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クロックパーミッションなのに無限コンボ?!~ジェスカイヴァド「lock」~

5/26 追記: 4.の調整過程の「安定性」、「理不尽」、及び6.の不採用のカード群の説明を増量す

5/28追記:10.に最新のリスト、解説を追加

6/3追記:現在のリストを5.デッキリストに追加、10.最新のリストに現在のリストの解説を追加

6/7追記:6.不採用群カードの一部を再評価、10.最新のリスト、及びその他を追加

7/23追記:11にレルム探訪で追加された採用されうるカード、最新のリストを追加

7/30追記:11に前週のニッセン本戦で使用したリスト、最新のリスト、リストの変化の理由、アリーナopenでオススメのデッキを追加

7/31SCGサテライト#1の勝率マトリクスを受け、変更した最新のリストを11に追記しました


5/9:たまに購入してくださる方が居られますが、既にスタン落ちしており、ヒストリックやエクスプローラーでしかつかえないので、300→100円に値下げ。

皆さん、こんにちは。

私は以下のブログで、言語化を意識したmtgの記事を書いていた、アイヤイヤーというものです。

https://youmoulove.hatenablog.com

本記事では、「スタンダード」におけるジェスカイ変容、特にクロックパーミッションを意識したタイプについて、書いていきます。


mtgの実績が、特にある訳ではありません。
その上で、本記事の信憑性となりそうな根拠としては、

①mtgアリーナにおける、5月のランキングでほぼオリジナルのジェスカイ変容を使用し、ミシック帯のランクマッチ(BO3)で勝率78%で最高順位203位を記録


②Sekappy Colosseumの予選(BO1)で、BO3と同じ構築理念に基づいたジェスカイ変容を使用し7-0を2回達成(権利、及びBye)



③ニッセンウィークリー予選において、ジェスカイ変容を使用して5-1で本戦権利を獲得

の3点です。


しがないプレイヤーが書いた記事ですが、上記のブログや、以下の元有料記事を参考に購入を判断して頂ければ幸いです。
また、記事の大半は無料となっており、デッキとしての立ち回り、各デッキを相手にした際に意識する点やサイドボードのみ有料となっています。








1.そもそもジェスカイ変容とは?


ジェスカイ(赤白青)のデッキで、«雷の頂点、ヴァドロック»と«黄金架のドラゴン»、及びその他数枚の変容をもつクリーチャー(概ね«伝承のドラキッス»、又は«海駆けダコ»)、«雷の頂点、ヴァドロック»で踏み倒す呪文で構成されるデッキです。

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«黄金架のドラゴン»に«雷の頂点、ヴァドロック»を変容させることで、宝物を生み出せる«プリズマリの命令»や«戦利品奪取»を墓地から踏み倒し、無限マナ、無限ドロー、無限バーンによる速やかな勝利を達成します。

コンボの詳しい流れについては次の項で説明します。


2.コンボの解説


«雷の頂点、ヴァドロック»を中心としたコンボには様々なものがありますが、その全てを載せるとキリがないため、このデッキで行うコンボの大半を占める、«黄金架のドラゴン»下でのものを解説します。各動きの最後には動画でその動きを再現したものの、リンクが貼ってあります。


コンボの始動に必要なもの

マナ:9マナ
手札:«黄金架のドラゴン»、«雷の頂点、ヴァドロック»
墓地:«プリズマリの命令»、又は«戦利品奪取»

コンボの始動に必要なものです。
こうしてみると大量のマナを要求し、非現実的に見えますが、実際は«黄金架のドラゴン»攻撃で2マナ分の宝物が出るため、実際には土地5+宝物1、又は土地7からで大丈夫です。また、«プリズマリの命令»や«茨平原の危険»がある場合、«黄金架のドラゴン»を対象にとることで1マナ増やすことが出来るため、1マナ少なくてもコンボを開始することが可能です。


この始動後に«雷の頂点、ヴァドロック»の変容で対象に取ったことによる宝物+呪文で生成された宝物で計4マナ分帰ってきます。
この状態で更に変容することで、マナを減らさない、又はマナを増やしながらドローを勧め、必要なパーツを集めていきます。



無限バーンで勝つのに必要なもの

場:«黄金架のドラゴン»+«雷の頂点、ヴァドロック»、宝物2
手札:«雷の頂点、ヴァドロック»、«伝承のドラキッス»が1枚ずつ(ルート①)
or
«伝承のドラキッス»3枚(ルート②)



