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雑種ライターとして27年やって身に着けたこととは?
ライターとしてのスタートは、取扱説明書づくりから
私のライターキャリアのスタートは、パソコンや工業製品の取扱説明書を作成するテクニカルライターでした。エンジニアが作成する**仕様書(技術要件のまとめ)**を読み解き、一般ユーザーが迷わず使えるように説明書を作成する仕事。求められたのは、ヒアリング力ではなく読解力。そして、確認のためのメール作成スキルでした。
また、取扱説明書には図版やイラストが必要なため、外注先に発注しながらディレクションを行うことも頻繁にありました。この経験が、人に依頼しながら成果を作り上げるディレクションスキルの基盤となったように思います。
広告制作の現場でディレクターとしての視点を持つ
広告制作の現場に入ってからも、私はクリエイターではなくディレクターや営業に近い立場でした。クライアントから依頼を受け、それをクリエイターに正しく伝える役割を担い、共通言語化するための資料作成やディレクションを行う日々。
とはいえ、ライターとしてのスキルも求められ、「2日で50ページの提案書を作成」 なんてこともザラにありました。クリエイターとクライアント、それぞれのこだわりを擦り合わせながら、実現可能な形に調整していく。時には法律や倫理規定のチェックを専門家と行いながら、企画を進めることもありました。
自社広報に関わり、戦略的なライティングへ
広告制作会社を離れ、自社広報の立場になってからは、HPやSNSを使った広報活動に深く関わることになりました。ただ単に情報を発信するのではなく、「営業が営業をしやすい環境を作るためのライティング」 を心がけ、会社のブランドイメージを確立することに注力。
同時に、横浜の子育てメディアの編集長として、飲食店や商業施設、市役所などにインタビューを行い、記事を制作。ライターを帯同して取材のサポートをすることもあれば、1,300本以上の記事の編集・リライトを担当し、読者にとってわかりやすい文章に整える作業も行っていました。この経験を通じて、「文章をより伝わる形に整える編集力」を鍛えることができました。
プレスリリースの成功が、独立のきっかけに
自社広報の中で初めて書いたプレスリリースでは、営業現場に直接インタビューをし、さらにターゲットとなるメディアがどのような社会情勢に関心を持っているかを分析した上で執筆。すると、初めて書いたプレスリリースでテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」の取材を獲得。 その後も複数のメディアから声がかかるようになりました。
この成功体験がきっかけとなり、2015年にプレスリリースの執筆をメイン事業とする形で独立。テレビや新聞、ウェブメディアへの掲載に導くPRライターとして活動を始めました。
プレスリリース代行が180を超えました。
独立開業してから10年目となる2025年2月現在では、プレスリリースの代行実績が180本を超えました。知る人ぞ知る裏技により、**メディア掲載率ほぼ100%**となっていて、プレスリリースライターとしては必要要件を満たしているのではないかと思います。
しかし、有名なテレビ番組に出演(もちろん無料)が叶ったとしても**「誰も知らない」** ということが起こるテレビ不遇の時代。メディア出演によるブランディングを狙うだけでなく、集客数、成約率にもこだわりのあるPR提案をしたい と考え始めています。
【結論】27年いろんなライターをやって身に着けたこととは?
「聴くこと」の重要性
ライターとして27年。取説や広告コピー、メディアの取材ライター、編集、プレスリリースと、様々な媒体でのライティングをしていると、書くこと自体のテクニックは安定してきますが、経験が浅いライターにとって一番難しいのは**「聴くこと」** です。
なぜなら、良い料理を作るには、良い材料集めが欠かせない のと同じように、お客様の事業、周りの環境など、様々な事情を知らないと書けないのがライターだからです。
27年の経験は、好奇心を育ててくれたと感じています。「もっと知りたい」という想いと、「これを誰かに伝えたい」という想い、その合わせ技がライターとしての腕を磨いてくれています。
素人目線を忘れない工夫
知識が増えると、専門家向けの文章になりがちですが、ライターとしては素人目線 を意識し続けることが重要です。無駄なカタカナ語や専門用語を使いすぎると、読者の興味を引くどころか、伝わらない文章になってしまいます。
幸い私は、論文や専門誌の執筆よりも、取説では一文一意(誤操作予防のため、一つの文章でひとつの意味にしかとらえられないようにする) ことを鍛えられましたし、一般向けメディアやプレスリリースも素人向けに執筆すべき立場 なので、「中学生でもわかるような文章」 を書くことに長けています。
編集スキルと伝わる文章作り
ウェブメディアの編集長として、ライターが書いた原稿を編集していた時も、より分かりやすい文章にすることに注力し、ライターから感謝されることも多かった です。
また、ビジネス交流会などで、一般的には知られにくい様々な事業をしている起業家 にお会いすることができたので、その人たちが悩んでいる**「人に伝えること」についての代弁** をできるようになったのも強みと言えるかもしれません。
聴くこと、一般的でない事業をしている起業家の代弁ができること、そして中学生でもわかる文章にすること。 これが、私にとって27年のライター生活で得た収穫です。