この作曲に至った思索2

2025年1月14日 08:03

偽装された自由

マーケティングや行動分析学、
消費者心理学等を学習すればするほど。

カルト宗教の勧誘手口や、
悪質ホストのやり口の対策を
生徒さんに指導すればするほど。

武経七書、クラウゼヴィッツ等の
軍事書物を理解すればするほど。

神経科学や哲学や各種宗教を学べば学ぶほど。

体を鍛えれば鍛える程、
楽器が上達すればする程、
この社会で生きれば生きる程、

私の「意思」は
本当に自由なのかと、
疑問に思う。

私の青春時代には
自己責任という言葉が大流行りした。

それまでの
年功序列制度に対するアンチテーゼ。

自分自身への無限の期待の裏返し。
途方も無い他責思考の幼稚な発想。
いつでも使える国家の免罪符。

青天井の努力義務。

そして全てが負の方向へ収斂した。
地獄への道は
善意という石畳で舗装されている。

まさかリアルタイムで
それを見るとは思わなかった。

なあ、同じ就職氷河期の友人達よ。
あれから20余年たったけどさ、

何人中何人が、
この考えで幸せになれたよ？

まな板と、包丁と、生魚。
この三つのみで料理しろと言われて、
刺身以外の何ができる？

コンクリートに種だけ蒔いて、
芽が出たやつだけピックアップする。
これが実力主義だと思うか？

武器の使い方はおろか、
敵が何かも教えられずに戦場に放り込まれ、

死んだ人間は全員、
努力不足だと断言できるか？

なあ、友人達よ。

これが自由意思か？
ここに自己責任なんてあるか？
こんなものが、私達の夢見た社会なのか？

そんなはずは無い。
こんな残酷な話は見過ごせない。
私はこの先の全てを、断固拒否する。

慈悲の無い社会は、綺麗だ。
貴族しか映らないから。

未来の無い社会は、気楽だ。
自分の事だけを考えれば良いのだから。

過去の無い社会は、愉快だ。
誰を傷つけても、無かった事にできるから。

コマーシャリズムを民主化する。
教育の全てに双方向性を採用する。
生殺与奪の権限を世界の誰からも取り上げる。

勝ち組や負け組が何であれ、
貧困を放置して良い理由にならない。

貧富の格差がどうであれ、
他人の生存時間を
損なって良い理由にはならない。

神であれ、悪魔であれ、
王であれ、奴隷であれ、
被害者であれ、加害者であれ、

それが何であれ、
生きていなければ、
意味をなさない。

よって、
私は全てを反転させるつもりだ。

私の理想がどうであれ、
今の社会を壊す気はない。

この社会で恵まれた者から
富を奪う予定は無い。

この日本で幸せに過ごしている者から
幸福を剥ぎ取るつもりは無い。

見捨てた者を、
足蹴にした者を、
一瞥すらくれなかった者を、

しかしあえて私は、全てを許そう。

元より生きる事に、
誰の許可も必要ないからだ。

よっては私は、
誰の許可も無く、生きさせてもらう。

しかし、私は音楽家だ。
そうである以上、
音楽で生きなければならない。

ジョン・ケージの4分33秒が、
音楽として成立するならば、

私が今から創造する社会の響きも、
音楽として成立するだろう。

私が創る社会で聞こえる全ての音は、
私の作曲物だ。

凄いマウントだろう？

馬鹿馬鹿しくて理解できないって？

お前は狂っているのか？と、

全宇宙の生命体が、
何兆回、何京回、何劫回、
私に聞いたとしても、

私は、こう答えよう。

その通りだ。
そうに違いない。
その解釈のままでよい。

私が狂っていよう、いまいと、
誰が正気だろうと、そうでなかろうとも、

生きていなければ、全てに意味がない。

よって、ここから新たな律を創り上げる。