ルート①

更に«雷の頂点、ヴァドロック»を変容させ、墓地から宝物を生成する呪文を2回唱えます(宝物3)。
«伝承のドラキッス»を変容させ墓地から宝物を生成する呪文を2回唱え、バウンスする呪文を手札に回収します(宝物5)。
宝物を4つ生贄にし、8マナ発生させます(宝物1)。
変容した«黄金架のドラゴン»を対象にバウンスを唱えます(宝物2+6マナ)。
«黄金架のドラゴン»を唱え直します(宝物2+1マナ)。
«雷の頂点、ヴァドロック»を変容し、宝物を生成する呪文を唱えます(宝物2+1マナ)。
これにより、ルート①の最初の時点まで戻ることが出来ました。
この後«雷の頂点、ヴァドロック»の踏み倒し先を«プリズマリの命令»(対象は相手に2点と宝物生成)を選ぶことで無限バーンとなり、任意の回数2点を飛ばして勝ちになります。«プリズマリの命令»が墓地ない場合でも、«戦利品奪取»でドローを引き進めていけるので問題ありません。



ルート②
«伝承のドラキッス»を変容させ宝物を生成する呪文を唱える(宝物3)。
同じく«伝承のドラキッス»を変容させることを2回繰り返す(宝物5)。
ルート①と同じで宝物から8マナ発生させることで、ルート①の後半と同じ動きすることで、ルート②の最初まで戻ることが出来ます。
後はルート①と同じく、無限バーンで相手のライフを削りきります。
また、«プリズマリの命令»が墓地にある場合、«プリズマリの命令»で«黄金架のドラゴン»に2点、宝物生成を選ぶことで宝物が余分に1つ増やせるため、«伝承のドラキッス»の必要枚数が1枚減ります。
«茨平原の危険»が墓地にある場合も、«伝承のドラキッス»の効果で回収し、手札から«黄金架のドラゴン»を対象に唱えることで、«伝承のドラキッス»必要枚数を減らすことが可能です。

1回目のバウンスまでが«雷の頂点、ヴァドロック»+«伝承のドラキッス»×3、2回目のバウンスまでが«雷の頂点、ヴァドロック»+«伝承のドラキッス»×2+«プリズマリの命令»になっています。


必要パーツが思いのほか多く感じるかもしれませんが、そもそも宝物を生成する«プリズマリの命令»と«戦利品奪取»は2ドローが可能なため、コンボ途中でパーツを集めていくことが可能であり、パーツ足りずで始めたコンボもかなりの確率で成立します。
最悪、成立せずとも変容によって得たアドバンテージにより、継戦が可能です。


3.現在のスタンダード環境を定義するカード達


話は変わりますが、私がジェスカイ変容に出会ったのは最近のことで、5月のMCQWで使用するデッキを探している過程で出会いました。
私は現在のスタンダードの環境について、約5種類の除去が環境を定義していると考えています。 (もちろんこの定義や考えは人それぞれであり、正解は無いと思います)
その5枚とは、

①«踏みつけ»

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②«切り落とし»

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③«悪意に満ちた者、ケアヴェク»

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④«影の評決»

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⑤«古き神々への拘束»

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です。
これらが他の除去(«霜噛み»や«無情な行動»等)と違うのは、ビートダウンが自分の動きを阻害せずに採用出来るたり、アドバンテージを得る可能性がある点です。

最初の2枚は出来事として除去を持っており、その汎用性の高さからメインから採用が可能で、除去→生物としてプレイすることでアドバンテージを得ることが可能です。

後者3枚は主にスゥルタイカラーのランプ、コントロールがプレイするカードであり、全体除去により1:複数交換、タフネス1に依存したデッキコンセプトの否定、墓地利用の阻害、土地加速によるアドバンテージを得ることが可能です。


