2024GWバイク遍路をした話
4月24日〜5月1日まで四国遍路をバイクでまわりました。
今回のお遍路でよかったことを書きます。
区切りなので結願はしていません
1周目はお遍路中心だったけどだんだん観光要素が強くなり、結願までの日数がどんどん伸びていきました。
今回はお遍路中心でがんばったけど、いつもの通り区切りでまわりました。だけどお遍路中心だとさくさく進みますね。いつもより日程が短かったですが集中してまわれて達成感がありました😊
記念すべき44歳4周目
今年で44歳になりました。そしてお遍路も4周目です。
4周まわったら先達になりたいので、できれば44歳のうちに4周目を結願したいなと思っています。
お遍路よかったこと
中先達の方からお話が聞けたこと
先達になるには88カ寺の中のどこかのお寺さんから推薦が必要です。ですが、お遍路のお寺さんとご縁を結んでいない私はどうしたらいいかわかりませんでした。
神峯寺さんで中先達の方がいらっしゃったので声をかけてみました。
「あなたがまわっている中でご縁を結びたいお寺さんに手紙を書くといいよ」とアドバイスをいただきました。
その他にもこんなお話をいただきました。
「掃除が行き届いていないことや、納経所の態度が気になるお寺さんはご縁がないのでそういうところは省いて良い」
「自分はここが良いなと思ったお寺さんは、自分と関わりのあった先達さん達がそこのお寺の推薦だったことが後でわかって、やはり縁があるのだなと思った」
「あなたが先達になる方向でご縁が向いているのなら、これからまわっている中でお寺さんやご本尊様とご縁を結びたいと思うお寺さんが出てくると思う。そういうところにお手紙を出すといいですよ」などなど、
中先達の方はとても丁寧にお話くださり、感謝です🙏✨
遍路をしていると先達と出会うことは珍しくはないのですが、
先に進むことで視野が狭くなっている先達の方ばかりをみてきました。
素晴らしい中先達の方のお話をいただけたことは嬉しかったです。
ランニングの効果が出た
在宅デスクワーカーの私は体力に自信がないことにかけては自信があります。
1日の歩数が7歩とか余裕であります(家の中でiPhone持ち歩かないので)。
お遍路はバイクの乗り降りも含めて、階段も多くとても疲れます。特に今回はお遍路メインの旅なので自分の体力に自信がなかったです。
なので、2ヶ月前からランニングというものを初めてみました。
有酸素運動が大嫌いで、何がなんでも避けたい人生を歩みたかったのですがランニングに挑戦してみました。
最初の1ヶ月程度は筋トレと違い、日に日に走る距離が伸びていくのが楽しかったです。
が、1ヶ月を過ぎたら頭打ちしてしまいました。
体力作りなど人生においてやったことがないのでランニングがどれほどの効果があるか分からなかったけど、やってみてかなり効果が出ていることが分かり、満足しました😆
次回の遍路は弥谷寺、岩屋寺など延々と続く階段で有名なお寺さんをまわるのでランニングは続けていき、今より体力がついた状態でお遍路したいです。
とても良い写真が撮れた
室戸あたりでとった遍路宿は目の前が海でした。
朝の6時前に撮った写真です。
太陽をとるつもりが月とシンメトリーに撮れていました。後で気づいてうれしくなりました。我ながら素晴らしい写真として思い出にしておきます。
お遍路の反省と学び
寒い時は耐えてはダメ
帰り、高知から徳島に抜ける高速道路がめちゃくちゃ寒かったです。
種間寺に寄ってから徳島に移動したのですが、種間寺がめちゃくちゃ暑くてメッシュジェケットでも暑くてつらかった。
そのテンションで高速に乗ったら凍える寒さでした。寒暖差は体力を一発で奪っていきます。
徳島についた時には疲弊しきっていました。
途中でもう一枚着ればよかった。判断ミスでした。
化粧はしなくていいや
晴れると日差しが強く、日焼対策が必須です。
