調香師インタビュー:Céline Barel/ Tuberose [NEZ 2021年8月27日]
NEZ Magazine Webの記事を翻訳しています。
今年6月に出版された本、From Plant to Essence – A World Tour of Fragrant Raw Material (Français-English, Nez éditions, 2021) にも掲載されている、天然香料についての調香師の方へのインタビューです。
今回の調香師はCéline Barel、テーマはTuberose(チュベローズ) です。
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Céline Barel: 「チュベローズは戯画化されることが多すぎます」
By Anne-Sophie Hojlo
2021年8月27日
Céline Barelは2001年にIFFのパフューマーとなり、Aesopの「Tacit」、Zoologistの「Squid」、Jo Maloneの「Vanilla & Anise」、Maison d'Ettoの「Canaan」と「Durban Jane」などを手がけてきました。
チュベローズの香りをどのように表現しますか?
新鮮な花からは、ココナッツを思わせる太陽のようなクリーミーな香りや、グリーン、フレッシュ、スパイシー、アニマルといった要素が感じられ、麻麻酔性のある、催眠剤のような非常に複雑な香りがします。チュベローズアブソリュートには、これらの特徴に加えて、サリチル酸メチルと安息香酸メチルがもたらす若干の薬っぽさがあります。
Tuberose Bloomingは何が違うのですか?
このLMR限定アブソリュートを作るために、香りの分子が最も多く放出される開花のピークである夕暮れ時に花が摘まれます。この特別なプロセスにより、従来のアブソリュートの薬っぽさやワックスっぽさを取り除き、野生の花に近い香りを実現しています。Tuberose Bloomingは、フルーツのようなラクトニックでインドリックな特徴を前面に押し出し、スパイシーでクローブのようなトーンを強調することで、よりモダンで魅惑的な香りに仕上がっています。
コンポジションではどのように使うのでしょうか。
繊細なレイヤーを持つ花ですが、悲しいことに、ラクトニックなココナッツの側面に変換されたシングルフローラルとして戯画化され、少し「安っぽい」、露骨な香りにされてしまうことが多いです。Maison d’Ettoのために創香した「Canaan」では、この固定観念からの脱却に挑戦し、ユニセックスなチュベローズを作りました。ウード(沈香)と組み合わせることで昇華させました。ウードは、カンファー、レザー、アーシーな要素を共有しているのです。素晴らしく華やかなこの香りは、男性が持つべき力の象徴です。
IFF / LMR Naturalsについての詳しい情報はこちら : www.iff.com
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原文はこちら
https://mag.bynez.com/en/perfume/celine-barel-tuberose-is-too-often-caricatured/
(画像:NEZ Magazine Web)