相手に簡単にアドバンテージを取られないためにも、これらの除去に当たらない、もしくは対処出来るデッキが望まれます。

当然ランプ、コントロールデッキならば«古き神々への拘束»以外当たらない事が殆どですが、それ以外でスタンダードでこれらの条件を満たすデッキが2つ存在します。

1つはイゼット氷雪ドラゴン、もう1つが本記事で解説するジェスカイ変容です。


4.ジェスカイ変容の調整過程


私は3.で書いた5つの除去への耐性からジェスカイ変容というデッキに目をつけました。

ジェスカイ変容というデッキの存在自体は知っており、イコリア期の«時を解す者、テフェリー»を使用したリストは何回かプレイしており、カルドハイム期に誕生した現在のジェスカイ変容については、コンボへのオールインの度合いからBO1専用デッキというイメージでした。

5月頭に月初めで殆どプレイヤーが居ないこともあり、BO3で1に到達したプレイヤーが現れましたが、デッキがかなり歪であり、やはりBO1専用という印象が拭えませんでした。

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その約1週間後に、SCGtourでジェスカイ変容が6-0で勝ち、そこそこ話題になりました。

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こちらは先程のリストとうってかわり、カードの選択に疑問を感じるものの、BO3で戦える可能性を感じ、少しづつ弄りながらプレイを数回してみました。


すると、いくつかの不要なカード達が見えてきました。

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例えば、«果敢な一撃»は«黄金架のドラゴン»に唱える事で、1マナ増やしながらドローすることが出来ますが、スゥルタイ根本原理の様な相手に対しては、«黄金架のドラゴン»を出さない限り、キャントリップとしての役割が見込めず、«プリズマリの命令»等で捨てるしか役割が存在しません。また、アグロ相手には対象に困らないとはいえ、無駄なアクションにマナを要求される上、あまり欲しくない白マナを選択することが求められます。

話は変わりますが、私は強いデッキに求められる要素として、「安定性」と「理不尽」の2種類が必要だと考えています。

「理不尽」はいわゆるブン回りと言ってよく、純粋なコントロールを除けば、殆どのデッキが兼ね備えている、こう動けたら勝つというムーヴです。
赤単ならば«鍛治で鍛えられしアナックス»→«エンバレスの宝剣»であり、スゥルタイ根本原理ならば«狼柳の安息所»→«耕作»→«出現の根本原理»です。

「安定性」はブン回りしない時の強さ、及びブン回りするための補助だと考えています。
赤単ならば継続的にアドバンテージを稼げる«義賊»、除去に強い«不祥の安息地»であり、スゥルタイ根本原理ならば«海の神のお告げ»等です。

この「安定性」と「理不尽」の両方を兼ね備えているデッキはある程度限られており、概ね「理不尽」に寄せたロマンデッキが大変多いです。


上記の2つのリストはどちらも「理不尽」に寄せた構築であり(特に1つ目)、「安定性」が足りていないと感じました。

例えば、«領界路の解放»はコンボの速度を加速させ、最速で4T目の無限コンボを可能とします。

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カード一枚分の価値·····?

しかし、用途が限られたコンボパーツの採用は、デッキの柔軟性を削ぐことに繋がり、相手の妨害へ脆くなります。

分かりやすい例として、ヒストリックのゴブリンデッキでは、«上流階級のゴブリン、マクサス»を早期に出す為に、«アイレンラックの妙技»が採用されましたが、結果として«上流階級のゴブリン、マクサス»への依存度が上がり、打ち消しや手札破壊に対して非常に弱くなりました。

現在のスタンダード環境なら、白を含むビートダウンはほぼ全てのデッキが«巨人落とし»、«ドラニスの判事»、«精鋭呪文縛り»を、イゼット氷雪ドラゴンは«些細な盗み»や打ち消し、スゥルタイ系のデッキは«無情な行動»を基本的にメインから採用しています。また、サイド後も含めれば赤を含むデッキの«レッドキャップの乱闘»、«乱動する渦»等、無限コンボを阻害するカードは無数に存在します。

«黄金架のドラゴン»を手札を1枚追加で消費し、1T早く出せたとしても、これらの妨害をぶつけられると意味がないどころか、より損害が大きくなります。

また、コンボ速度が早くなるということは、それだけ相手の妨害に対応出来るカードを引く機会が減ります。

私は、このデッキにとっての「理不尽」とは、5T目以降に無限コンボによって1Tでライフを削りきることであると考えます。
ならば、最低限のカードをコンボ用に割くことで、残りのカードをコンボに依存しない、単体で強いカードにすることで、「安定性」を高めた強いデッキになるのでは?と考えました。

