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Amazonの生成AIチャットの本命は「購入者」より「セラー」向け?

10月7日週、アメリカ・テネシー州ナッシュビルに出張し、アマゾンのグローバルイベント「Delivering the Future」に参加しました。

イベントでは、アマゾンの「ロボット倉庫」や「カスタム電気配送車」など、物流に関する新技術が披露され、注目の「生成AI」技術の活用にも触れられました。

基調講演をもとにした記事では、想像しやすい消費者向け「買い物アシスタント」のようなAIチャットボットを紹介しましたが、個人的に便利だと感じたのは「セラー向け」のサービスでした。

アマゾンで販売されている商品の60%は、アマゾン自身ではなく販売事業者(セラー)が扱っているそうです。こうしたセラーをサポートし、その商品の売れ行きを促進することが、アマゾンの売上に直結します。

生成AI技術のデモでは、複数のセラー向け機能が紹介されました。

例えば、「1枚の画像をアップロードするだけで商品情報を自動入力する機能」「商品画像の背景を生成して変更する機能」「モーション付きPRバナーを作成する機能」などです。

また、セラー向け管理ページ「Amazonセラーセントラル」に組み込まれたAIチャットボットは、売上状況を分析し、新たなアクションやアマゾンのセラー向けキャンペーン施策をレコメンドしてくれます。

ベータ提供されているセラー向け生成AIチャットの「Amelia(アメリア)」。

セラーが大企業の場合、各専門領域の担当者がいて管理できるかもしれませんが、中小企業では1人のEC担当者が全てを担当することもあります。

日本の企業の約9割は中小企業です。こうした生成AI技術が導入されれば、その効果は大きいでしょう。

生成AIやチャットボットと聞くと、ChatGPTのようなものをイメージしがちですが、このようなB2B向けAIの日本での展開にも注目していきたいと思います。


本稿はBusiness Insider Japanのメルマガ(無料)用に用意したコラムを加筆・修正したものです。Tech Insiderでは毎週土曜日11時にその週のテック記事振り返りレターをお送りしています。ぜひ、ご登録ください。

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