【般若を木村昴が語る】「日本語RAP孤高のトップランナー・般若編の後半戦! そのリリックの超独自な世界について語ります! 」【HIPHOP HOORAY VOL.7 ヤングジャンプ公式】
『ヒプノシスマイク』でも活躍の、声優界イチのガチなヘッズ・木村昴の日本語RAP連載!
前回は般若さんのイメージと出会いのエピソードについてでしたが今回はさらにディープに!!
木村 昴 きむら すばる:1990年6月29日生まれ。ドイツ出身。『ドラえもん』ジャイアン/剛田武役、『輪るピングドラム』高倉冠葉役等を担当。『ヒプノシスマイク』ではイケブクロ・ ディビジョン代表Buster Bros!!!を率いる山田一郎役。天才劇団バカバッカを主宰。ラッパーとしても『フリースタイルダンジョン』にも出演していたラッパー・掌幻と“掌幻と昴”として活動中。
※本記事は週刊ヤングジャンプ2020年27号に掲載された内容をnote用に一部改変して収録しました。
日本語RAP孤高のトップランナー・般若編の後半戦!そのリリックの超独自な世界について語ります!
——前回は般若さんのイメージや木村さんが直接会ったときのエピソードのお話だったので、今回はラッパーとしての般若さんについて語って頂ければと思います。
インタビューや『フリースタイルダンジョン』での般若さんって、掴みどころがない印象があるんですよ
——『ダンジョン』では、裸にバスローブ姿でいきなりスナイパーに狙撃されるコントをやったりしてましたね。でもバトルになると、とにかく熱いラップを対戦相手にぶつけて。
そうやってフザケたりするのは、シャイな部分に由来するのと同時に、“直接的な表現はつまらない”っていう気持ちが強いのかなって思うんですよね。核心の部分やメッセージを直接言ったら、聴いてる側は受け取りやすいかも知れないけど、心の芯の部分には刺さらないって気づいてるんじゃないかって思うんですよ。
だから1つのメッセージを表現するにしても、スゴく遠回りしたり、一見関係ないような、でも実はつながってる言葉を挟んだりして、それによって、メッセージを強く、深くしてるんだと思う
——色んな意味が入り込むからこそ、リスナーは考える事が必要になりますよね。
間違いない。だからより深くメッセージが刺さってくるんだと思います。例えば『はいしんだ』って曲は、“配信だ”と“はい死んだ”みたいに2つの意味を1つの言葉に被せて、リスナーに考えさせるようにしていて。そういう同音異義語やダブルミーニングも般若さんは多いんですよね。
だから般若さんを聴くときは、まずは歌詞カードを読まずに、耳だけで聴くと良いと思うんですよ。それによって同音異義語にいろんな解釈が生まれるし、考えさせられる。3回は耳だけで聴いて、4回目で歌詞を読むのがオススメです。
一方で、般若さんが自分のルーツをKOHHさんと一緒に歌った『家族』とか、長渕剛さんの『心配しないで』をサンプリングした『心配すんな』みたいに、ズバッと本質を歌う曲もあるし、そのグラデーションが般若さんの魅力だと思うんですよね
——では木村さん的に、これから般若さんの曲を聴くリスナーにオススメするのは?
うわ〜! 難しい! 『路上の唄』、『夢の痕』……たくさん名曲があるんですけど、『あのサ』ですかね
——内面性の高い曲なので、意外なチョイスですね。
“めし屋のみそ汁/浮いてる虫が/オイそんなにオレの事が好きか/「スミマセン」「…」/オイ無視か”
みたいに、ちょっと離して韻を踏んだりするのも面白いですよね。
熱いタフな曲もあれば、『虎の話(あわよくば 隙あらば 俺だけが)』みたいにエッチな話だったり、ギャグセンスが高い笑える曲、タブーに切り込んだ曲、『ワンモアレップ』みたいな筋トレの曲、DVDだったらソロ・ワンマンを映像化した『おはよう武道館』とか、様々な曲や作品がるんで、どの世代にも聴いて欲しいし、伝わると思います!
#StayHome推奨曲 『インダハウス』YouTube公開中。
ファンサイト「来れたら来て」(https://hannyaofficial.fensi.plus/)更新中。
撮影◎門嶋淳矢
取材・文◎高木“JET”晋一郎
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