【音楽】🎹YMOの弟たち妹たち。1980年代・日本のテクノポップバンド、ニューウェイブを、令和の今、聴いてみよう。
それまで、ポップスやロックというと「エレキギター」が主役であった。
しかし、YMOの出現により、シンセサイザー・・・鍵盤楽器、キーボードが主役になっていきました。
当時、中学生〜高校生だった私がよく聴いていた5つのバンド&ミュージシャンを紹介してみたい。
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■ヒカシュー「二十世紀の終りに」(1979年)
初めて、ラジオでこの曲を聴いたときのショックは忘れられません。
シュールかつ文学的な歌詞。
巻上公一の狂った歌唱。(歌唱法というべきか)
ドラムがいないということで、淡々と無機質な音を鳴らすリズムマシン。
その日のうちにレコード屋へ行って、シングルを買いました。
そこで、近田春夫氏がプロデュースしていることを知りました。
あの頃の近田氏は、ヒカシュー、ジューシーフルーツ、ぼんちなど、やることなすことヒットにつながっていました。(本人のレコードはあんまり売れなかったようだけど)
音楽業界では、ヒカシューと同時期にデビューした3つのキーボード主体のグループを「テクノ御三家」と呼び、テレビでテクノ音楽の特集などをするとこの3つのバンドが揃って出演していることが多かったような気がします。
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■Plastics「Copy(コピー)」(1979年)
御三家のなかで、一番オシャレだったのは、プラスチックスです。
まあ、メンバーのなかにプロのミュージシャンをしている人が少なく、スタイリストやアートディレクターや作詞家を本業として、音楽活動は趣味っぽくやっている・・・そんな感じの非常にカジュアルなバンドでした。
つくる曲も、この「コピー」や「トップ・シークレットマン」など、なんだか思いつきでつくったような曲が多かった印象があります。これは決して悪口ではなく、テクノポップスブームというのが、プロのミュージシャンとアマチュアバンドの垣根をこえた存在のような、のちの「イカ天ブーム」の先駆けとなったような気がするのです。
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■P-MODEL「Pinky Trick」(1979年)
ひさしぶりに聴くと、御三家のなかで一番「パンクロック」に近いですね。
♬ピンクは血の色 ピンクは血の色 そこからはじめてみようじゃないか♬
というサビの部分がキャッチーでカッコいいですね。
平沢進節というか、とても危険な香りのする楽曲が多かったのです。
「美術館で会った人だろ」なんか、歌詞がカフカというかカミュというか、どこか「不条理」なものを感じてしまいます。
ちなみに、歌詞のなかに登場する「雄二さんにはわかるまい!」の雄二さんというのは、当時、映画評論家、音楽評論家としてやたらとテレビに出演しまくっていた「今野雄二」のことです。ライブでは「今野雄二にゃわかるまい!」と歌っています。平沢氏はかなり今野雄二に恨みがあったようです。
ついでなので、「美術館で会った人だろ」もかけてみましょう。
やたらとキーボードが「♬ ピコピコ ピコピコ ♬」鳴っているのが時代を感じさせます。
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■一風堂「ブラウン管の告白」(MOONLIGHT LOVE CALL)(1980年)
一風堂というと「ラーメン屋さんですか?」と答える人が多いしょうね。
音楽に詳しい人でも、
「ああ、<すみれ September Love>の人たちね。結局、<ザ・ベストテン>に出演しなかった」
という印象しか残っていないでしょうか。
デビューしたときは、メンバー全員が、ミラーマンのインベーダーのようなショートヘアーで黒いサングラスをかけた、非常に「地味」ないでたちでした。
それが数年経って、「すみれ September Love」がヒットして、テレビで観たら、地味だった土屋昌巳が、絢爛豪華な衣装で、化粧なんかして、むかしの名残がすっかり消えていて驚いたおぼえがあります。
ちなみにこの「ブラウン管の告白」。江口寿史の傑作LGBTQヤクザマンガ「ストップ!ひばりくん!!」のなかで、ひばりくんが学園祭で歌っているシーンがあります。当時も今も、江口寿史は新しいものがスキですね。
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■戸川純「ヘリクツBoy」(1985年)
https://www.youtube.com/watch?v=fzDO3bScv4A
このアルバム「好き好き大好き」は、テクノやニューウェイブの要素を、戸川純なりに体内で咀嚼して、「わかりやすいポップス歌謡曲」に仕上げた曲を集めた名盤となっています。
歌詞は、もう、純ちゃんならでは。
ただ「好きだよ」とひとこと言ってほしい女の子と、やたらヘリクツをこねくりまわして素直になれない文化系の男の子の「初めての恋」がテーマなのかしら。
音楽自体は、非常にわかりやすい、当時やたらテレビから流れていたテクノ歌謡っぽいつくりになっていて、おしゃれでカッコいい。
純ちゃん、ステキ。
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なんだか、1980年代という時代の徒花になったようなテクノバンド、ミューウエイブ。先にも書きましたが、この「キーボードの時代」の日本のポップスへの侵略が、その後、反動として「エレキギターの復興」として「イカ天ブーム」を生み出したのではないかしらん、とド素人なりに推察したりします。
それにしても、このころの曲は、どれもこれも「クセが強い」なあ。。。
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■おまけ
非常に売れ線のメロディーラインと軽快なテンポの良さ。
歌詞はラジオの時代から「MTV」(テレビでのプロモーションビデオ)の時代に変化していく音楽業界の悲劇を歌ったイギリスの名曲「ラジオ・スターの悲劇」(バグルズ・1979年)。
このポップでわかりやすいシンセサイザー音楽が、日本のテクノバンドやニューウェイブに強く影響を与えたのではないかな、と思うのですが。
いかがでしょうか?
おそまつ!
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