サウナ徒然草〜ポディマハッタヤさんに愛を込めて〜
〜Part 1〜
気まぐれな女の子は素敵だ。
私がまだ高校生の頃、授業中にシャープペンシルで私の背中を力強く刺してきた女の子がいた。
私はあまりの痛さに悶絶した表情で振り向くと彼女はあどけない笑顔を浮かべ微笑んでいた。
気まぐれなサ室もそれはそれで素敵なものだ。
本日は厚木カプセルホテルに初訪問。
施設は至ってシンプルでジャグジー、水風呂、サウナの3点セット。
サウナ室にはテレビは無く浴室にテレビがあるスタイル。
早速サウナへ入る。
始まりは98℃。湿度は微塵もなくカラカラだ。収容人数は3人。詰めれば4人の収容が可能だ。
サウナ室内にはスピーカーがあるが何も流れてはいない。聞こえるのは浴室から聞こえるテレビの音のみ。
因みにサ室の中には15分砂時計が設置されている。
利用客は土曜の夜だと言うのに私含め3人。
ここでは落ち着いてサウナと対峙出来そうだ。
サウナ室の臭いは焼け焦げた材木の臭いで浴室含め圧倒的な昭和を感じることが出来る。
そして圧巻はサウナ室の壁だ。
壁には年季の入った無数の落書きがある。
・俺はここから這い上がる!!
その文字からは圧倒的な悲壮感と未来への希望を感じた。
・玉城夏希、玉城夕希
絶対美少女の双子だろう。
出身は純度100%で沖縄だ。
多分恋してたんだね。
顔が同じだからどちらも選べないという男の葛藤をその文字から感じた。
・ジルラム
もはや解読不可能なダヴィンチコード
私は考えた。
ジルラムの意味を。
そんな最中だ。
とにかく鼻呼吸が困難になっていることに私は気付いた。
シャープペンシルで背中を刺されたことがある人なら分かると思うが、まさにそんな感じの世界観。
鋭利な黒鉛が鼻を強襲する。
センノナイフガハナヲサス。
私は思わず温度計を目にすると124℃。
一見さんを98℃で優しく迎え入れたサ室はいつの間にか124℃でサディスティックに私を追い詰めていた。
私は思わず発狂した。
「きまぐれオレンジロード!!」
ジルラムの解読が出来ぬまま水風呂へ緊急避難。
温(ぬる)い。温水洋一さんくらい温(ぬる)い。
しかし確実にインフィニティー。
この水風呂だったら無限に浸れる。
悪くないだろう。
時を戻そう。
そうジルラム問題だ。
ジ 地元で有名な玉城夏希、夕希は双子
ル ルックスはとっても玉城ティナ
ラ ラブまじでLOVE2000
ム ムラムラしちゃう
玉城夏希と玉城夕希の落書きとジルラムを書いた人物は同一人物だ。
間違いない!!
〜Part2〜
つよぽんのディープな本厚木サウナ探訪記。
皆様にとっての「ディープ」ってなんですか?
ほら色々あるじゃないですが。
あれですよ。ギターを買ったら必ず最初に練習するヤツ。
ジャッジャッジャーン♪
ジャッジャッジャッラーン♫
そうですDeep PurpleのSmoke On The Water。
まあ全然世代じゃないのでそれ以上は知らないんDEATHけどね。
でね。私にとっての「ディープ」はやっぱりディープインパクトなんですよ。
ほらあれですよ。
小彗星が落ちてきて1000メートルにも及ぶTSUNAMIがNYのマンハッタンを襲ってきて「キャーッ」て皆逃げたと思ったらKJがHey yo motherfuckerって言って。ラッパ我リヤのQが脳天から落とすパイルドライバーを喰らわしてきて、そんでもって山田マンがたとえ死んでも墓石って言ったと思ったらそれを破壊し蘇るんですよ。
そしたら凄い末脚で京都競馬場をディープインパクトが疾走して「世界のホースマンよ見てくれ、これが日本近代競馬の結晶だ!!」って3冠馬になるんですよ。
いやーディープインパクトって本当に深いですねー。
うんうん。分かるよ。見つめ合うと素直にお喋り出来ないよね。風に戸惑う弱気な僕らだもんね。
そんな訳で今宵は厚木カプセルホテルに再訪問。サ室の壁に解読不能な落書きが沢山あったので気になってまた来ちゃいましたYO。
前回はジルラムという難解なダイイングメッセージの解読に夢中になってしまったのでその他を今日は紹介しますね。
じゃあ行ってみよう。ピリオドの向こうへ。
・ジミスケ
地味な青春時代を過ごしたスケさんがカクさんを探す旅の道中で書いた哀愁漂うメッセージに切なくなりました。
・川崎
これはもうBKBの仕業ですね。
・俺は社長になる2021
最先端の落書きですね。
是非イーロンマスクを超えてSPACE Xばりに宇宙を開拓して下さい。君は人類の希望だ。
・エックス
紅に染まって感じてみて全てを脱ぎ捨ててください。
Oh ラスティネイルッ!!
