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『結婚できない男』『梅ちゃん先生』。脚本家「尾崎将也」さんと合コンに行った失敗談。私が新卒で入社した「販促物制作会社」の1年先輩だったのが尾崎さんでした。(その1)

大阪にある「日本SPセンター」という、まあ、尾崎さんのウイッキーペディアを見ると「広告制作会社」と書かれていますが。

私はあそこで働いた3年6ヶ月、一回も「広告(新聞広告、雑誌広告、ポスター等の派手な仕事)」をつくったことはありませんでした。

つくらされるのは、一般人が絶対に目にしない、大工用・内装工事会社用のエアコンの施工カタログ。パナソニックの営業マンの勉強会に使う「新製品説明書」。そんな地味なものしか作らせてもらえませんでした。

こういうものをつくるのが「関西のコピーライター」なのです。新聞広告は東京のコピーライターがつくっています。文章なんか無いでしょ。要は「エアコンのスペックの数字」が正しいかをチェックするのがコピーライターだったのです。尾崎将也さんもこんな仕事をしていたのです。
あと、松下電器の営業マン向けに、こんなものを作っていました。

・・・


「コピーライター」として入社したのに「広告」は作らせてもらえない、さらに営業マンのようなことをやらされる。
印刷会社や製版会社に土下座して「なんとか明日の朝までに5000部刷ってください!」とお願いする。。。毎日、夜中まで、見積もり書を書かされる…。

パワハラ、セックス営業も酷かった。
パナソニックの社員に土下座させられてその上から靴で頭を踏まれる。


高速道路でパナソニックの社員と二人で取材に行き、突然、

「おまえ、ここで降りろ。わし、このまま草津のエアコン事業部まで帰るから、どっかに下に降りるハシゴあるやろ。それつこて、下降りて、電車で適当に帰れ。ほな」

とそのまま車で走り去ったパナソニックのあのクソ社員の顔は今でも悔しくて忘れることはできません。
1時間歩いて、ようやくハシゴを見つけても、ネズミ返しのようになって、そう簡単に下に降りられない。手が血まみれになりました。下に落ちたら即死です。「ダイイングライト」の主人公です、まるで。

こんなハシゴです。見つけた時、涙が出ました、うれしくて。


昭和は、大企業が下請け・孫請の会社をいじめるのが「あたりまえ」の超パワハラ社会だったのです。


松下幸之助は地獄へ堕ちているでしょう。


◆◇◆


私は「第3グループ」という部署で働いていました。
別名、日本SPセンターの「独立愚連隊」。
問題のある社員だけを集めたゴミだめのような部署でした。
先輩も、人事部長に意見して組合を作ろうとして飛ばされてきた人。
毎日、遅刻するので、罰として、この部署にいれられた人。
仕事しながら酒を飲み、急に暴れ出す人。

女子社員なんて、危なくていません。
そんな、ところに、社会のことなんか何も知らない純粋無垢な童貞のわたしは、新卒社員として、放り込まれたのです。

なぜ、まったく興味のない「エアコン」の仕事などをせねばならんのだ、と毎日、イライラが募ります。

・・・


そのころ、尾崎将也さんは、第5グループという部署で働いていました。

松下電器でも、オーディオ、ビジュアル機器を担当する部署です。

オーディオコンポのカタログ。
ソニーのウォークマンのパクリ商品のカタログやPOP。
大型ブラウン管テレビのカタログ。

など、まだ、若い私達の興味のもてる商品を扱う部署で、非常に羨ましかったです。

もしかしたら、尾崎さんは、この第5グループで「電波新聞」の新聞広告をつくったことがあったのかも?しれません。

「電波新聞」という新聞も会社にはいって初めてその名前を聞いて、
「統合失調症のための新聞か?」と思いました。

家電製品の新情報、新しい半導体のニュースなどに特化した新聞。なぜか、「CD」の新発売情報も掲載されていて、オールディーズのCDを買うのには役立ちました。


・・・


で、第5グループに、同期の石本治という、無茶苦茶、女癖の悪い近畿大学出身のバカがいて、そいつを通じて、尾崎さんと話をするようになりました。(「大学時代に80人の女とSEXした!」と自慢するイヤな奴)

尾崎さんと話をすると、一瀬隆重が入っていた関西学院大学の「全国関西映画研究連盟」(間違ってるかもしれません)出身で、自主映画をつくっていた、と。いまも、夜学で、シナリオ学校に通っている、というような話をして仲良くなりました。

この写真が、一番、当時の面影をかもしだしています。


(その2)につづく


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ゆうもあ倶楽部
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