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【ZEEBRAを木村昴が語る】「影響受けまくりの『The New Beginning』編遂に完結! マジ名曲しかない!!」【HIPHOP HOORAY VOL.30 ヤングジャンプ公式】

『ヒプノシスマイク』で山田一郎役も務める声優界一の“ガチなヘッズ”な木村昴の日本語RAP連載!

予定を変更して3回にわたってお届けすることになったZEEBRAの超名盤編! 作品同様ラストにかけても盛り上がる!!

木村 昴 きむら すばる:1990年6月29日生まれ。ドイツ出身。『ドラえもん』ジャイアン/剛田武役、『輪るピングドラム』高倉冠葉役等を担当。『ヒプノシスマイク』ではイケブクロ・ ディビジョン代表Buster Bros!!!を率いる山田一郎役。天才劇団バカバッカを主宰。ラッパーとしても『フリースタイルダンジョン』にも出演していたラッパー・掌幻と“掌幻と昴”として活動中。

※本記事は週刊ヤングジャンプ2021年26号に掲載された内容をnote用に一部改変して収録しました。

影響受けまくりの『The New Beginning』編遂に完結!マジ名曲しかない!!

——3回にわたるZEEBRA『The New Beginning』特集、今回はその総決算をお願いします!

ヒプマイで好良瓶太郎として『俺が一郎』を書く時に、一番に影響を受けた曲が『The Three 16's (The Return) feat. TWIGY & D.L』。ぜひ両方の曲を聴き比べて“ここをサンプリングしてるんだ”“この元ネタをこうアレンジしたんだって”楽しんで欲しいですね。それがヒップホップの醍醐味だと思うし、その導線を俺も描けたらなって思いながら書いた部分もあって

——このトリオではバスケをテーマにした『Player's Delight』を制作していて、ナイキのCM(2000年公開)にも使われていました。

あの曲も名曲ですね!ヒップホップ史上、最初のヒット曲でもあるシュガーヒル・ギャング『Rapper's Delight』(1979年リリース)を下敷きにしていて。
でも、この曲ではブッダ・ブランドのD.Lさんの歌詞だけ載ってないんですよね。“都合により歌詞を割愛させていただきます”って(笑)。これって、D.Lさんが歌詞を載せたくないって言ったんですかね?

——D.Lさんは超完璧主義者かつ、自分でも“どまぐれ気質なハスラー坊主”とラップするほど気まぐれな方だったので、勝手な想像ですが、ご自分からNGにしたんじゃないかな……D.Lさんとのお仕事の経験上、そう思います(笑)。

じゃあ俺もやろう!“好良瓶太郎の歌詞、全部作者の意向により割愛”って

——悪影響ですよ(笑)。このアルバムはUSのトラックメイカーの参加も印象的で。

しかも当時超イケてたプロデューサーばかり。『Let's Get It Started』のスウィズ・ビーツなんて超イケイケですよね

——今もですが、当時はメガヒット請負人でしたね。特に先日亡くなったラッパーのDMXとのコンビは鉄板で。

DMXはめちゃくちゃ聴いてましたよ……。大ヒット曲の『Party Up(Up In Here)』は当然、アルバム全般、それから俳優として出演した映画も観てて。
自分にとってはヒーローなラッパーでした。その意味でも、DMXやジェイ・Zと世界的なヒットをガンガン飛ばしてたスウィズ・ビーツと、“なんだこの変なジャパニーズ”って思われてたZEEBRAさんが、曲の中で真っ向勝負するっていうのは、このアルバムの中で重要なストーリーだと思います!

——しかも、ありがちな“ギャラが良いからやる”ってレベルのプロデューサーじゃないですからね。金はうなるほど持ってると思うし(笑)。

だから本当にヒップホップ・コネクションだったり、スキルやマインドで繋がった感じだったんでしょうね。スコット・ストーチが手掛けた『The Motto feat. OJ FLOW&UZI』も最高です。気合が入る曲は『Wildin' Part II feat. Q & AKTION』。仕事に出かけるときに聴くとグッとアドレナリンが出ますね(笑)。そしてT.A.K ザ・ライームさんプロデュースの『Save The World』で、“俺だけじゃなくてみんなで世界を変えようぜ!”ってメッセージするんですよね

——この展開は大団円感がありますね。

そしてラストの『Do What U Gotta Do feat. AI,安室奈美恵&Mummy-D』。AIさん、Dさんっていうヒップホップ/R&Bシーンの立役者と、安室さんっていうポップス界の大スターが一同に介して作った曲がアルバムのラストにくるドラマチックさ!勝ち上がって、世界と対等な立場になって、日本のヒップホップを牽引して、そのバトンを次世代にも渡す……っていう、一本の映画のような構成の『The New Beginning』の、ポップなエンドロールみたいな感触がありますね。自分にとって、そして作詞家名義である好良瓶太郎にとっても超重要アルバムなので、このアルバムは必聴盤です!聴いてください!

最後までお読みいただきありがとうございました!
次回もお楽しみに!

撮影◎門嶋淳矢
取材・文◎高木“JET”晋一郎

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