1つめのリストは«雷の頂点、ヴァドロック»の変容を中心とした、«黄金架のドラゴン»絡み及び、«雷の頂点、ヴァドロック»+«領界路の解放»の2つのコンボに特化しており、

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2つめのリストは«雷の頂点、ヴァドロック»+«黄金架のドラゴン»のコンボ、及び«黄金架のドラゴン»+«スカルドの決戦»+軽量呪文のコンボに特化しています。

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私はコンボを«黄金架のドラゴン»+«雷の頂点、ヴァドロック»だけに絞りました。

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これだけでも十分

そうしてプレイを重ねていくうちに、«黄金架のドラゴン»を中心としたクロックパーミッションとしての可能性を見い出し、クロックパーミッションでテンポよく戦いながら、隙を見てコンボを決め、一気にライフを削りきる構築に辿り着きました。
余談ですが、一般的なコンボに特化したジェスカイ変容と区別するため、私は安定性を重視したこのデッキタイプをジェスカイヴァド「lock」と呼んでいます。
ク「ロック」パーミッションによる「ロック」戦術と韻を踏んでいます。

ランクマッチでは高い勝率を維持し、目的であったMCQWでは4-3と振るわない成績でしたが、満足がいき、他人にも自信を持って勧められるデッキとなりました。


5.デッキリスト


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デッキ
3 表現の反復 (STX) 186
4 針縁の小道 (ZNR) 263
4 河川滑りの小道 (ZNR) 264
4 伝承のドラッキス (IKO) 194
4 プリズマリの命令 (STX) 214
4 雷の頂点、ヴァドロック (IKO) 214
4 連門の小道 (KHM) 260
1 アゴナスの雄牛 (THB) 147
1 乱動への突入 (ZNR) 62
4 真実の視認 (M21) 69
4 非実体化 (M21) 82
1 棘平原の危険 (ZNR) 166
2 砕骨の巨人 (ELD) 115
3 戦利品奪取 (KHM) 149
4 黄金架のドラゴン (KHM) 139
2 ラウグリンのトライオーム (IKO) 251
3 寓話の小道 (ELD) 244
1 平地 (ANA) 1
2 島 (ANA) 3
3 山 (ANA) 7
1 スカルドの決戦 (KHM) 229
1 スカイクレイブの僧侶 (ZNR) 40

サイドボード
4 否認 (STA) 18
3 燃えがら地獄 (ZNR) 136
1 神秘の論争 (ELD) 58
1 レッドキャップの乱闘 (ELD) 135
2 火の予言 (IKO) 116
2 引き裂き (STX) 225
2 唱え損ね (M21) 57


現在のリスト(6/3時点)

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こちらのリストの解説、カードの役割等についてはにいては10.最新のリストを参照ください

デッキ
4 表現の反復 (STX) 186
4 針縁の小道 (ZNR) 263
4 河川滑りの小道 (ZNR) 264
4 伝承のドラッキス (IKO) 194
4 プリズマリの命令 (STX) 214
4 雷の頂点、ヴァドロック (IKO) 214
4 連門の小道 (KHM) 260
2 多元宇宙の警告 (KHM) 46
1 乱動への突入 (ZNR) 62
4 非実体化 (M21) 82
1 棘平原の危険 (ZNR) 166
1 砕骨の巨人 (ELD) 115
2 戦利品奪取 (KHM) 149
4 黄金架のドラゴン (KHM) 139
2 ラウグリンのトライオーム (IKO) 251
3 寓話の小道 (ELD) 244
1 平地 (ANA) 1
2 島 (ANA) 3
3 山 (ANA) 7
1 スカイクレイブの僧侶 (ZNR) 40
1 セジーリの防護 (ZNR) 37
1 神秘の論争 (ELD) 58
1 火の予言 (IKO) 116
1 ヴァントレスのガーゴイル (ELD) 71
1 アゴナスの雄牛 (THB) 147

サイドボード
2 レッドキャップの乱闘 (ELD) 135
3 燃えがら地獄 (ZNR) 136
2 唱え損ね (M21) 57
4 否認 (STA) 18
2 引き裂き (STX) 225
1 火の予言 (IKO) 116
1 魂標ランタン (THB) 237

6.必須枠、自由枠、採用されなかったカードについて


必須枠

生物

«黄金架のドラゴン»

