アポヤンドについての真相を話そう。

これは真面目な話だ。
この記事をみているお前に、お前の為だけにこれを書いている。

真の音楽家を目指しギターをチョイスしたお前は楽器を手に取りこれで自分の未来がクリスマスの街のLEDより明るくなると思ってるだろう。
そんなママっ子のお前に言いたいことは山ほどあるが、まずはその希望的観測を捨てろ。何故なら2021年のシーンには弦すら張らないギタリストが出世するかも知れないからだ。

俺もこの年になるまで色々とやってきたし真の音楽家になる為ギターケースを片手に情熱のまま紀元前のレリックやウメダ遺構などで冒険した。

当然、楽な道じゃ無い。

ホルンで武装したドラゴンやティンパニで殺戮を繰り返すバッファロー達との伴奏クエストもこなしたし、無知な愛好家の首を容赦無く飛ばし血飛沫を上げた鉄糸を冒涜的に張り「ビオラだから安全です」と強弁するアサシン弦楽家達に囲まれギターひとつでソロ・リサ・イタールをかますハメになった修羅場は数知れない。

でもな、ギタリストの端くれたるものはその程度で怖がるな。
比較的脆いと言われてる４弦を使い荒野でならず者共の銃弾をスラーした後
酒場でテキーラを一気に飲んでベイブに「あら、いけるクチなのね？」と気軽に飛ばしあえるぐらいじゃないとこの殺伐としたコロナシーンでは生きていけない。

楽しくクエストをこなしてこそプロだ。
せいぜい楽しめと言いたいところだが、初めて人前で弾く緊張マックスのお前は土俵際の力士のような顔面でミスしないように必死にプレイするのが精一杯だろう、安心しろ俺もかつてそうだった。
初めてプレイボーイを鑑賞した中学生のように初恋を経験したベイブのように頬を赤くして、夢中にな。

だがそんな死闘の果てに俺が見つけたダグはたったひとつ。
とても小さいアーティファクトだったがエンシェント漢字で彫られていたそれは間違いなくこう記述されていた。
「阿呆病人（アホウヤムド）」

もちろんこれが第三次管弦戦争以前、大阪インペラートル元老院の一人で真の音楽家だったアポヤンドの当て字なのは風呂上りに冷蔵庫を開けて冷えた缶ビールを飲み干すより簡単で明快だろう。

よくある事だが、何も知らないビギナーやキッズが最寄のクラッシクン・ギタリスタに習いに行った時、散々生徒に手を出したヤリチンの講師に、さも得意げな顔でインストラクションされる。
「apoyandoはスペイン語で寄りかかるという意味です」全てデタラメだ！！

そんな３回吐いて前後不覚になったキャバ嬢でラッキースケベを狙うオッサンめいた欺瞞は屈強な暗黒商売人が跳梁跋扈する広大な砂漠ミナミでは通用しない。

もしお前が隣の弦に寄りかかることをアポヤンドと思っているのなら今すぐその考えは捨てろ。まず寄りかかるというのが軟弱だ、真の音楽家は誰にも何にも寄りかからないし依存もしない。

いいか、アポヤンドとは、真の音楽家が見せるアポヤンドとは
「ギターに人生を託す」行為に他ならない。

よくよく雑誌とかに載ってるアポヤンドとはみたいな記事があるが、あれも全て株式会社ステルスマーケッティンの社員によるカヴァーストーリーだから信じるな。

その証拠に1893年前の偉大な音楽家、アーチ６弦こと安藤ゴセビアはこう言っている。

「ギターは小さい女の子です」

もしお前がこの格言を聞いて邪な想像や幼女をイメージしたなら四天王寺の鐘で108回ヘッドバッキングしてこい。
そしてその粗末な股間のテントは今すぐ畳め、すぐにだ。

考えてもみろ、隣近所の弦さんに毎日食わせてもらっているようなヤツが音楽家といえるか？
誰かにすがりつかないと大きい音量が出せない情けないヤツがギタリストと名乗れるか？

この話をすると１００人に1人は決まってこう言う。
「でも実際隣の弦に寄りかかってるからアポヤンドなんですよね？寄りかからないならアルア」黙って殺せ。一言もしゃべらずに、無言でな。それが末法の世の音楽家というものだ。

お前はお茶漬けを食う際に本当にお茶を入れているのか、お茶漬けの素に熱湯をかけてるんじゃないのか？

つまりそういうことだ。
アポヤンドとはギターに人生を託す。

これさえ分かっていればお前はもうギタリストだ、歴戦のアーチ音楽家とは呼べないがレッサー6弦と名乗っても良い。

効果はすぐに分かる、酒場にでも行ってこい。
この記事を知る前のベビー甘ちゃんで誰にも相手にされなかったお前は、その変化にすぐ気づくはずだ。「あらイメチェンした？」と猫なで声で誘ってくるベイブに、尊敬の眼差しを向けるビギナー達。マスターにはツケが利くようになって皆お前の演奏を心待ちにしている。

分かったな、これがアポヤンドだ。

ああ、それとひとつ言い忘れていた
あけましておめでとうございます。

※当記事はネタです。クレームとかちょっとやめないか