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僧侶の助言
ずっと書きたくてうずうずしていたことをようやく書けた。
今年の夏休みに友達2人とミャンマー旅行へ行った時のお話。
ずっと行ってみたいと思っていた、バガン遺跡に行った。
ちなみにバガン遺跡はこんなところだ。
カンボジアのアンコールワット、インドネシアのボロブドゥール遺跡とともに、世界三大仏教遺跡の一つ。
以前バガンを世界遺産に登録しようと試みたらしいが、近代的な展望台やゴルフコースを作ってしまったために、失敗に終わっている。世界遺産ではないが、バガン遺跡は言葉では言い表せないくらい素敵な場所である。ザ・異世界。流れている時間が明らかに違うと感じてしまう。
(ネットでは「ドラクエの世界観みたい」といったコメントが上がっているけれど、私はドラクエの世界観が分からないのでその表現が正しいのか定かではない)
バガン遺跡を巡っているときに事件はおきた。
今年一番の珍事件が、おきた。
バガン遺跡はとても広い。
三人でEバイクに乗って移動していた。
写真のような感じに。
写真は昼間だが、様々な遺跡を回っているうちに日が暮れてしまった。
日本だと、街灯や明かりがそこら中にあるが、バガン遺跡にはほとんどない。
私たちはgoogleマップを頼りにゲストハウスへ向かっていた。
バスの時間が迫っていたため、私はgoogleマップに載っているからと近道できそうな舗装されていない道を選んだ。それが大きな間違いだった。。。
舗装されていない道路には街灯は存在せず、頼れるのはバイクのライトのみ。
途中で道が二手に別れており、どちらの方向に進むべきかみんなと悩んでいたところ、、、
突然、オレンジ色の袈裟を身にまとった僧侶が現れた。
私たちがgoogleマップに載っているのはこちらの道だと思って進もうとしていたが、
その僧侶は「そっちの道は汚くて、危ない」と教えてくれた。私たちが進むのを止めようとしてくれた。素敵な助言を与えてくれた。
にもかかわらず、私は「え、こっちには普通に道あるし。googleマップはこっちの方角さしてるし大丈夫でしょ。時間もないしこのまま進もう」と、ありがたい僧侶の助言を無視してしまった。
僧侶に「教えてくれてありがとう。でも大丈夫だから」と感謝の意を伝え、googleマップが指す方向に進み始めた私たち。数分後に後悔することをつゆ知らず。
「全然大丈夫じゃーん」と思いながらバイクを進めていたが、
徐々に地面がぬかるんできて、最終的にはバイクが動かなくなってしまった。
地面がどろどろすぎてエンジンをかけてもタイヤが滑って全く動かないのである。
そして、Googleマップも暗闇の中では全く役に立たず、道に迷ってしまった。
動かなくなってやっと「まずい」と気づいた。
差し迫っているバスの時間。
うんともすんとも言わないバイク。
誰がどこにいるかさえ分からない暗闇。
焦りまくる私たち。
必死にバイクを動かそうと力を踏ん張ったり。
近くにまともな道がないか探したりするものの、
「あーもうこの旅行の日程終わったわ」
「絶対間に合わんから明日のバスを取りなおしかな」
「そしたらヤンゴンのゲストハウスも取り直さなきゃだな、お金。。」
「バイクこんなに汚してしまったら弁償かな」
「ぶんぶん虫がうるさすぎ」
「そもそもゲストハウスまでたどり着けるかな」
「てか、私たち死なないよね。。」
などと、マイナスなことしか考えられなかった。半泣き状態。
ところが、なにかの拍子に空を見上げた私。
そこには美しい星空が広がっていた。
思わず友人2人に「空、めちゃくちゃ綺麗なんだが!!!」
と、叫んでしまった。今でも忘れられない星空。
街灯も明かりもない暗闇だからこそ、
星がたくさん見えてそれはそれは素敵な星空であった。
3人共、今の苦しい状況を忘れて星空を見上げていた。
「こんな状況で見とれてる場合じゃないけど綺麗すぎる!!!」と。
おかしかった。こっけいだった。
改めて奮闘していると、まともな道を発見できた。
バイクをその道までなんとか動かすこともできた。
バイクもエンジンをかけたら動いた。
あとは、ゲストハウスまで急ぐのみ。
一応、無事にゲストハウスまでたどり着けた。
全身泥だらけの3人組と泥だらけのバイクと共に。
証拠写真の数々。
ゲストハウスのスタッフは戸惑っていたが泥だらけの私たちを受け入れ、水道を貸してくれた。バイクのレンタル屋さんも笑って大丈夫だよと言ってくれた。余分にお金払わなきゃいけないだろなと思っていたが必要なかった。
なんて優しい人たちなのだと感動した。嬉しかった。優しさが身にしみた。
結果的には、バスの時間にもギリギリセーフで間に合った。
「これが奇跡か!」と感じた瞬間であった。
道に迷って、泥だらけになって、バスに間に合わないと思っていたけれど、
間に合って無事にヤンゴンにたどり着くことができた。
僧侶の助言を受け入れて、道を変更していたらこんな目には合わなかっただろう。
学んだ。僧侶の言うことは絶対であることを。
ps.今思えば、あのタイミングで僧侶が現れたことが不思議で仕方なく、幻想でも見ていたかのよう。とはいえ、1人では乗り切れなかったであろう困難。3人いたから乗り越えられて、笑い話にできる。旅行は「どこへ行くか」ではなく、「誰と行くか」が一番重要なのだと思う。感じたことを一緒に「共有」できる。だから旅行は楽しい。
おわり。
(※アメブロから移行させたので、実際にこれを書いたのは2017年12月31日です。)
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