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コンボに必要であり、そのマナ生成能力からクロックパーミッションとして戦う際も軸となります。
«否認»、«非実体化»の様な2マナの打ち消し、バウンスと非常に相性がよく、«伝承のドラキッス»で回収もしながら使い回すことで、コンボを決めずとも遅いデッキ相手への完封を見せます。
打ち消されずに着地すれば、インスタントで生贄を要求する呪文を以外では宝物の生成を妨害出来ず、上記呪文達と合わせることで高い除去耐性を発揮します。
どんな試合でも活躍を見せるため、全ての試合で4枚使います。


«雷の頂点、ヴァドロック»

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こちらもコンボパーツであり、コンボ時以外でも3/3/3飛行先制と高いスタッツを誇ります。
«黄金架のドラゴン»が無くとも、«雷の頂点、ヴァドロック»に«伝承のドラキッス»を変容させることで、5マナ+手札2枚で3~4枚程度のアドバンテージを得ることが可能です。
また、ド派手な変容効果により、先制攻撃を忘れた相手がタダで生物を差し出してくれることもしばしばです。
コンボ、非コンボ両方で高いスペックを誇る為、こちらも常に4枚です。


«伝承のドラキッス»

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かなり過小評価されている生物で、«伝承のドラキッス»を3枚以下にしているジェスカイ変容を見かけますが、絶対に4枚にするべきです。
変容出来ない際の弱さは無視出来ませんが、«黄金架のドラゴン»との相性の良さ、«雷の頂点、ヴァドロック»や«伝承のドラキッス»に変容させることでのアドバンテージによる長期戦への強さから4枚必要なカードです。
変容出来ずに手札で腐るパターンを減らすため、«黄金架のドラゴン»や«雷の頂点、ヴァドロック»以外の非人間生物の枚数を構築時点から意識する必要があります。
特に、ビートダウン相手に序盤を凌ぎきることが出来れば、«伝承のドラキッス»に«伝承のドラキッス»を変容させ、除去とバウンスを回収しつ続けるだけで勝つことが可能であり、実際に何回もこの方法で勝利しました。


«砕骨の巨人»/«踏みつけ»

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ビートダウンに対する除去兼ブロッカーであり、一応変容元と運用が可能です。
コントロールに対しても、生物面でプレッシャーをかけ、除去を引き出した隙をついてコンボを決めやすくする役割を持ち、メインから採用することが出来ます。
環境によって変動しますが1~3枚が適正だと思います。


«スカイクレイブの僧侶»

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ビートダウンに対するブロッカー兼変容元で、土地と変容元の両方の枚数を増やしてくれるナイスカードです。
私以外に採用している人を見かけませんが、赤単や白単、アドベンチャーデッキでは除去手段が限られており、除去されたとしてもライフゲインが出来るため、減速が期待できます。
土地も兼ねる点で«セジーリの防護»と枠を争いますが、安定感の点から«スカイクレイブの僧侶»を強く推奨します。
可能なら複数枚採用したいですが、タップイン白マナ土地は極力減らしたいので1枚のみです。


呪文

インスタント、ソーサリー

除去

«茨平原の危険»

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除去と土地の両方での枚数を増やしながら、«黄金架のドラゴン»に唱える事でマナ加速にも使用することが出来ます。
優秀な呪文ですが、タップインであるため、1~2枚が適正範囲だと考えています。


«火の予言»、«引き裂き»

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«火の予言»はインスタント3点+手札入れ替えの役割を持ち、«黄金架のドラゴン»に唱える事でマナの損失なく手札を1枚入れ替えられます。
«引き裂き»はソーサリーであるものの、置物に対象出来、とりわけエンチャントでありコンボを阻害する«乱動する渦»に対処出来る貴重なカードです。
どちらも3点であるため、このデッキの天敵である«ドラニスの判事»に対象することが出来ます。
«火の予言»は一応1枚ならメインにも採用できますが、どちらもサイドボードに欲しい除去です。


«燃えがら地獄»

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似たようなカードである«弱者粉砕»と比べ、2マナと3マナで唱え分け出来る点で異なり、小回りが効きます。最近のグルールアドベンチャーの様なデッキには2マナ1点でも十分であり、赤単相手には戦闘前の速攻生物の追加を確認してからまとめて焼くことが可能です。
アグロのシェアによりますが、このデッキは横展開が苦手なため、サイドに3~4枚は欲しいカードです。


