台北ウルトラ24時間走2024(レース編)
台北ウルトラマラソンの24時間走は2月24日(土)午後1時(現地時間)にスタート!48時間走が走っている隣のレーンに並んで一斉にスタートしました。
最低限の目標
スタート時のウェアは台湾のメーカーさんから日本チームに提供いただいたシャツにアーム、ショートパンツにゲイター。帽子とサングラス。
前日はかなりの強風が吹いていましたがこの時はそうでもなくいいコンディション。
今回の目標はあまりにも低レベルですが、まずはレース中寝ないこと!
過去出場した24時間走は全て途中で睡魔に襲われて寝てしまっています・・
24時間以上走るレースはそれこそたくさん出ていて、そのくらいの時間だと寝たことなどないのに何故か時間走だけは睡魔に襲われるんですよね。
今までもあの時寝なければ・・・と思うことばかりだったので、とにかく寝ない。
ということは寝るような疲れ方や休み方はしないということ。
少しずつ休んで疲れを溜め込まないことです。
なので1時間に1回は必ず「座って」休むことにしました。
別に5時間、6時間、座らずに走り続けても大丈夫なのですがそこをあえて休む。
座ってストレッチしたり体をほぐしておく。
それが後々の走りにつながるのではないかと考えてのことでした。
コース上には電光掲示板があって今の走行距離が確認できます。
でもこれもあえて見ませんでした。そういうことは頭には入れず、フォームとかどこか身体に違和感ないかとかそういうことだけに集中するように。
補給とか発汗とか走りながら気にすることはたくさんあります。
後は計測器の近くにある時計を確認して休憩を適切に取ること。
食べたい時に食べたいものがない
そんなわけでこの700mもない周回コースをただひたすら1時間に1回の休憩で走り続けていました。
よく「飽きないの?」と聞かれるのですが、飽きることはないんですよね。
周りにたくさんランナーがいるし、応援もスタッフもいます。
日本チームにスタッフとしてきている人や応援してくれる人(この方は24時間ずっとコース上にいて応援し続けてくれてました!)台湾の方も日本語や中国語で応援してくれていて、ランナーは走ることに専念できるという贅沢な環境です。
オフィシャルエイドで1時間に1回くらいは水分補給をしていました。
エイドには水、コーラ、台湾のスポーツドリンク(これがイマイチ・・・)があって、個人的にミックスジュースを用意しておいてよかったです。
他にもポカリを用意している人もいたし、スーパーにカルピスもあったのでそれも買っておけばよかったかなあ。
しかし食べ物は普通置いてあるものはバナナや皮を向いたみかん(これが乾いてカラカラ)クラッカーのようなもの。
時々温かい食事が出るのですがまだ走り始めて数時間だとお腹がそんなに空いていなくて(何しろスタート前にあんなに食べたから・・・)でも小腹空いたなあと思うと何もなく。
パンとか買っておきましたがこの辺は無駄になってもいいから用意しておいたほうが良かったかもしれません。たくさん食べる人だとオフィシャルだけでは絶対足りなかったと思います。
夜間の寒さ
夜間になると公園内の街灯に電気がつきます。ライトは不要な明るさでした。
まだ日没にはなっていませんが曇っていることもあって薄暗くなって寂しさが増してきます。
と同時に風が場所によっては強く吹くようになってきました。
でも湿度は高いしあまり着込むと走ると暑い。
考えた挙句、まずは上を着ないで手袋とネックだけで「首」と呼ばれるところを保温することにしました。
これは意外と良かったようで寒さを感じず、首や手から熱が逃げることもなく。
でも人によって対策はバラバラでそのまま半袖で走り続ける人もいたし、肩から外した状態でウィンブレを羽織る人もいたし。
スタートして7時間半(夜8時半ごろ)で最初のAnswer600を水に溶かして飲みましたが、意外と喉が乾いていたようで一気飲み!帽子を脱いだらかなり汗をかいていたので帽子なしで走ることに。
なかなか気温と湿度に自分のコンディションを合わせて調整するのが難しかったですね。
魔の時間帯そして夜明け
12時間(深夜1時)でようやく自分の距離を確認。110km超えていてまあまあかな。休憩時間を考えるとキロ5分台で走れているようでした。
あとトイレタイムもいい休憩になりました(笑)台湾の公衆トイレに和式が結構あるのには驚きましたが、洋式が空いている時を狙って座って休憩(笑)
夜間の休憩は1時間に2回に増えてしまいました・・・まあ仕方ないか。
気づけばコース上にいるランナーがめっきり減っていました。
あんなに昼間は混んでいたのに。
流石に上着を着ようと日本人テントに行ってみてびっくり!
