私的2019年今年の10冊+1
毎年やっております今年の10冊+1。ちなみに去年はこちら。
2019年のベストはこれ!
『グレタ たったひとりのストライキ』
この本というよりグレタ・トゥーンベリの活動そのものが世界に与えたインパクトを考えると今年はこれしかない。多くの人がこの本を通してさらにグレタを知ってほしい。
『#KuToo(クートゥー): 靴から考える本気のフェミニズム』
日本でのムーブメントとしてはこれ。クソリプとそれに対して反論し続けることが偏見のある社会とそれに対するフェミニズム運動の姿を象徴的に表しているというつくりは本当にうまい。
『急に具合が悪くなる』
3冊目はガンを宣告された哲学者と医療人類学者の間で交わされた魂の往復書簡。いつか死ぬ全ての人が読むべき一冊。
『居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書 』
カウンセリング部門からはやはり居るつら! ただ居るということカウンセリングなどの関係、さらに居るということと現代社会の問題の関連まで。それらを病院のデイケアの現場から考えたこの本は大人気も納得の面白さ。
『不登校からメジャーへ イチローを超えかけた男 』
イチローと同学年で高校で不登校になり、そこから紆余曲折の野球人生を経てメジャーまであと一歩のとこまでいった根鈴雄次の野球人生を追ったノンフィクション。野球関係者にも不登校の関係者にも得るものが多い一冊。
『生き抜くための俳句塾』
アウトローな俳人による俳句入門。型破りな人生と裏腹にけっこうまともな俳句入門書。男塾の田沢が表紙なのも納得の一冊。
『アスペルガー医師とナチス 発達障害の一つの起源』
精神医学からはアスペルガー障害のアスペルガー医師とナチスの関係に踏み込んだこの本を。ナチスとアスペルガーは微妙な距離感かもしれない。でも、この微妙な距離感というのが怖く、アスペルガーの精神医学観ともかなりつながっている。発達障害を考える上で外せない一冊。
『なぜオフィスでラブなのか』
様々な作品のオフィスラブから戦後から現在、そして近未来の職場恋愛を読み解いていくと、それは単に恋愛と仕事だけではなくて、(特に女性が)人生をどう生きるかが描かれている。
『13歳からの世界征服』
イスラム教研究者でイスラム教徒である中田考による架空の人生相談。カリフ再興、世界征服といったイスラム教(の一部)の一段違った視点からの答えは人生に新たな何かを与えてくれる。
『うつ病とサッカー 元ドイツ代表GKロベルト・エンケの隠された闘いの記録』
うつにより自殺したドイツ代表GKロベルト・エンケの生涯を追う。東ドイツ生まれのエンケはサッカーが国際化する過渡期の選手だった。GK特有のストレスに加え、海外のプレッシャーも重なりうつを発症したエンケこの本からスポーツ界や社会が学ぶべきことは多い。
これだけ2018年の12月に出た本だけど、まぁおまけで今年に。
『私はカレン、日本に恋したフランス人 』
コミックはこの一冊。
日本が好きで日本にやってきて日本人漫画家と結婚したフランス人ライターから見た日本。読むと不思議と元気が出てくる。
『令和を生きるための昭和史入門 』
ブクログの本棚がマンガが別になる関係でおまけの一冊。
代替わりの今年を象徴する一冊。元は以前に出た本だが、特に太平洋戦争以前を細かく振り返っているところと、歴代総理が終戦の時にどう感じていたかのまとめは今という時代だからこその価値を感じた。
今年は運動系の本が強かった。