ドロー

«真実の視認»

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このカードは基本的に«雷の頂点、ヴァドロック»によ墓地からの踏み倒し、又は«表現の反復»や«スカルドの決戦»による追放領域からの3ドローが前提の呪文です。
一応、手打ちでも弱めの«予期»であり、ギリギリ許容範囲内です。


«表現の反復»

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2マナでアドバンテージを稼ぐ可能性のある呪文です。
2マナではあるものの、基本的に3T目以降(可能なら追放領域から呪文を唱えられる4T以降)に唱えます。
コントロールやランプ相手には土地を伸びしながらアドバンテージを稼ぐことが出来、このデッキの長期戦の強さを支えています。
墓地から唱える際も、«真実の視認»には劣るものの、大体同じ効果を期待できます。
4枚目を採用したいですが、枠の兼ね合いや環境の速度から3枚にしています。


バウンス

«非実体化»

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打ち消しも兼ねており、自分の呪文、パーマネントに唱えることで、テンポ面は失うものの、1:1交換が可能となります。
基本的にテンポ、又はハンドどちらかのアドバンテージを失ってしまう欠点があるものの、自分と相手両方の生物と呪文を対象に取れる柔軟性から採用しています。
また、生物であれば対象を問わないため、生物化した土地にも唱えられます。
コンボパーツも兼ねているため、メインに4枚採用することをオススメします。


«乱動への突入»

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5枚目のバウンスとしてコンボパーツを兼ねており、メインでは唯一の土地以外全てのパーマネントに触れるカードです。
キッカーで唱える事でドローも出来るため、時間を稼ぎながらドローを進めることが出来ます。
柔軟性に優れているため1~2枚ほどメインに欲しいカードです。


宝物生成呪文

«プリズマリの命令»

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コンボパーツでありながら、全てのモード多くの場面で有用であり、このカード無しには今のクロックパーミッションスタイルは成り立ちませんでした。
フィニッシュ手段の無限バーン、及びビートダウン対策、«黄金架のドラゴン»を対象にしたマナ加速の2点火力。
不要なカードを入れ替えるドローとディスカードは先にドローがあるため、必要なものを手札に残せます。
アーティファクト破壊により、«エンバレスの宝剣»や«グレートヘンジ»、«ガラスの棺»の様なビートダウン対策はもちろん、«精神迷わせの秘本»を破壊することで構え合うロングゲームでも強力です。
なにより、インスタントであるため、打ち消しを構えながら相手のパスや隙を見て動けるのが強みです。
弱い状況がほぼないカードであるため、4枚必須のカードだと思っています。


«戦利品奪取»

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«プリズマリの命令»と比較すると、2ドロー+宝物を生成しても手札が減らない点で勝りますが、ソーサリーであり、コストで手札を捨てる為打ち消しに非常に弱い点で劣ります。
後手の際に弱さが目立ち(打ち消しや返しの«古き神々への拘束»)、サイド後にはサイドアウトしやすいカードです。2~3枚が適正だと考えています。


打ち消し

«否認»

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2マナで非生物呪文を全て打ち消すことが出来るため、«黄金架のドラゴン»と最高の相性を誇る打ち消し呪文です。
同じ2マナ打ち消しの«才能の試験»では、«古き神々への拘束»に対処不可であり、ロングゲームの際にPWや«精神迷わせの秘本»等が打ち消せないのも致命的なため、«否認»が最優先されます。
他のカードでは代用が効かないため4枚サイドに必要だと考えています。


«唱え損ね»、«神秘の論争»

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クロックパーミッション戦略を取る上で、«非実体化»に加え、追加で6枚(計10枚)の打ち消しが必要だと考えています。
優先度としては«否認»>>«唱え損ね»>«神秘の論争»>>«才能の試験»>>3マナカウンターとなります。
«唱え損ね»、«神秘の論争»は他の打ち消しと異なり、«黄金架のドラゴン»を唱える際に打ち消しを1マナで打ち消すことが出来ます。
着地後の«無情な行動»、«レッドキャップの乱闘»に対象出来る«唱え損ね»が優先されます。
«神秘の論争»は«黄金架のドラゴン»下で宝物1個からでは青い呪文にしか対象出来ないものの、生物や置物にも唱えられる柔軟性が魅力です。
優先度の高い«唱え損ね»2枚はサイドボードにほぼ必須であり、次点で優先度の高い«神秘の論争»を1枚だけサイドに置いています。
特にリスト公開性の場合、«神秘の論争»をサイドに1枚置くことで、相手のバウンスされても良い生物の脳死プレイを防ぐことが出来ます。
基本的に«神秘の論争»は自由枠に近く、環境を見て3枚目の«唱え損ね»、又はその他の自由枠となります。