・殺伐
殺伐としたこの世の中。
僕と一緒にレディオヘッドを聴いて一緒に鬱になりましょう。Airbagが良いよね。本当に憂鬱になる。イントロが堪らないんだよ。イントロがさーっ。
・Tomo ズットハタチノマンマ mr.t
来ましたね。斜め上をいくメッセージ。
加齢は人類の永遠のテーマ。私も自称20代。Forever Youngでいきましょう。
私は誕生日制度を27才の時に廃止したので永遠の27才。
Forever27!!
因みに私ならこう落書きします。
「不思議東京シンデレラ」
「ギンザボナンザ」
「広瀬すず」
〜Part3〜
君にこの暗号が解けるのか。
厚木カプセルホテルはいつも私に問いかける。今日のお題も難題だ。
私は金曜日の夜と言うこともありサウナに行きたかった。
しかし今宵は職場飲みという悲劇が私を待ち受けていた。
私は自分に問いた。
飲むの?飲まないの?
リトル村井は言った。
「飲めよ飲め。サウナより酒だ酒。酒が飲める酒が飲める酒が飲めるぞ〜♫」
そんな私は職場飲みにしては楽しい時間を過ごした訳だが、サウナに行きたい気持ちを抑えることが出来ずノンアルコールビールで酔っ払ってしまった。
いつも思うのだが、ノンアルコールビールは気持ちさえ込めればしっかり酔えるから不思議だ。
そんな訳で22時を過ぎて足がない時は厚木カプセルホテル一択だ。厚木市民最後の砦は本厚木駅前に鎮座する好立地。
この最後の砦はなかなかの個性派だ。
今日も気まぐれなサ室は90℃〜105℃までを行ったり来たり。さらには以前来た時の水風呂は20℃位だったが今日はしっかり冷たく17℃位だった。
確実にサウナに力を入れてきているのをひしひしと感じた。(新たにととのい椅子まで設置されていたよ。)
そして、ここの1番の名物はサウナ室内の落書きだ。
私はいきなりその洗礼を浴びた。
・みんとうであきこさらします
解読不能の日本語だ。
私は考えた。
酔った輩が書いた落書きなのだろう。
恐らくこれは、
自民党で明子を晒します。
こういうことなのではないか。
前衛的だ。
愛する明子を永田町の自民党本部でこれでもかと晒すという三島由紀夫的な何かを感じた。
・あきこマニア
あきこを愛して愛してやまない前衛的な彼。
あきこを晒すほどにあきこが好き。
好きな女は皆と共有したい。
共産主義的な何かを感じた。
・TO 文史 ♡
男性のサ室にTO文史LOVE。
良いじゃない。こんな時代だ。LGBTだよ。
これは人類への孤高のメッセージだ。
・ジュマンジ
落書きで書くほどに彼はジュマンジを愛している。なかなか書けないよ落書きでジュマンジは。
私は考えた。
もし私がこのサ室に落書きをするとしたら何を書くだろう。答えは簡単だ。
「REX 恐竜物語」
同情するなら金をくれ!!
P.S
サウナ室の壁を触ったところ物凄く熱かったです。落書きなんて素手では到底無理。
この落書きを書いている人達は確実に10円玉を持ち込んでいる。
間違いない。
そうそう。
授業中にシャープペンシルで背中を力強く女の子に刺されたことがある人なら思い出せるよね。
それは小学生の頃の国語の授業。
(平成4年から平成7年に使用された教科書だそうです。)
物語のタイトルは「一本の鉛筆の向こうに」スリランカのボガラ鉱山で黒鉛を掘るポディマハッタヤさん。彼は一日中蒸し暑い鉱山で黒鉛を掘る炭鉱夫。
内容は正直覚えていないが、ポディマハッタヤさんが黒鉛を掘る写真は未だに強烈に脳裏に焼き付いている。
我々が日々使用するツールには物語がある。
当たり前に使用されては消費されていく日々のツールだが、そこには必ず人の思いがこもっている。
私は思った。
私の背中に残る黒鉛。
あの日、後ろの席の佐藤友美に刺されたシャープペンシルの芯。
恐らく身体には悪いがその黒鉛には数々の物語が詰まっている。
何度か摘出しようかと考えたが別に良いじゃないか。体内に異物があるということは素晴らしいことだ。
私の体内には数々の人の魂が宿っている。
ポディマハッタヤさん。
トニーゴンザレスさん。
ダンランドレスさん。
私は元気です。
スリジャヤワルダナプラコッテ
One Love.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?