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人の役に立つ為の教育、自分の役に立つ教育
コロナ禍で学校教育は休校してた分を取り戻そうと躍起になるでしょう。休校によって空いた数ヶ月の時間やコロナの流行を防ぐ新しい学校生活によって教育の格差が広がるのは避けられません。そこで私は教育格差を縮めるだけでなく、教育による結果の格差を狭めることが重要であると指摘しました。
教育というものは大きく二種類に分けられると私は考えています。
一つはそれをすることによって自分が人の役に立つ教育です。資格や専門知識を得ることで仕事を得るなど自分が誰かの役に立つ為の教育です。何らかの知識や技術を身につける。現在の教育のほとんどはこれにあたるといってもいいでしょう。
そんなの全ての教育がそうではないかと言われそうですが、そうではない教育もあります。純粋に自分の役に立つ教育というものがあります。
それは健康教育であったり人権教育であったり包括的性教育であったりと様々で、それぞれが重なる部分も多いのですが、全て直接自分の人生に役に立つという点で共通しています。自分がよりよく生きる為の教育、自分を大事にする為の教育です。
これらの中でも今一番注目されているのが包括的性教育でしょう。包括的性教育は性について教える狭い範囲での性教育だけではありません。自分を認め、その延長として他者を認めたりパートナーシップを築いていく教育です。「自分を認めなさい」と教えても子どもは自分を認めるようになるわけではないので、ただ必要な知識を教えるだけでなく自分を認められるような関わりが教育の中で得られることが必要になってきます。
こういった教育は生きていく上で大事な自尊心を育てていくものでもあります。それは社会がどう変化しようと必要なものです。社会に大きな変化があってストレスフルになることが予想される今後には今まで以上に必要になるものでしょう。
コロナ禍の中での教育では従来の自分が人の役にたつ為の教育の遅れを取り戻そうとしてもうまくいきません。人の役に立つ為の教育が取り戻せなくても大丈夫なように社会を設定し直し、その上で直接に自分の役に立つ教育を進めていくことによってより幸せになれる人を育てていけるはずです。