土地

このデッキは少なくとも土地4枚までは毎ターンセットランドが必要であり、土地が並ぶほど嬉しいデッキなので、キャントリップが多めなことを考慮しても、土地25枚が最低限必要な枚数だと考えています。
また、3T目に宝物を生成→4T«黄金架のドラゴン»着地の動きを可能な限り阻害しないように、タップインである«ラヴクリンのトライオーム»を可能な限り減らし、4T目にアンタップインできる«寓話の小道»でマナベースを補っています。26枚目以降の土地を入れるなら純粋な土地ではなく、«寓話の小道»や呪文を持つ両面土地をオススメします。


自由枠

上記の必須枠を満たすと概ね2~5枠程空きます。

このリストでは«アゴナスの牡牛»、«スカルドの決戦»、«レッドキャップの乱闘»を1枚ずつ採用しています。


«アゴナスの牡牛»

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主に苦手なローグ対策です。
詳しくは後の対ローグの項で書きますが、«アゴナスの牡牛»が無いとローグ相手はかなり厳しいです。
とはいえ、1枚では都合よくめくれなければ勝てず、お守りとしての役割が大きいため、ローグを割り切るなら抜いて大丈夫なカードです。
一応、宝物生成呪文から捨てるコストにすることで、溜まった墓地をリソースに変換することが可能で、赤2マナの為、«黄金架のドラゴン»でコンボ途切れた際の保険となります。


«スカルドの決戦»

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Ⅱ~Ⅲ章のパンプはほぼ期待せず、Ⅰ章の4枚疑似ドローによるアドバンテージ源として採用しています。
4マナかかるものの、4枚とこのデッキでも最大のアドバンテージを得ることが出来、«真実の視認»がめくれれば手札を一気に増やすことが出来ます。強力なカードではあるものの、ソーサリータイミングであり、2枚は絶対に引きたくないため1枚にしています。
一応、«乱動への突入»で使い回せます。


«レッドキャップの乱闘»

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採用理由はサイクリングの«アイレンラックの紅蓮術師»、イゼット氷雪ドラゴンの«ガラセス・プリズリマリ»、«黄金架のドラゴン»、赤単の«朱地洞の族長、トーブラン»といったタフネス4の生物への対処のためです。
このデッキの火力は殆どが2、3点であり、環境次第では2~3枚目の採用も考えられます。 



採用されなかったカード

«果敢な一撃»

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6/7再評価

複数枚の採用はやはり安定性にかけるものの、1枚のみの採用ならば速度、択の広さの両面から採用した方が良いと考えるようになりました。最初に使っていたのが3枚のデッキであったため、1枚ならば?ということを考慮出来て居ませんでした。


«静寂をもたらすもの»

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タフネス2なため、自分の«燃えがら地獄»に巻き込まれてしまい、相手の«踏みつけ»の良い的になってしまいます。
戦場に出る誘発無効は、現環境では刺さる生物が«精鋭呪文縛り»、«ガラゼス・プリズリマリ»程度しか居らず、これら相手にこのカードをサイドインするのは、相手に楽をさせるだけです。死亡誘発に関しては、サクリファイス系相手には有効ですが、«踏みつけ»、«初子さらい»等の的になるだけなので不採用です。


«セジーリの防護»

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6/7再評価

やはりタップイン白マナであることが難点ですが、イゼット氷雪ドラゴンの台頭により、スゥルタイカラーでの除去が«無情な行動»によって来ていることもあり、必要性を感じるようになりました。また、以前評価した際には気づいて居ませんでしたが、ダメージを与えずに«黄金架のドラゴン»を対象に取れるカードであるため、サイド後減らしがちな«戦利品奪取»の代わりにもなるため評価が上がりました。


«両生共生体»

