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一冊の本8月号の藤田孝典氏のブルシット・ジョブ随筆への抗議

 ブルシットファンとして見逃すことのできない事案が発生した。朝日新聞社のPR雑誌『一冊の本』8月号の藤田孝典氏のブルシットジョブの随筆が著者のデヴィッド・グレーバーの主張と真逆ともいえる結論になっているのだ。
 すぐさま私は朝日新聞社に以下の抗議文をメールで送った。

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『一冊の本8月号巻頭随筆『オンライン階級と仮想労働に分断される日本』への抗議と質問』

 表題の藤田孝典氏の随筆について大きく疑問に思うところがあり、お問い合わせメールにて抗議、質問をさせていただきます。

 この随筆はデヴィッド・グレーバーの『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』について書かれたものだと思うのですが、その内容があまりに本とかけ離れているように思えます。
 細かく気になる部分は多々あるのですが、最も大きな問題点はブルシット・ジョブとエッセンシャル・ジョブ(グレーバーの著書ではシット・ジョブ)が対立する存在であるかのように書かれている点です。「社会にとって有益でエッセンシャルな仕事に従事する人々が増えない、あるいは処遇が上がらないのは、無駄な事務仕事、有害な作業に邪魔されているからだ」と随筆にはありますが。グレーバーの著書ではこのようなことは書かれておらず、有益な仕事が賃金が低い理由には別のことが書かれています。さらにいえば、グレーバーはこの随筆で書かれているようなブルシット・ジョブと非ブルシット・ジョブの分断を煽る主張をトランプを例にあげ批判しています。
 「グレーバーの著書はこうなっているが私はこう思う」と書いてあるならまだ分かるのですが、あたかもグレーバーの著書に書いてあるかのように全く逆の主張を書くことには著しく問題があると思われます。 

  『一冊の本』編集者にご質問したいのですが、この雑誌に書かれている随筆や書評が実際の本に書かれていることと整合性が取れているかの確認はされているのでしょうか? 
 また、この随筆を書いた藤田孝典氏は最近ネット上でセックスワーカーに対する攻撃を繰り返しており、セックスワーク支援団体が連名で抗議するまでに至っています。この点とグレーバーの真逆の主張から対立を煽る攻撃的な姿勢は関係しているのではないかと考えます。以上の点からも著書の主張とかけ離れたこの随筆に対して抗議します。

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 私の溢れるブルシットファン心から来た行動なので朝日新聞社から反応が来るか分からないが、もし反応があった場合はここに追記したい。

『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』は本当にいい本なのでぜひ多くの人に手に取ってほしい。

8/11 追記

 後日『一冊の本』編集長よりブルシットな、じゃなかった、丁寧な返信をいただきました。本の発売日前に雑誌の校了は終了していた為、雑誌編集者として元の書籍の内容は確認してないとのことでした。
 さらに藤田孝典氏本人からも編集長は回答をいただいてくれました。
 ところが! 藤田氏から回答は私信なのでネットでの公開は控えてほしいとのことでした。
 抗議への返事なので意見しか書いてない内容だったのですが。。。
 この藤田氏の回答拒否の評価はみなさまにお任せしたいと思います。

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