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ego:pression 第12回ダンスパフォーマンス公演 イマーシブシアター「MISSION8 Revival」感想

 去る令和6年12月14日と15日に、エゴプレさんのイマーシブシアターに参加して来ました。
 ぼくがイマーシブシアターにハマり始めた頃、1回だけ参加し、滂沱のごとく泣き、なぜ1回しかチケットを取らなかったのかということに大後悔した公演のリバイバルとあって、気合い入れて参加してきました。
 今回は計4回なんとか参加出来たのですが…ぜんぜん足りない。ぼくにもっと稼ぎがあればいいのに…と歯がゆくなりましたか、でも精一杯楽しんできました。

 今回は、公演全体とダンサーさんに言及した感想、そしてぼくが妄想して書いた物語仕立ての感想を、ふたつ書きました。
 物語仕立てのほうは、ほぼ夢小説となっておりますので、そういうのキモって思われる方は回避願います…。好きすぎて、書いちゃった。
 この記事では、前者の感想を書いていきたいと思います。

全体の感想

 まずは再演に感謝です。ほんとうに、またみたかった…。
 エゴプレさんのイマーシブの特色とかスタイルについては他で解説されていると思うので割愛しますが、ぼくは常に「ヒトならざるものたちへのあたたかな眼差し」みたいなものを感じているような気がします。
 ヒトではないために、温かさや感情を知らないはずなのに。でも、ヒト以上にヒューマニティーに溢れていて、ヒトを救う存在になる。そういう逆説的な感動や面白さがあるのかなぁとか思っていました。

 今回も新木場のスタジオということで、場所まで同じにしていただけることに、本当に感謝しかないです。
 ただ、アクセスには苦労しました…。待機スペースつくって、カフェとかやっちゃいませんか!? ぼく手伝います、公演チケットいただければ! って感じでした。あとお子さんがたくさんいらっしゃってたので、あの階段や段差はなかなか厳しかったのかなーとか。ゆっくり降りなきゃいけないから、渋滞起きてたし。でもあの場所であることに意味があるしなぁ…とかぐるぐる考えていました。

 正直、前回は1回だけだったので内容の変化には気づけてませんが、やっぱり素晴らしかったです。全4回、全て泣いてました。今回は前回わからなかったこともわかって、スッキリしたところもあったし。
 オープニングの無機質な感じからの期待感、そしてカーテンコールのOrigaのRise。前回と同じく、テンションぶち上がって、涙吹き飛ばすくらいよかった。しめやかに終わるのではなく、ノリノリで終わるのも、次に引きずらない感じで素晴らしかったです。

 ふだん、無味乾燥な砂漠のような場所に住んでいるので、見目麗しい方たちを間近で鑑賞できるだけで、もうね、めちゃくちゃ潤います。さらにダンスという身体表現も近距離で見られるという贅沢さ。ほんとうに素晴らしい。ぜひ次回作も複数回行きたいと思っています。

 あと、性別限らずペアや役柄があるのは、個人的にはすごく嬉しかったりします。
 自分のセクシュアリティを誇示するわけではないし、それはもう自分が世の中に全部合わせないといけないと覚悟はしているのですが。ぼくは見てくれはオトコなので、とあるイマーシブシアターのVIP体験が、綺麗なお姉さんにからんでもらうっていうやつで、なかなかしんどかった記憶があるんですよ。いや、嫌ではないけど、どうしたらいいかわかんないよね。別に嬉しくないし。
 H-elenを男性が演じていたり、G-eoとD-aryaが女性ペアだったり。そういう、無理やりではないフラットな感じも、ぼくがエゴプレさんが大好きな理由のひとつです。イマーシブシアターは恋愛を描くことも多いですが、男女のそういうのはやっぱり、どこかで冷めちゃうというか、はいはいいつものアレね感で没入できない時もあるんですよね…完全にマイノリティの、わがままですが。

H-elen (pirori-noさん)

 最初は、pirori-noさん演じるH-elenを追いかけました。前回はH-elenを追いかけていたので、念願でした。
 H-elenの慈愛あふれる性格と、pirori-noさんの繊細で柔らかいダンスがマッチしていて、ほんとうに素晴らしかったです。pirori-noさんはとても色白でいらっしゃるので、ニコニコしながらみんなを支えている姿は、静かに照らすお月様のようなやさしさにあふれていました。いっしょにダンスできたのうれしかった!
 お洋服を畳む姿がね…ほんと、いじらしいんですよ。誰も見てないのに頑張ってるのが、素敵すぎる。なのでラストほんとに、辛かった。あのニコニコが無表情に変わってゆくのが…。
 カーテンコールのはっちゃけたpirori-noさんのダンスは、妖しい魅力で最高でした。

B-ily (YOU UENOさん)

 次はYOU UENOさん演じるB-ilyを追いかけました。
 もう、ビリーー!! かわいすぎる。めちゃくちゃ背が高くてガタイいいのに、しゅんとしたり、嬉しそうにしてたり…萌えキャラ(死語)です。真のヒロインはB-ilyだと思います。寝る時、楽しそうに食事の様子とかを見せてくれて、毛布をかけてあげられたのは、ほんとに良い思い出です。
 YOU UENOさんは相変わらずのファンサの鬼。長い手足から繰り出されるダイナミックなダンス、そして鋭い眼光で「え、見つめられてる…確実に、ぼくを見つめてくれている」という、かなり危ない気持ちになってました。でもやっぱり追いかける人が多いので遠巻きに見ていることもしばしば。こういうとき背が低いことを恨む。

G-eo (えみさん)

 3番目はえみさん演じるG-eoを追いかけました。 
 無邪気に、知ることの楽しさを享受してたはずなのに、ロボットのなかでもいちばん辛い真実と向き合うことになってしまったG-eo。その苦悩が伝わってきて、シャッターが降りる瞬間、切なすぎました。Da-ryaとつかの間の幸せも長くは続かず…エネルギー液を託されるシーンは、嗚咽がすごすぎて豚鼻になっちゃうくらいでした…悲しすぎる。
 えみさんは小柄な方だったのですが、とても楚々としておられて、清廉な感じがするG-eoにピッタリだと思いました。のびやかで喜びあふれたSAIKAさん演じるDa-ryaとのペアダンスにうっとりして、おもわず笑み。

愛 (秋吉朝子さん)

 最後は、秋吉朝子さん演じる愛を追いかけて、千秋楽。
 不安に苛まれながらも、徐々に自分というものを掴んでゆく愛。その名前の通り、ロボットたちに愛を教えながら、逆に愛や人間性を一身に受ける存在としても、特別なんだなぁと思いました。がんばれーって常に心の中で応援してた。とくにロボットたちにすがりついてしまうシーンが、感動的でした。肌身に触れないと伝わらないこともあるよね、きっと。
 前回の鳳明館物語でもそうだったのですが、秋吉さんもファンサすごすぎです。ぜったい、自分のために踊ってくれてる! とかんちがいしがち。
 あと、イマーシブの枠組みからお客さんがちょっとはみ出しそうな時に、自然に枠内に戻すのがすごい。めちゃくちゃ自然。最前列の人が立っていたのを、「ねえ、見た?」 みたいな感じで自然に座ってもらったりとか。さすが、としか言いようがありませんでした。

おわりに

 全体の感想は以上です。今度は…地方に…来ませんか…とくに西の方に…なんてね。
 こんなに質の高いイマーシブを見られることに、本当に感謝して、この記事を終わらせようと思います。
 また次まで。しばらくMISSION8を思い出してニヤニヤしながら過ごします。


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