軽い化粧でもしてしまうと、お直しが面倒です。ヘルメットのインナーにファンデーションもついてインナーの汚さが目立ちます。
若い頃は化粧してもしなくてもあまり変わらなかったのでバイクに乗る時は化粧しなかったのですが、ある程度年をとってからはするようになっていました。
そして、今年。
多少化粧したところで見た目の衰えは隠せないから、
もうしなくていいやという新境地にはいりましたwwww
一周まわりましたね。
スムーズに日焼け止めをこまめに塗れることのほうが大事です。
遍路宿はお遍路さんには合理的
今回は宿坊&遍路宿をメインに宿をとっていました。
宿坊&遍路宿は通常の宿とは動きが少し違います。
遅くとも17時にはチェックイン。
18時までに風呂。
18時から夕食。
↓
朝6時(遅くとも7時まで)に朝食
※宿坊は夕食後か朝食前にお勤めがはいる
という流れが一般的です。
お寺さんの納経をいただくリミットが17時だから17時ギリまでまわっていると完全に流れに乗れません。
特に宿にチェックインしてからはバタバタです。
バタバタとお風呂に入り、そのまま夕食。
旅館ではないので朝も夜もそれほど量がでるわけじゃない。
これがけっこう良いのです。
今まで遍路宿オンリーでお遍路したことなかったので、ビジホに泊まると夜は近くの居酒屋にいきます。
夜は遅くなるし、お酒飲むし、何より食べ過ぎてしまうのです。それから次の日に朝食を、と言われても胃がもたれて入りません。
遍路宿は食べすぎることはないし、夜は強制的にゆっくり休めます。
胃に負担をかけていないので朝食もすんなり食べられます。
バイクですらお遍路はとても体がしんどいのですが、体の中からも休むことができました。食べ過ぎ(お腹いっぱい食べること)がこれほど体にダメージを加えているのかと初めて気づきました。
今まで遍路宿や宿坊は時間の拘束が強くてやりづらい印象もあったのですが、やっぱりお遍路宿はお遍路さんにとって都合良くできているなあとつくづく思いました。
また、宿坊や遍路宿は畳のところが多いです。
毎晩ストレッチをしていたのですが、畳だととても助かります。
ベッドだと床面積が狭くなるのでストレッチする範囲が確保できないのです。
バイク移動で荷物が多いので、荷物が広げられる畳はありがたいです。
初めて車でお遍路した
高知にはいってから1日雨だということなので、レンタカーを借りました。
初めて車でお遍路をまわりました。
お遍路は車の方の方が多いので楽なのかな〜って思っていたけど、めちゃくちゃ楽でした。
バイクの乗り降りがないし、ヘルメットも被らなくていいし、駐車場が砂利でも斜度がついていても気を遣わなくていい。
車のお遍路って楽なんですね〜。
あと、やっぱり雨最強。
午後から雨足が強くなってきたのですが、バイクだったらとっくに心折れているだろうところを車はがんばれました。
車すごいねーーー。
でも、車だとお寺からお寺へのただの移動になってしまうので面白みはなかったです。
移動中も四国の景色を楽しんでいるので車だとそれが半減以下でした。
あと狭い道がやはり車は大変そうですね。
ただ、雨の中のお遍路はマジで大変で心がさっくり折れるので車の選択肢はありだなと思いました。
宿坊で感じた矜持
今回の宿坊利用は安楽寺さんのみでした。
安楽寺さんは相変わらずお勤めがエンターテイメントでした。
駅路寺(管寺)として定められていた安楽寺さん。昔からお遍路さんや旅人を休ませるために解放していました。
88カ寺ある中で宿坊をやっているお寺さんは10寺以下だそうです。
安楽寺さんはコンサルが入っているのでしょうが、施設がとてもオサレです。
宿坊はお寺さんにとってはどちらかといえば負担になる事業なのだと思います。だから宿坊をやるお寺さんが減ったのでしょう。ですが、それでも宿坊を続けてくださるお寺さんはありがたいですね。
善通寺さんも安楽寺さんも宿坊を続けることに矜持を感じました。
お遍路さんを受け入れるぞという矜持。
