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「カリキュラム」が学校選びの最重要点。かもしれない。
自分は今まで数回転校していますが、すべてアメリカ系のカリキュラムの学校です。というのも、途中でカリキュラムを変えるのは大変で、単位が引き継がれなかったりと様々な問題が出てきます。
インターには大きく分けて3つのカリキュラムがあるので、どのカリキュラムが自分に合っているのか見極める必要があります。
小学生・中学生の学生さんであれば、いつでも、何度でも気軽に転校が出来ます。インターナショナルスクールでは学生さんのロテーションも早く、2-3年間で学校を変える方も多くいます。
しかし、高校生になると単位の問題もあり、中々別のカリキュラムを選ぶ事は難しい。特にコース制のIB(国際バカロレア)やA-levelなどは留年をしてしまう事にもなります。
今回はIB(国際バカロレア)・イギリスケンブリッジ式・アメリカンスクールの3つのカリキュラムを比較。他にもオーストラリア系やカナダ系などがありますが、世界的に最もメジャーであるのはスイス・イギリス・アメリカの3つなので、他のカリキュラムについてはまた別の記事を執筆します。
*この記事は約8分で読めます。
教育の王道「IB(国際バカロレア)」
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IBは「難しい」というイメージありませんか?
IBは国際バカロレアと呼ばれ、スイスに本部を置く教育団体が運営しています。IBの単位はアメリカ以外の大学ほとんどすべてで認められていて、日本の学校でも帰国子女枠などはIBを必要としている学校も多いです。
IBは採点項目が多く、テストのみならず日常の授業態度やプロジェクトなども採点されます。
IBDPは一部の授業(Higher Level)では大学初年度レベルの授業を高校2-3年生で行う事になる為、レベルの高いコースになります。
厳しい学校ではIBの中間テストで本試験を合格できる見込みが無い場合は退学処分となる学校もあるので、注意です。
上の図がIBのテストの項目ですべてをクリアする必要があります。
そんなに難しいIB、なんでみんな目指すのか?
それはIBを持っていると大学進学に際にとても有利になり、IBのスコアを提出する事で独自の大学入試試験が免除になる大学もありというめちゃくちゃ良いシステムとなっているかた。
IBのテストは学校ごとではなく、IB本部から送られてくる統一試験を学校で受け採点も本部が行います。世界中のIB校で高い教育水準を保てているのは本部の審査があることも理由の一つです。
一番難しいと言われているIB(国際バカロレア)ですが、全て違うカリキュラムで比較対象では無いので世間が言う「一番難しい」という表現は間違ってます。
どのカリキュラムでも難しいは難しい、学校のアプローチの方法にも差があるので厳しい所は厳しい、緩い所は緩いですがIBでは本部が採点するのでテストの一貫性が維持されているのです。
自由な教育「アメリカンスクール」
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アメリカンスクールの単位は、基本的にはアメリカの大学でしか認められていませんでした。
しかし近年ではそれも変わりつつあり、アメリカンスクールの卒業単位が他の国の大学でも認められています。
どの国も生徒が減ってきているのでちょっと前より多くの単位を認めている傾向です。
アメリカンスクールはAmerican School Diplomaという卒業単位のみでは受け入れている大学も少なく、ほかにアメリカの教育団体「Collage Board」が行うテストを受ける必要があります。(2020年、2021年はコロナの為一部例外)
SAT
そこで出てくるのがおなじみ「SAT」と呼ばれるテストです。
SATは大学進学適正テストで、英語、数学の2科目を主にテストします。
このSATはアメリカンスクールでは絶対に避けて通れない道。
そんなSAT、一言で説明するなら「日本で言う所のセンター試験」の様な物でアメリカンスクールに通う生徒ほぼ全員が一斉に受けるテスト。
ただセンター試験とちょっと違うのはSATは何度でも取り直すことができるという事!
つまり点数に納得いかなかったら次の年にもう一回取れる
ただあまりやってると留年になるから注意。多くても3回まで!!
またアメリカンスクールに通っていなくても受けることはできるのですが、アメリカ独特な問題が多い印象です。
数学の表記がインチやヤード法だったりと最初は混乱します。あれは撲滅せよ!という声も多いですが、ずっとインチヤードでやってきた自分にとっては、センチメートルの方がわかりにくかったり。
日本の大学ではアメリカンスクールから進学の場合はこのSATを受けることが必須とされていて、平均1300点からMARCHや日本の有名大学、正規留学としてアメリカの州立大学や私立大学も認めてくれる点数となります。
あの東大では約1400点ほど、これは実は頑張れば誰でも十分狙える線です。
目指せる人は頑張って!!
