【ニューカマーを木村昴が語る】「YouTube発・日本語RAPの新潮流をCHECK! 」【HIPHOP HOORAY VOL.12 ヤングジャンプ公式】
『ヒプノシスマイク』で山田一郎役も務める声優界一の“ガチなヘッズ”な木村昴の日本語RAP連載!
前回のNYオールドスクール編とは打って変わって日本のシーンの最新動向! 軽いノリのようで実はスゴかった!! そして今イケてるラッパーに
ついての謎の昴理論まで!?
木村 昴 きむら すばる:1990年6月29日生まれ。ドイツ出身。『ドラえもん』ジャイアン/剛田武役、『輪るピングドラム』高倉冠葉役等を担当。『ヒプノシスマイク』ではイケブクロ・ ディビジョン代表Buster Bros!!!を率いる山田一郎役。天才劇団バカバッカを主宰。ラッパーとしても『フリースタイルダンジョン』にも出演していたラッパー・掌幻と“掌幻と昴”として活動中。
※本記事は週刊ヤングジャンプ2020年39号に掲載された内容をnote用に一部改変して収録しました。
YouTube発・日本語RAPの新潮流をCHECK!
今回は日本のニューカマーのお話が出来ればなと。やっぱり音楽制作が手軽になり、YouTubeとか発表の場も身近になったので、どんどん面白いアーティストが登場してますね。最近僕が注目してるのは“どんぐりず”
どんぐりず:群馬県在住の2人組ユニット。2017年YouTubeにミュージックビデオを投稿し注目を集める。最新シングル『マインド魂』絶賛配信中!(https://dongurizu.com/)。
——ビクターからメジャー進出も決まったユニットですね。
多分、ハタチそこそこぐらいの男性2人組なんですが、シングルにもなってる『nadja』という曲とか、ラップもフロウもカラフルだし、トラックもスゲえイケてて
——US直系とも違う、ポップかつメロディアスな感触ですね。
『こっから』という曲はバンド系のエモいラップだったり、曲ごとにタイプが違うし、ジャンル分けしがたい独特の世界とサウンドがあるんですよ。もともと動画でかなり作品を発表してて、その内容が最初はギターの弾き語りとかバンドだったんですが、ラップを表現方法として選んでいるのは、今の音楽の状況だったり、流行を表してるようでスゴく興味深い。
地元の群馬に住んで、MVもおそらく自分たちや友達と作ってるのも、今の若者っぽいですよね。そういう意味だと“レオタードブタとヤギ・ハイレグ”っていうVtuberがやってるバーチャルヒップホップユニットもヤバいんですよ
レオタードブタとヤギ・ハイレグ:人気Vtuber・おしゃれになりたい!ピーナッツくんの派生作品2人によるユニット。こちら1st EP『粗密』のジャケット。
——Vtuberのラップグループ!?
Vtuberだからキャラクターだし、名前もトリッキーなんだけど、まず曲を聞いて欲しいんですよね。そしたら“いや、カッコイイんかい!”って思うはず(笑)
——ギャグかと思ったらめっちゃしっかりしてますね。
聴く前は“どうせヒップホップ[風]でしょ?”とか思ってたら、全然違ったし、メチャクチャカッコよかった。ラップは誰でも挑戦できるっていうことの証明だと思うし、何事もナメてかかったらいけないな、と
——いまやNHKに出たり、ファッション誌の表紙も飾るSUSHIBOYSも、元々ユーチューバーで、ラップをするようになって……というキャリアだし、その先駆者的存在ですね。
それで言うと、最近“〈ズ〉熱い説”を唱えていて。
——何ですか、それ?
「THE OTOGIBANASHI'S、SUSHIBOYS……」
——GREEN KIDS、週末CITY PLAY BOYZ、ザ・おめでたズAWAZARUKAS……。
そういう風に〈ズ〉が付くグループがいま熱い! 西新宿パンティーズとか(笑)
——パンティを被ったライヴでおなじみの(笑)。
ぼく大好きなんですよ、西パン。この連載でも1回割きたいですよ。リリックもギャグとか下ネタがバンバン出てきたりするんですが、一方でヘイトや差別にとことん反対する姿勢もメチャクチャ格好いい。そういう風に〈ズ〉がつくグループやクルーは熱いんじゃないか、という仮説を立てていて。だから、これからグループを組んだり、デビューする若手の人たちは、最後に〈ズ〉をつければ絶対売れるんです!
——ホントかなあ(笑)?
そう思ったのは、THE OTOGIBANASHI'Sの登場が衝撃だったんですよ。飾らないにも程がある、だいぶトリッキーな名前なのに、曲はとにかく格好良かったし、それぞれのソロワークも完璧で、いまやシーンのトップランナーですからね
——“〜〜ズ”グループは、名前を考える時間を音楽につぎ込んでるのかも知れないですね。
あ〜なるほど! SUSHIBOYSも曲は最高だし、アイドルラップグループのlyrical schoolに提供した『シャープペンシル』が格好良かった! そしてリリスクと一緒にラップしてて羨ましい(笑)! あ! じゃあ次回はリリスクの紹介をさせてください!
最後までお読みいただきありがとうございました!次回もお楽しみに!
撮影◎門嶋淳矢
取材・文◎高木“JET”晋一郎
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