髪を真っ黒に
少し前に髪を真っ黒に染めた。というより、地毛の色に戻した。
「自分」を取り戻すために。
私が初めて髪を染めたのは大学1年の夏。
中学・高校と部活に勤しんでいた私は、もちろん大学に入るまで髪を染めたことがなかった。高校時代なんてスポーツするためのショートカット。大学へ入り、色んなところへ繰り出せる、好きなことができる「自由」を手に入れた。
周りには可愛い子、綺麗な子が沢山いて、何より髪を染めている人が沢山いた。「髪を染める」という行為は大学生が誰しもが通る道なのかと思った。
案の定私もその道を通ることに。髪を明るくしたら人生変わるかなと期待を込めて。みんなから「いも」呼ばわりされていたからそれも悔しくて(私をイジりたかっただけなのは分かるが)、変わりたかった。
そして、髪を茶色に染めた。
黒髪の時はみんなに「いも」呼ばわりされていじられていたのに、髪を染めたらみんなから「垢抜けたね」と言われた。人は見た目が100%とよく言うが、髪染めただけで垢抜けるのかと驚いた。周りから似合うと言われて心地がよかった。
その後も髪の色は頻繁に変えていた。休学した時と就活の時はさすがに暗くしたが。内心では、自分の本来の髪の色でいることで一番美しくありたいと考えていたが、私自身も多少茶色い方が似合うと思っていた。
そして大学4年の後半はもう髪で遊べるのなんて最後だからと思い、インナーカラーにしていた。周りにチャラいと言われながらも、個人的にはすごく好きだった。
しかし、4月から社会人。インナーカラーのまま内定先でインターンをしていて社員の方々から何か言われることはなかったが、さすがにインナーカラーで1年目を迎えるのはまずいと判断し、金髪の部分を切り、思い切ってボブに。
そしてここ最近、渋谷の駅ナカで美容師さんに髪を染めませんかと勧誘されることが増え、友達からも染めてる部分と地毛の部分が気になると言われ、髪を染め直す決心をした。
茶色の方がみんなの反応いいから茶色にするかと考えていた。周りを気にしていた。しかし、私は自分の心に問いかけた。「私自身は何色がいいのだ?」と。茶色の方が周りの反応が良いことは確か。でも、本当は自分の本来の色、地毛でいることがよかった。自分の本来の姿でいることが一番美しくいられるのではないかと思って。周りの意見など気にせず、左右されず、本来の自分を取り戻したかった。そして自分の地毛、久しぶりに黒髪に戻したのである。
黒髪で会社に行った初日。みんなから「垢抜けたね」「似合ってる」「黒の方が似合うかも」と言われた。私「??」困惑。大学生になって初めて髪を茶色にした時「垢抜けたね」と言われたのに、今度は黒にして「垢抜けたね」と言われるのかと。周りからどう見られているかは大事かもしれない。ただ、周りも人間。主観的に物事をとらえ、考えも人それぞれ違う。その周りの意見にに振り回されていてはいけないのだと。ありがたいアドバイスだと捉え、あくまでも自分がどのような姿でいたいのか、自分の気持ち・考えが一番大事なのだと気づいた。
私は昔から他人の目を気にする。周りの意見に振り回される、軸がない。
人とは違うことがしたいと思いながらも。。
自分を好きでいること、自分との約束を守ること、自分を大切にすること。
自分の本来の姿が一番美しくあるように。これが私なんだと誇れるように。
本来の「自分」を取り戻そう。
おわり。
私の将来のささやかな夢は愛のあるほっこりエッセイ本を出すことです。サポートしていただいたお金はエッセイ本を作るための費用にあてさせていただきます。