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SABLE HILLSが「世界一」になった瞬間

きょうもBURRN!誌10月号に掲載されている記事に関することを書く。この号では表紙+巻頭のオジー・オズボーンをはじめ4本のインタビューを担当したのだが、そのうち3本はZOOMでの実施となった。昔から海外アーティストとの電話インタビューというのはわりと普通に行なってきたが、国際電話の通話料が馬鹿みたいに高額だった時代のことを考えると、ネット環境さえ整っていれば無料同然で、しかもお互いの顔を見ながらやりとりができるというのは実にありがたい話だ。
こうなってくると、たとえば海外ツアー中の日本のバンドに話を聞きたいと思った場合、帰国を待たず、トピックが新鮮なうちに取材することも容易になってくる。この号に掲載されているSABLE HILLSのインタビューも、そうした理由からZOOMで実施されたものだ。
彼らは先頃、ドイツが誇る世界最大のメタル・フェス『WACKEN OPEN AIR』への出演を果たしている。とはいえフェス側から出演要請があったわけではなく、彼らは同フェスでの呼び物のひとつになっている『METAL BATTLE』に日本代表として参加したのだった。だからぶっちゃけ、渡航費などもすべて実費。しかし彼らは世界各国の代表バンドが熱演を繰り広げるなかで見事に優勝を果たし、5,000ユーロの賞金も獲得している。ごく狭い世界での話ではあるが、間違いなく彼らはそこで「世界一」になったわけである。その直後の声をどうしても聞きたかったから、僕は彼らにZOOMでの取材を申し込み、彼らが次の公演地にあたるミュンヘンの会場に到着した直後、それが実現したのだった。
そのインタビューの内容については誌面をお読みいただきたいところだが、とにかく印象的だったのは「優勝することしか考えていなかった」「メタル版ワールドカップに日本代表として出場するつもりでその場に立った」といった頼もしい言葉だった。それが百戦錬磨のヴェテランではなく、まだ20代の彼らの口から聞こえてきたことが僕は嬉しかったし、「メタルの未来は暗くないぞ」と感じた。そして、彼ら自身の中での興奮が生々しいうちに話を聞くことができて良かったと思った。
彼らはその後、DARKEST HOURとのライヴやチェコの巨大フェス出演などを経て、自己初となる欧州ツアーを終了。帰国後の9月3日には川崎CLUB CITTAでの『METALLIZATIONⅢ』に出演し、バンドが乗りに乗っている状態にあることがうかがえる強靭なライヴ・パフォーマンスを披露してみせた。以前にも同イベントに参加した過去のある彼らだが、その時よりもバンド自体がずっと大きく見えたのは錯覚ではないだろう。
そして今月、彼らは2ndアルバム『DUALITY』に伴うツアーのファイナル公演を東京・渋谷Spotify O-WESTで行なう。SABLE HILLSを応援し続けてきた人たちはもちろん、彼らのライヴに触れたことのない人たちにも是非この機会に、この可能性に満ちた頼もしいバンドの“今”を味わって欲しいものだ。

WACKEN OPEN AIRでのライヴの模様はこちら。

そして、SABLE HILLSに関する情報はこちらのリンクを参照のこと。


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