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完全ネタバレ考察 インフィニティ・ウォーの日本人には分かりにくい二つのこと
※注意 この記事は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の重大なネタバレがされています。
ついに封切られた『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』。
内容についてどう語ろうともネタバレになってしまう衝撃作。私もしばらく虚脱感に襲われていましたが、ちゃんと考察記事を書きたいと思います。
テーマはインフィニティ・ウォーの日本人には少し分かりにくい大事な部分です。
1つ目はサノスの宇宙の生命を半分にするという目的について。
日本ではあまり話題になりませんが、人口増加によって食糧や水が足りなくなり人類は破局してしまうのではないかという人口問題は人類が抱える大きな問題です。地球の人口はこのままでは近い将来に100億を越えますが、このままの食糧生産ではその人口を賄うことはできません。
サノスは宇宙の人口増加を憂いて宇宙の生命を救うべく行動を起こしますが、これは地球の人口問題のメタファーなのです。
もう一つの分かりにくいテーマはあの衝撃のラストシーンです。
サノスのインフィニティ・ガントレット使用によって、宇宙の生命は半分にされてしまい、多くのヒーローが塵になって消えてしまいます。
あのシーンはキリスト教の原理主義的な人々が唱えるバニシング(消失)をイメージさせます。キリスト教では終末が来た時に多くの人が神によって消失させられると説いています。そういった終末をどこまで真に信じるかは宗派や人によって違いますが、あのようなイメージは多くのキリスト教徒の意識にあったはずです。現に消失を描いた『レフト・ビハインド』の原作本はアメリカで大ヒットしています。
インフィニティ・ウォーはサノスが主人公の映画です。犠牲を払ったサノスは力を得て人々を消失させます。インフィニティ・ウォーはサノスが犠牲を払って救世主、神となって人々を救済する姿を描いた物語だったのです。
以上のことをふまえて、来年公開されるアベンジャーズ4の希望も想像してみたいと思います。
アベンジャーズ3がサノスが神となるまでを描いた物語であるとすれば、おそらくアベンジャーズ4は人であるヒーロー達が神を超える物語になると考えられます。人が神を超える為にはまず神が生まれなければいけません。それがインフィニティ・ウォーだったのです。
消失を免れたヒーロー達の顔ぶれは決して偶然ではありません。キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ソーというBIG3+ハルクが誰一人欠けることなく揃っています。さらにいえば、BIG3の全員が相棒である大事な存在を眼の前で失っている点も大きなポイントでしょう。ドクター・ストレンジが未来に見たたった一つの勝てる道は、インフィニティ・ストーンを一旦は全て奪われて自分達が消失するとしてもトニー達が生き残るという選択だったのではないかと思われます。
アベンジャーズ4では大御所的な存在になりそうなキャプテン・マーベルも加わってきます。なぜアントマンが出なかったのかも納得しました。あれだけのカタストロフィの中に次作を控えたヒーローは扱いにくい。ホークアイも出なかったということはホークアイは『アントマン&ワスプ』にゲスト出演する可能性が高そうです。もちろん彼らもアベンジャーズ4の貴重な戦力になるでしょう。
インフィニティ・ウォーは犠牲がテーマの物語です。サノスだけでなく多くのヒーロー達も何かを犠牲にする決断をしています。ピーターはガモーラを撃つ決断をし、ワンダはヴィジョンのストーンの破壊を決断します。グルートはソーの最強の武器の為に自分の手を柄として差し出します(またすぐに生えてきましたが)。
アベンジャーズ4は残ったヒーロー達がサノスからタイムストーンを奪い時間を消失前まで巻き戻す話になるはずです。スパイダーマンやガーディアンズという続編を控えたヒーロー達が死んだままということはありえません。一方で、アベンジャーズ4でBIG3の俳優達はMCUからの降板を宣言しています。犠牲というテーマから考えるに、おそらくBIG3+ハルクは自分達を犠牲にすることでサノスに勝利するのではないかと予想されます。
サノスは目的を果たしたので、ヒーロー達が何もしなければサノスはもう動きません。しかし、ヒーロー達は自らの犠牲を顧みずにサノスに挑むでしょう。それが来年公開となるアベンジャーズ4のストーリーなはずです。