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«領界路の解放»がないため、«黄金架のドラゴン»がほぼコンボに絡むこのデッキでは必須ではなく、変容が絡まなければ2/1/3バニラの弱いカードを採用したくありません。
そもそも、«領界路の解放»があるとしても、«雷の頂点、ヴァドロック»のコスト軽減は1体までしか意味がありません。引けば引くほど弱いコンボパーツの意義とは·····?2/1/3としては単体で強く、除去されてもライフゲインで得をする«スカイクレイブの僧侶»に敵いません。


«栄光の探索»

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6/7再評価

白単、ナヤクラリオンが«傑士の神、レーデイン»を採用しているため(あまり刺さらないものの)、氷雪土地は採用すること自体がリスクを抱えています。評価としては、ピン刺しの«真実の視認»と互換の枠で、手札から唱えるなら僅かに«真実の視認»が、«黄金架のドラゴン»が盤面に居るならば圧倒的に«栄光の探索»が、«黄金架のドラゴン»が居ない状態で«雷の頂点、ヴァドロック»が変容するならば圧倒的に«真実の視認»が優れているという認識です。


«領界路の解放»

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非コンボ時では、実質的にソーサリータイミングで手札1枚と3マナを使って1マナ加速となり、コスパの悪さが否めません。
コンボ時のマナ加速は«プリズマリの命令»や«戦利品奪取»で十分です。
コントロール等相手には引いた分だけ手札が減ってるに等しく、打ち消しに極端に弱いため不採用です。


«軽蔑的な一撃»

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やる気あります?

«黄金架のドラゴン»を唱える際、又は戦場に出た後、どちらを巡る攻防にも貢献しない打ち消しには、価値がないため不採用です。


«海駆けダコ»

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変容誘発としては、«黄金架のドラゴン»との相性から«伝承のドラキッス»が優先されます。
そのまま出すには、3マナと«戦利品奪取»や«プリズマリの命令»と被っているのが難点で、せっかく腐っていた«踏みつけ»の良い的になってしまいます。
また、1回攻撃を通せたとしても、本来ならば相手の手札で腐ってる生物(または無視出来る)と3マナ払った上で1:1交換になってしまう可能性があります。採用するなら変容誘発として«伝承のドラキッス»の5枚目の立ち位置として1枚程が良いと思います。


«魂標のランタン»

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6/7再評価

スゥルタイ«巨獣の巣»のブラッシュアップ、及びそれによる増加や、ルールス採用型のサイクリングの台頭から、ニッセンのような日本環境のメタゲームを想定するなら、1枚はサイドボードに欲しいカードです。


«精神迷わせの秘本»

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比較的隙が少ないアドバンテージ源として有効です。
しかし、«古き神々への拘束»や«スカイクレイブの亡霊»で対処される可能性があり、手札で腐ってる上記の的になりかねません。
環境が遅くなり、追加の軽いアドバンテージ源が求められるならば採用に値します。


«シルンディの幻視»

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これを唱えてまで欲しい呪文とは·····?

«戦利品奪取»や«プリズマリの命令»と同じ3マナであり、«出現の根本原理»や«アールンドの天啓»が無いこのデッキは、引っ張ってきて嬉しい呪文が特にありません。タップインなため、素直にアンタップイン土地か«寓話の小道»を入れた方が強いです。


«送還»

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生物しか対象に取れず、ドローも出来ないため柔軟性に欠けます。
また、«黄金架のドラゴン»に唱える場合には1マナも2マナも大差がないため、«非実体化»や«乱動への突入»より優先度が劣るので不採用です。


その他4マナ以上ソーサリータイミングのカード

基本的に隙が大きく、リターンに見合う効果を持ってるカードが存在しないため不採用です。
«スカルドの決戦»は4マナソーサリーながら、4枚分のアドバンテージを稼げ、バウンスや返しに«古き神々への拘束»をされても問題ありません。

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«ガラゼス・プリズリマリ»だけは«唱え損ね»を構えられ、宝物と相性が良いため、有り得るかもしれません。

以降は有料部分となっています。次の7.ではデッキをプレイする上での意識するべきこと、理想的な動きについて、8.では主要なデッキ相手の立ち回り、サイドボードについて、9.ではTipsについて解説しています。これまでの内容を踏まえ、購入の判断をして頂ければ幸いです。また、更新が重なり、有料部分の記事が以前の倍ほどになったため、200→300円に値上げしました。もしかすると、また更新が重なり、400円に値上げするかもしれません。


7.デッキとしての立ち回り


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