88カ寺としての矜持。
お寺の持っている歴史を守るという矜持。
私がお遍路を始めてから閉じてしまった宿坊もあります。
実際泊まってみて経験してみると、単に「お寺に泊まる」だけではないお寺の気構えや空気を感じることができます。
あと単純にお寺に泊まると特別感がありますね。
観光雑誌に「お寺に泊まろう!」など書いてありますが、そこから想像できる以上のものを感じることができます。
体験してみないと分からないこと
今までお遍路以外の単なる観光のツーリングもたくさんしてきました。
ですがお遍路は聞いてるものと体験してみることがかなり違う旅です。
単純にお寺をまわるだけ、と聞けばとてもつまらないように感じる方も多いでしょう。ですが、お遍路は通常の観光ツーリングよりも人との触れ合いが多いです。景色、食べ物、文化、風習を感じる機会が多いです。
人との交流
宿坊や遍路宿を使わせてもらうと歩き遍路さんと交流する機会があります。
歩き遍路さんも色々です。
歩きがお遍路の頂点だとマウンティングをしてくる人、
あるいは歩き以外とは交流すらしないマウンティングマウンテンを極めている人、
一方で気さくに話してくださる人。
車でも自転車でも、それぞれのストーリーがあり、わずかな時間ですがその方のストーリーに触れることができます。
「自分は海なし県出身だから海を見られるのが嬉しいんです」
高知市内を出たぐらいにある遍路宿で歩き遍路さんがニコニコと嬉しそうにおっしゃっていたのを覚えています。
それを聞いていた別の歩きの方が
「これからまだまだ(海沿いが延々と続くので)嫌というほど見られますよ(笑)※」
と答えていて、めちゃくちゃ笑いました。
あの後たくさん海見られて満足したかな?かわいいおっちゃんでした。
※海沿いを30キロ以上歩く高知の道が続きます。歩きの方はお寺からお寺へ1日では着かないので、ただ歩くだけの修行の道となります。
食べ物と文化
88カ寺をまわると四国をぐるっと一周します。
それぞれの場所で特産物が変わり、美味しいものが変わります。地のものは安いし美味しいです。
少し移動しただけで食べ物が変わるので、そこに生きている人たちが何を食べてきたのかに触れることができて興味深いです。
土地の歴史と精神性
お寺さんの歴史はその土地の歴史です。どんな逸話があるのかを見ていくとその土地その土地の価値観や歴史に触れることができます。
日本の文化や価値観と結びついた思想に触れることもできます。普段意識しないけど、我々日本人が本能的にどんな価値観を持っているのかを認識できます。
仏教も密教も輸入された宗教だけど、もともと日本にあった原始自然宗教と結びついていることがお大師さまのことを知っていくと分かります。
自然への畏怖や敬意は日本人にとって原初の精神性なのだなと分かると、
日本人の宗教への柔軟さも納得できます。
また、遍路休憩所などもキレイに整備されているところが多いです。トイレもキレイにしてくださっているところもあります。
これらは地元の方が維持してくださっています。お遍路さんに対しての気遣いや風土を感じられてとても良いです。
お遍路はただお寺をまわるだけじゃない
「お遍路に行くんですよ」
と言った時、人の反応はそれぞれです。特に関東では四国は遠いので四国遍路をいう言葉すら知らない方もいます。
この前お遍路に行くと言った時「何か懺悔したいことでもあるんですか?」と聞かれました。
お遍路がなんなのか知っているが全く興味のない方の場合だとネガティブな印象を持たれている方もいます。
「趣味なんで」
と答えますが、まあ理解されないでしょう笑。
私にとってお遍路はただお寺をまわるだけの行為ではないのです。
四国を一周して、お寺の歴史や風土を感じながらまわると観光ツーリングより多くのものを学び吸収できます。
それがとても楽しいのです😊
四国遍路はとても楽しいのでみんなに知ってもらいたいし、
ひとりでも多くお四国に行って欲しいです🎉