AP(Advanced Placement)
アメリカンスクールではAPという大学の単位を高校在学中に取ることができるという特殊難しいコースがあり、APの単位を持っていると初年度の一部の単位としてカウントしてくれます。いわばアメリカ版のIBDPです。本当は違うのですが、まあそんな認識で大きな間違いはありません。
すると入学早々2年生の授業を受ける事もできる、ただそれ相当に難しい内容の授業です。
APは数十ある科目から自分が好きな教科、もしくは進学希望の大学は推奨している科目を選ぶことができ、大学初年度の勉強を高校で行います。
そしてこれはもちろん、高校の単位としても認められます。
注意として、これ日本ではあまり認められていない単位で日本の大学で初年度一部単位免除は聞いたことありません。日本で認められにくいだけで、世界基準の単位である事は確かです。
アメリカの大学では大体使える(名門ハーバード・イェールなどでも)のですが、アメリカ以外の大学へ進学をする場合は、AP取る前に進学希望大学にAPを知っているか、進学に有利に働くか、確認した方が良いです。
教育世界覇者「イギリス・ケンブリッジ式」
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教育の世界覇者、イギリス、ケンブリッジ式教育ではIGCSEやA-levelといったテストを受けます。IGCSEはインターナショナルスクールの高校を卒業したという証になる単位で、(イギリス国外にある)ケンブリッジ式の高校ではIGCSE取る事が卒業の為に必須です。
IGCSE終了後は大学に進学するのですが、その際にファウンデーションコースという1年~1年半のコースを受けてから大学へ進学するか、高校でA-levelというIGCSEの上位の単位を取るコース(こちらは1年半~2年程度)へ進むかの2択になります。
ファウンデーションコースは大学で提供されているので、希望大学へファウンデーションコースを取る事が必要かお問い合わせください。
IGCSEで進学の場合は大体ファウンデーションコース必須です。日本の高校(インター以外)を卒業し、海外の大学へ進学する場合は、大体このIGCSE相当だと見られます。それを、日本の高校より在籍期間1年短く取れるのです。
IGCSEは数百の科目から選ぶことができ、学校側の制限内で科目を7-8個選びます。
そしてIGCSEを取り、いざ進学!という時に恐らく高校から推奨されるのが「A-level」というコースです。
A-level
ケンブリッジ式カリキュラムには、IGCSE合格後に受けることができるA-levelというコースが用意されている学校もあります。
まず、イギリスのカリキュラムとしてIGCSEが終了の時点で11年間の教育を受けた事になります。日本でいう高校2年生。そこからA-levelもしくは大学のファウンデーションコースを受けて、1年から2年間。
大学=4年間と考えていたら、それはアメリカ色に染まっています。世界の大学の半分くらいは3年です。イギリスでは学士号にあたるBacherlos(BA、BScなど)のコースは3年です。そこにHonoursというコースを追加すると4年になったりします。
A-levelは進学希望大学が決まっていない場合に取る事がおススメ、先ほどのファウンデーションコースの代わりになります。
A-levelコースの期間は約1年半ー2年で、A-levelの単位を持っていると大学のファウンデーションコースが免除となります。
実はこれは難しい問題で、IGCSE受験のみならば11年生(高2)で高校は終了、A-levelを受講するとそこに1-2年追加されます。
ただIGCSEのみならば大学でのファウンデーションコースは絶対に必要になる、A-level所持なら免除されるのでどちらとも言えません。
学校はA-levelを取る事を勧めていて、その理由として「大学の選択肢が広がる」という事があります。
「絶対にこの大学に行くんだ!」
と決めていればわざわざA-levelを取らずにファウンデーションコースに進めばいいですが、決まってなければA-levelを取る方が無難です。
もう一つの裏の理由としては、在籍期間が長くなれば高校は授業料を1年半~2年分多く取れるという事も、A-levelの説明をされている時に脳の片隅にでも置いておいてください。学校も必死のマーケティングです。
一番良いのは?
ここまで色々言ってきましたが果たして一番良いカリキュラムはずばり・・・とここでは断言はできません。
それぞれ違う特徴があり、将来の進学希望や勉強のスタイルなど人それぞれで合う教育スタイルも変わってきます。
IB(国際バカロレア)は有名校を受験するのに適していますが、難易度は高め、そして学校外での授業時間も多いので自由な勉強スタイルが良い方へは向きません。しかし、高校の大変な勉強期間を抜けて無事にバカロレアを取る事が出来たら、世界中の大学があなたという優秀な学生を欲しがるでしょう。
しかしアメリカンスクールの単位は認められる学校はイギリス系と比べてしまうと少いですが、比較的自由な勉強スタイルでまた授業内もテストメインでは無い勉強が多いのが特徴です。アクティブラーニングが多く自由、しかし落単するのも自由!と考えられているので、自分との戦いです。
そしてIGCSEはバランスが取れていてイギリスを始め世界各国で認められる単位。イギリスが教育の覇者になったのはIGCSEのお陰です。大学進学時にはファウンデーションコースを取る必要があります。IGCSE保有者は世界中にいるので、ライバルが多くなってしまうのが難点。
そしてA-levelはIGCSEを合格後、直接大学に入るのではなく、さらに有利なコースを受け、大学の選択肢を広げてから勝負に挑むスタイルです。
それぞれメリット、デメリットあるので自分の勉強スタイルに合った学校を探すのが重要です。
学校選びの際には是非参考にしてください。
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