4361表記・6513表記の違いについて

お 久 し ぶ り で す ! ! ! (生存報告)

TLでこれについて話している人がいたので、僕自身の理解の整理のためにも、改めて書き出してみます。

↑(多分)元になった動画。

まずこいつらは何?

前提(大事)

以降、A(ナチュラル)マイナースケールの曲を考えます。
『ディグリーネーム』というコード理論の概念については、詳しい説明は省きます。ざっくり言うと、曲中のコードの"相対的な"位置を数字に対応させたものです。

4361表記

FM7 E7 Am7 C7という進行を、「IVM7 III7 VIm7 I7」というディグリーネームで書き表すことを言います。

6513表記

FM7 E7 Am7 C7という進行を、「bVIM7 V7 Im7 bIII7」というディグリーネームで書き表すことを言います。

何が違うの?

見ての通り、ローマ数字が違います。

…いやそりゃそうだろその先説明してくれ

具体的には、コード進行に対するローマ数字の《割り当て方》が違います。
コード進行の《基準》となるコード(ちなみにトニックと言います)に割り当てる数字を VI としたものが4361表記で、 としたものが6513表記です。

勘の良い読者は(ry

6513表記は、厳密には「b6 5 1 b3」と書かなければなりません。
ただ、単純にめんどくさいので表記名を見やすくするためにあえてフラットは省略しています。

それぞれのメリット・デメリットは?(本題)

ここからがこの記事の本題になります。

6513表記のメリットは、そのまま4361表記のデメリットに、
4361表記のメリットは、そのまま6513表記のデメリットに読み替えてしまって問題ないので、それぞれのメリットのみを列挙していきます。

4361表記のメリット

・ディグリーネームにフラットが付かない。
・覚えるべきディグリーネームの体系が1種類で済む。
・キーの長短が曖昧な曲でも問題なく使える。

6513表記のメリット

・プライマリードミナントとセカンダリードミナントが区別しやすい。
・マイナーキーのディグリーであることが即座に判別できる。
(・借用和音の由来が分かりやすくなる。)※自信なし

↑参考元です。

この話は、あくまで「流派」であり、更には「使い分け」なので、
どれが正しくてどれが間違っているのかではない
というのが、僕の考えとなります。

僕はどっちをよく使うか?(余談)

ずばり、6513表記です。なぜなら、メリットの1つ目、
《プライマリードミナントとセカンダリードミナントの区別》を重視するからです。
あと、6513表記を使って困った場面に出くわしたことが無い、つまり長短が曖昧な曲に出会ったことが無い(それ強引に長短決めてるのでは???)からです。

SoundQuestさんは、

よくよく考えたら、キャプテンの背番号が1番じゃなきゃいけない理由なんてどこにもないのです。

ディグリーネーム - SoundQuest

と仰っていますが、僕の場合は、
「キャプテンは1番でありたい」と思うので6513表記を使っています。

実はそれだけの話です。シンプル。

表記の違いによる問題点

「私はどちらの表記を使っていますよ」という意志表示がないと、異なる表記を使う人同士で認識がズレてしまうことが、全てだと思っています。

あくまでディグリーネームは、コードという「実体」に名前を付けたものに過ぎないので、我々がどうそのコードを呼ぼうとも、奏でられる『音』は変わりません。

(ん?"解釈"が変わると違った音に聴こえ得るって?
深く考えたら負けじゃぁぁあ!!!!)

そんなディグリーネームに、正しいも間違いも無いんです。

あくまでも、『文字』を使って『音』の構成や解釈を伝えようと人類が発明したツールに過ぎません。

終わりに

先人たちが発明してくれたにも関わらず、こちらの理解力不足で解釈が上手く出来ないモーダルインターチェンジを始めとしたノンダイアトニックコード系理論くんごめんね……。(´;ω;`)