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Suicaかタッチ決済か。二者択一になりがちな交通のキャッシュレス議論

「やっぱりSuicaじゃないと、日本の駅じゃ使い物にならないでしょ」

SNSでも、特に関東・首都圏のユーザーから直接でもよくこんな声を聞きます。これはここ最近増えている電車やバスなど公共交通機関での国際カードブランドの「タッチ決済」普及などを受けてのものです。

そんな中、8月28日に三井住友カードは同社の交通機関向けソリューション「stera transit」の現状や今後に関する発表を実施。「2025年度末には全国70%の駅でタッチ決済が使えるように」なると発表しました。

ここではSuicaに代表される「交通系IC」と、Visa、JCB、AMEXなどの「タッチ決済」の細かい違いや優劣に関することは省きますが、重要なのは28日の発表会で三井住友カードの大西幸彦社長が話したこの言葉。

「(交通系ICやタッチ決済)いろいろな決済を共存して使っていくことになると思う」

Tech Insider「Suicaの牙城に挑む三井住友カード。今後1年でタッチ決済が急増する背景」

会見の中で公共交通機関が国際カードブランドのタッチ決済を導入するメリットとしては、訪日外国人の対応や「1日XXX円で乗り放題」や「ホテルや他の乗り物とセット」などの企画券風な利用が見込まれると言及されていました。

多分冒頭の感想を持つ人は通勤や通学など日常的な利用をイメージしているのではないでしょうか。一方で、タッチ決済対応によるメリットを享受しやすいのは、非日常のシーンのような気がします。

短期〜中期的には、大西社長が言うように、改札機等での決済手段が増えてくれば日常は今まで通りに、非日常ではカードになどの使い分けをしながら進んでいきそうです。

もちろん、熊本のバスや鉄道5社のように、機器の費用等が理由で交通系ICを止めるというところもありますが(2024年度内に取り止め予定。熊本市電は2026年4月予定)。


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