかエメリアのアルコンの記事になってないか?
タイムレスの制定とマッチングバグ解消で、また草の根大会界隈が盛り上がってきていい感じですねっ!ではでは~
この記事を重寝累花さんの誕生祝いとして、鮫梨ジルより愛を込めて🦈🍐💦