時々発作のように、男性に対して憎しみを抱いてしまう。
タイトルからして不穏だ。
しかし、これは特定の誰かのことではない。
こう言いつつも、私は仕事やプライベートで関わる数少ない男性とは、おおむね良好な関係を築けていると思う。
ただ、漠然とした「男」という概念に敵意を感じてしまうことがあって、自分の中でうまく折り合いがつけられずにいる。
もう何年も。
プロフィールにある通り、同性愛者である私は女性とばかり恋愛をしてきた。
高校生の頃好きになった子には、好きな男の子がいた。
悔しさや苦しさのやり場がなかった。
大学生の頃好きになった子には彼氏がいたので、告白もできなかった。
社会人になってようやく、女性とお付き合いするようになった。
付き合っていた彼氏と別れてまで私を選んでくれた人もいた。
しかし、熱烈に好きと言ってくれた人も、数年もすると「やっぱり自分の家庭が欲しい」「子どもが欲しい」と言って離れていった。
そうまでしてみんな男の人を選ぶのに、一方で毎日のように旦那の愚痴を言っている人もいる。
ワンオペ育児のつらさを日々聞くのも、けっこうきつい。
私だったらそんな思いさせないのになあ。
既婚女性に対して、うっすらとそんなことを思ってしまう。
今の自分は穏やかに他者との関係を築けていると思うけど、そういう過去の悔しさや、“なんとなく幸せそうに見えない女性”を見ているときに感じる憤りが、私に発作を起こさせる。
逆恨みと言われたら完全にそうなんだろうな、とは思うけど。
かつて好きだったアイドル、昔の推し、名前だけ知ってる声優さん、職場のたまに話すあの人……。
そういう人たちが『男性と結婚』するのを耳にする度に、『あー、またか。結婚してもどうせ辛い思いするのにな』みたいな、非常に良くない気持ちが湧いてくることがある。
そういうことを考えている自分を自覚するたびに『なんでこういうこと思っちゃうんだろう、素直に祝福できたらいいのに』なんて思うのだけれど。
今はまだ、『そういう自分』を丁寧にあやしながら、なんとなく世間と折り合っている。
答えも正解もないけれど、いつかこの発作が穏やかで小さい粒になっていったらいいなあ。