「刹那を抱いて 1」


セナはその時感じた。


肉体の悦びからくる、

自分の甘美の声に嫌気がさしたのだった。



その男は一昨年あるビジネスの集まりであった友人だった。

実に芯がない男だった。

知っていて抱かれた。


今月に入って何人めだろう。

自分のやりたかったことは、

こんなことかと

落胆した。

自分に・・・


ただ快楽だけを求める

知っていて経験したかった。

実に嫌気がさしていたのだ。


この男とは、

元来友人だったのだ。

自分に好意を持っているのをセナは知っていた。

だから近づいたのだ。


ある感情を埋めるために。。。