2023 神宮外苑24時間チャレンジ
2018年以来開催のなかった「神宮外苑24時間チャレンジ」
久しぶりにランナーとして参加してきました。
この大会、外苑前の絵画館周辺約1.3kmを24時間走り続けてその距離を競うというもの。24時間走の世界大会の日本代表選手選抜を兼ねた国際公認大会となっています。(私は一般ランナーです、一応・・・)
普通のウルトラとの違い
スタートとゴールの間をエイドやCPを通過しながら走るウルトラマラソンと大きく違うのは「距離ありき」ではなく「時間ありき」であることです。
ある距離を制限時間内に走るのではなく、決まった時間内にどれだけの距離を走れるか。そういう大会性格なので同じ場所をぐるぐると走ることが多いです。
この神宮外苑は歩道を走りますが、トラックを走ったりトラック含めた周回路を使う大会もあります。
この神宮外苑はコース上に1カ所ゼネラルエイドがあり、ランナーはそこで給水・補給をすることができます。基本、コースを外れるときは自分の荷物置き場に物を取りに行くとか、トイレに行くとかぐらいで自販機で飲み物を買うとかコンビニで何か買うとかはありません。またハンドラー(専属サポーター)をつけた人はその人からだけサポート受けることができます。
この大会、都心のど真ん中にあるので応援者も多くきてくれるしまた行きやすいのではありますが、差し入れとか私設エイドとかは厳禁。ランナーが失格になってしまいます。
超強力選手の中で
と、説明はこのくらいにして・・・
今回、もう開催されることはないだろうと諦めていた大会だったので、例年参加している「小江戸大江戸200k」はごめんなさいしてこちらにエントリーしたものの・・・参加者リストを見て驚愕!!凄すぎる・・レベルが高すぎる・・・
(あ、とはいえ参加資格がすごいということもないんですが)
歴代の24時間走日本代表たちや各種記録保持者、ウルトラの入賞常連とか海外レースでの入賞者・・・こんな選手たちが一堂に揃うなんて他じゃないですよ!(興奮!)
ですが一般ランナーで実績ゼロの私は淡々と走るのみ。そうそう、関門もないし自分でやめない限りは走り続けられる!(苦笑)ちなみにフル以上の距離を走ると記録証が出るそうです。
もちろんハンドラーも付いていないので、いつものポーチに必要最低限のものを入れて(ハンカチ、ティッシュ、経口補水パウダー、貴重品)あと極薄のウィンブレも小さく畳んで。これはフルでも持って走れるくらいのウィンブレ。
まるで同窓会のようなスタート前で緊張感も全くなく(何年振りかで再会できた人も多くて本当に嬉しかった・・・)ゆるゆると3月11日11時スタート。
何を考えて走るか
よく聞かれることに
「同じところをずっとぐるぐるしていて飽きないのか」
「何を考えて走っているのか」
というのがあります(笑)まあ気持ちはわかります。
多分一人で練習でぐるぐるしていたら24時間は難しいと思います。
でも大会だと全く問題ありません!風景は変わりませんがそんなに見てないので(笑)それよりどの間隔で補給しようかとかこのペースは無理がないか自分を観察したり。周囲にいるランナーたちの様子やフォームを見るのも飽きなくて楽しいです。また抜くときにみんな声かけたり手を振ったりして密かにコミニュケーションをとっています。
小江戸大江戸も最初の小江戸部分はいろいろな人に会えるけど、大江戸になって信号やコンビニや足を止める機会が増えると途端に人に会えなくなったり、決まった人としか会えなかったり。割と孤独に走っていたので、神宮外苑の方が孤独感がなくてずっと楽しく走れた気がします。
あと他の人もよくやってると思いますが、通過した距離を他の大会に照らし合わせたり。例えば91km走ったら小江戸終わりだなとか。ただその後ずっと川越街道なんだと思うとうんざりして(笑)小江戸大江戸で例えるのはやめることにしました(笑)
夜間の葛藤
12時間後の午後11時を目安にするランナーは多いと思います。
そこでどのくらい距離を走れているか。
あとそのランナー個人の特性をどう考えるか。
日中の暑さが苦手な人は日が暮れて涼しくなる夜間にペースアップしたり、逆に夜は調子が上がらなくて早々に休憩や睡眠をとる人も。
夜間こそ個性が出ると思います。早々と上着やロングパンツを履く人もいれば最後まで半袖ノースリーブのままで通す人、睡魔に襲われてコースに置かれたコーンに激突して目が覚める人、脚なのか体調なのかずっと歩いている人。
コースにランナーがガクッと減る時間帯でもあります。
昼間はそんなに食べなかった私ですが、夕方になって体を温める意味でもエイドでしっかり食べるようにしていました。暖かい食事を出してもらえるのは本当にありがたいです。深夜は飲み物も暖かいものにしていました。
また飲み物飲みながら屈伸したりストレッチしたり(笑)信号待ちがないぐるぐるでは意図的にこうしてケアしていかないと後でドカンときちゃいます。
(でもきちゃったのですが・・・)
そしてなんといってもこんな時間にもたくさんの応援が!
