「ケイコ 目を澄ませて」をアマプラで観る。ボクシング映画にハズレなし。
嘘がつけず愛想笑いが苦手なケイコは、生まれつきの聴覚障害で、両耳とも聞こえない。
再開発が進む下町の一角にある小さなボクシングジムで日々鍛錬を重ねる彼女は、プロボクサーとしてリングに立ち続ける。
母からは「いつまで続けるつもりなの?」と心配され、言葉にできない想いが心の中に溜まっていく。
「一度、お休みしたいです」と書き留めた会長宛ての手紙を出せずにいたある日、ジムが閉鎖されることを知り、ケイコの心が動き出す――。
◇◆◇
わたしの持論では、
「ボクシング映画にハズレなし(二本の「あしたのジョー」の実写版だけは例外。あれは駄作)」
「ろうあ映画にハズレなし」。
ボクシング映画でいえば・・・
■寺山修司「ボクサー」
■スコセッシ「レイジング・ブル」
■クリント・イーストウッド「ミリオンダラー・ベイビー」
■Jアビルドセン「ロッキー」
■阪本順治「どついたるねん」
ろうあ映画でいえば・・・
■松山善三「名もなく貧しく美しく」
■北野武「あの夏、いちばん静かな海。」
等など。
◇◆◇
地元では上映されていなかったので、観れてよかった。でも観たら映画館で観たくなった。映像、音、引き込まれる映画。
日常の音が常に入っていたことで、この音がケイコには聴こえていないこと、日常に溢れている音の存在を改めて意識させられた。頭の中、自分の声だけが響いてる状態なのかなと想像すると、良くも悪くもどんどん内に内に入ってしまう気がした。
だんだんケイコの表情が和らいでいくのが良い。
会長との会話、鏡の前でのシャドー、言葉は少なくても愛が伝わる優しい表情、ゆっくり発せられる言葉、視線に引き込まれる。
言葉だけじゃなくて態度や表情で交わされる対話に涙腺が崩壊してしまった。
弟との会話での「話しても人はひとり」というセリフが個人的に印象深い。
それでもひととの関わりを通じて彼女の表情は柔らかくなっていった。
途中から彼女が耳が聴こえていないこと、言葉を発していないことを忘れるくらい表情や態度で魅せられた。
圧巻の演技力。
目がきれいだった。
◇◆◇
役者が実に良い!
ヒロインの岸井ゆきのは、NHK朝の連ドラ「ぱんぷく」(チキンラーメンドラマ)での娘役ぐらいしかしらなかった。
よく、ここまで、自分を追い込んだものだ。
ボクシングジムの経営者の三浦友和が渋い。
相米慎二と出会ってから、三浦友和は本当にうまくなった。
仙道敦子がすっかり変わっていたので驚きました。時間は流れているのだなぁ。
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