床という床に人が転がっているじゃないですか!(笑)まあ寝袋に入っているんですけど。こんなにみんな寝てたのか・・・まあ48時間走の人は2晩目ですからね。通りで人がいないわけです。
ついでにポットに入っていたお湯をそのまま飲んだり、紅茶のティーバッグでお茶を入れて飲んだりしてました。夜間はこうして胃を温めると身体も暖かくなるし内臓にも少しは優しくていいと思います。(他のレースでも夜間は温かい飲み物を摂るようにしてます)
夜明けはさらに寒くなることも考えられるので、もう1枚のウィンブレとロングパンツはコース上の荷物置き場に移動しておきました。周回が短いからさっと対応できるのはいいですね。
48時間走のランナーにはダウンを着ている人も出てきました。
走ればまだ暖かくても歩くと寒くてダウンも必要ですね・・・というか台湾の夜がこんなに寒いとは(苦笑)。
夜中のコースはずっと歌を歌っている人や一人しりとりをしている人(笑)眠気覚ましにおしゃべりをしながら歩いている人、黙々と走り続けている人、本当にさまざまでなかなか面白いです!
書くのを忘れていましたが、8時間おき(昼間は4時間おき)にコースは反転してまわり方が逆になります。ずっと同じ方向に回っていると身体のバランスが悪くなってきますからこれ大事。30分くらい前からアナウンスがあって計測場所で踏んでから反転していきます。今まで追い風だったところが向かい風になってキツくなったり(笑)その逆もあったり。方向が変わるだけでなぜか光景も変わって見えるので、ますます飽きることはなかったですね。
朝6時になると園内の街灯が一斉に消えます。
やっと朝が来た!!しかし時間が経つにつれ夜中より気温が下がり始めて、一度脱いだウィンブレをまた着る羽目に。コース上に置いておいて良かった。
結局これは最後まで着たままでした。
6時間走のランナーに引っ張られる
もう48時間走と24時間走のランナーだけだと思っていたら、朝7時になんと昼間の6時間走のランナーが一斉にスタート!すごい勢いで走っていきます。
まだランナーいたのか・・・またコースは混むようになってきました。
寝ていたランナーたちも目覚めて戻ってきたのか活気を帯びてきます!
ぼんやりたらたら走っていた私も気づけば引っ張られてペースが上がっています。
あちこち凝ってるし疲れているけど、速いランナーの後ろについていくとまだまだ走れる!園内の応援もまた増えてきて賑やかになってきました。
残り2時間ほどになってやっと走行距離を確認してみます。
お、もう少しで自分の過去の記録を抜けそうです。
200km走ればPBなのでまずはそれを目指してしばらく休憩もせずに走り続けます。
あと1時間半余りを残して200kmは超えました。
とにかくちょっとホッとして長めに休憩。あとはゆっくり走ってもいいけど、どこも痛いところはないし睡魔もないし(これがびっくり)胃腸も元気なので行けるところまで走ってみることにしました。
そしてフィニッシュ
24時間走と6時間走は午後1時にフィニッシュです(48時間走は午後3時)
なのでだんだんみんなペースが上がってきたし応援がすごくなってきました。
毎周回走っているうちに大体1周何分で帰ってくればこのくらいのペース、というのがわかってきたので残り時間であと何周回れるか計算しながら走ります。
最後はギアチェンして上げるのが時間走の醍醐味だけど、今回はそこまで余力が残ってなさそう・・・でも必死に走ります。
あと2周いけそうかな?と思ったところで、応援の人混みから人が出てきて
麻雀牌みたいなものを渡されます。何これ?と思ったら私の番号が。
あ、フィニッシュ時に足元に置く札だ。
こんな風に渡されるとは思ってもなかった(笑)
後ろから着いてきたスタッフに終わったら足元に置くのか聞いたところ、着いていくから大丈夫、とにかく走って!ということだったので(笑)必死に走り予定の2周を超えて行ったところでタイムアップ!スタッフも追いかけてきて私から札を受け取ると計測スタッフに説明しながら渡してました。
後で分かったのですが、この札は全員もらったわけではなく上位のランナーだけだったようです。(日本で行われる公認大会は全員札をもらって端数を計測します)
計測地点から近かったこともありすぐに端数計測が終了。何故か端数距離は紙で見せられました(笑)
終わったは終わったのですがすぐ横をまだ48時間走のランナーが走っているので、なんだか悪いような気がして邪魔をしないようにそっとテントまで戻りました。何しろ寒くて寒くて早くダウンとロングパンツ着ないと風邪をひきそうです。
と、やっと着て散らかった荷物をまとめる暇もなく表彰式!
計測地点のすぐ脇が表彰式を行う会場になっていて、他の部門も終わるとさっさと表彰式をしていました(笑)まあその横をさっきまで走っていたんですが・・・
と、なんと24時間走の女子優勝になってました。
最後距離は見ていたものの順位はさっぱり分かっていなかったので、呼ばれてびっくり。表彰台は高くて周りのランナーに手を貸してもらってやっと上がれました。
だってさっきまで走ってて終わったばかりの脚ですから・・・
記録証は最後の端数は反映されていなかったので距離は短くなっていましたが、正式な距離で総合でも3位に入ることができました。
1位、2位の台湾男子ランナーは最後ものすごい追い上げで、全く着いていけない速さでした。まあ私より年下だもんね、みんな(笑)
正式な距離は212.534kmでした。
その後と振り返りについてはまた次回で・・・