これが本当に嬉しくて元気もらえる・・・ありがとうございます。
脚が止まる、固まる
今回あまり睡魔にも襲われず(歩くと多分眠くなるのでなんとか走る・・)頭もしっかりしていたのですが、私にとって鬼門の時間帯・・それは明け方。
一番気温が低いし睡魔に襲われやすい時間帯でもあります。
ペラペラ1枚では寒く、手も悴んできたので裏の荷物置き場に取りに行き。
そこで自分の手を見てびっくり。ドラえもんみたいに浮腫んで大きくなってる!
トイレもまめに行ってるのになんだこれ・・・無理やり手袋はめるも今度は脚が固まってくる。
その前から腰や股関節はだいぶ疲れてきていたので、補給をとりながら屈伸したり股関節ぐるぐる回したりしてたんですけど、効果が薄れてきたみたい。
まだあと4時間ほどあるのに股関節が動きにくくお尻も痛くなってきます。
お尻痛い!手でバンバン叩きながら走りますが全然解れない。
どんどんペース落ちるわ休憩増えるわ。
思い切って荷物置き場のシートの上で全身ストレッチとかやってみたんですが、しばらく走れてもまたすぐ疲れる。
うーん、普段こんな距離でここまで疲れることないんだけどなあ。
これ時間走あるあるって感じです。
後で思ったのが、ずっと平坦な同じコースを走り続けていることで同じ筋肉を同じように使っている疲労が出たのかと。
例えばアップダウンがあったり路面変化があったり、強制的に違う筋肉を使うコースだと特定の場所だけ疲れることはないんですよね。
最後のアドレナリン
どんどん残り時間が少なくなって応援の人が増えてきました。
時間走は最後の盛り上がりがすごく、それを見にたくさんの人が集まってくるのです。
残り1時間を切るとスタッフやハンドラーから番号札を渡されます。
これは24時間終了時、足元に落として計測するためのもの。
それを握りしめるとランナーの目の色が変わるのです。1m、1cm、1mmどれだけ延ばせるか。みんなのペースがガンガン上がり、ダッシュ状態になっていきます。
私もどこからペースアップできるかなあと探っていました。
あの足や股関節の状況だと上げられるかどうかも微妙です。
まあとりあえず少し上げてみるか・・・様子見で。
と、上げてみたらあれ?なんだか脚が動く。どんどんペースが上がっていく。
えー、これまたどういうこと??さっきまで全然動かなかったのにー。
ノロノロペースだからあと4周でもできればいいかなと思っていたのが
最後まだ10分も残ってる。まだ行けるじゃん。
周囲の走りっぷりもすごく、みんなゼーゼー言いながら走ってる。
これがいいんだよ。この瞬間がいいんだよね。
カウントダウンで終了!
周りのランナーはみんな座り込むか倒れ込むかしてるけど、なぜか私は立ったまま計測を待っていました。うーん、今ので刺激が入ったのか脚がすっかり元気になってまだまだ走れるくらい残っていました。
なんだよー、もっと早くペース上げればよかった。とはいえ失速する可能性もあったからなんとも言えないけど。不完全燃焼・・・
時間走は難しい
そんなこんなで記録は後日192.290kmと出ました。
最後のあの脚の残り具合を考えるとすごく残念な記録でした。
まあ翌日は筋肉痛がすごくてやっぱり使ってはいたんですけどね(笑)
後半の休憩やストレッチより、走りながらスキップとか流し入れてみるとか、
筋肉に違う刺激を入れてみたら少しは違ったかなあと。
まあこれもやってみないとわからないし、経験値って距離走以上に大きいなと感じました。
胃腸はずっと元気で(昼間水分取りすぎて夜間腹痛がちょっとあったけど)
麺類各種、麻婆丼、シチューに卵スープ、ヨーグルトは何回も。バナナにトマトにおいなりさん。翌日昼間の冷奴も美味しかった!夜は暖かいカフェオレ作ってもらったり昼間はカルピスにコーヒー牛乳にと飲み物も種類豊富で助かりました。
ゴール後もカレーなどなどたくさんいただきました。
あと私は距離走でもそうなのですが、事前に計画立てることがなく感覚で走っていることが多く、緻密に計算しながら走る時間走はなかなか難しいと思う局面もありました。でもこういうジャンル的に違うものにチャレンジすることは発見もたくさんあるし、すごく勉強になるし、経験の引き出しがまた増えた感じがします。
それにしてもこんなにたくさんのランナー、ハンドラー、スタッフに応援者に刺激を受けた大会は本当に楽しかった!次はいつ参加できるかな。