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木育三昧ものがたり(第3話:葉っぱのお弁当箱)
前回はイチョウのパズルを紹介しましたが、今回はこのパズルの元祖とも呼ぶべき「葉っぱのお弁当箱」のご紹介です。
枠の中に葉っぱを収める、至ってシンプルな作業ですが、なぜこのようなパズルを作ろうと思ったかというと、葉っぱの形を覚えてもらうためには葉っぱの形をピースにしたほうが良いと思ったからです。通常のジグソーパズルでは葉っぱの形のピースにすることが難しく、枠の中にびっしりと埋め尽くすパズルですが、このパズルは葉っぱの形をしたピースなので枠の中に隙間なく収めることは不可能なパズルです。
そして、このパズルの一番の特徴は収め方が一通りではないということです。
さて、そのパズルがどうやって誕生したかというと、よく言われるのが「設計図があるんでしょ」「設計するのは難しそうだ」
確かに一番最初は設計図を描いてみました。
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そして、この図面を板にトレースして葉っぱのピースを切り出してみる。
結果は....…
枠内がスペースだらけ。まだまだピースが入るじゃないですか。
ということで設計図を描き直し。なんて言うことはしないいい加減な性格なので、テキトーな葉っぱの形を切り出して枠の中に嵌めて行く。結局最初は8個のピースで始まった制作は結果12個のピースになりましたね。
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最後はどんぐりを調整ピースにして完成。全く持ってテキトーな作りです。それも完成は図面を描いてからその日のうちに。どこまでもいい加減な作りです。
そして、色を付けて、葉っぱの名前を書いて、いよいよこのパズルのデビューです。
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いい加減な制作者の意図のとおり、なかなか収まらない。
これまでの平面パズルの常識を覆すフレキシブルパズルが誕生しました。
隙間のあるパズルは嵌めるイメージがしづらいのでしょう。
残されたピースと枠内の隙間。このパズルを解くカギはそこですね。
そして、見事に完成。
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このフレキシブルパズルを制作するようになってからは、ジグソーパズルタイプのパズルは制作しなくなりました。答えがいっぱいあるほうが主体的に完成させようとしますから。
さらに、このパズルの改良版、葉っぱのお弁当箱ドカベンバージョンを制作。基本的に比率は同じなので難易度は変わらない。
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しかしながら、このパズルの大きな特徴は枠の大きさを変えることで難易度が変わるということです。同じピースを使って小さな子どもから大人まで楽しめるパズルになりますね。
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ありのままの形をピースにして枠の中に嵌める。
ジグソーパズルは右脳機能を高め、記憶力のトレーニングにもなると言われていますが、如何せんピースの形がパターン化され、想像性には欠けると思いますが、フレキシブルパズルは洞察力や想像性を高め、主体的な行動が要求される(たくさんある答えの一つを自分で導き出さなければならない)
さらに、そのものの形がピースになるので、覚えたり、親しみやすさも増して来る。
難しいパズルかもしれませんが、自分でしっかり考え嵌めて欲しい、という願いを込めてこれからもどんどんこのパズルをいい加減な考えで作っていきますよ。
また、これまでに制作したフレキシブルパズルがありますから、機会を見てご紹介しますね。
今回はほんの一部だけ紹介します。
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