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コロナと放射能と東京オリンピック

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#新型コロナウイルス

コロナと放射能とオリンピック

コロナと放射能とオリンピック

 この1年半、コロナに関する様々なニュースに流れる度に私はこの10年福島で起きたことを思い出していました。。ウィルスは見えず、それ故に怖いものですが、見えない恐怖というのを私達は一度体験したはずです。
 福島で考えたことについては以前にまとめたのですが、この時書いたことがコロナ禍の今にも共通して言えるのではないかと考えるようになりました。それは見えない放射能を見える化することです。

 それまで単

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「オリンピックだけが特別なのか」への答え

「オリンピックだけが特別なのか」への答え

 前回で個人に対しては怖がる(感染を避ける)行動に対して広い幅を認めることを提案しましたが、それだけでは感染拡大を防げません。ここでは全体としてどうするべきかを書いていきます。

  その前にこれを書いてる現在、オリンピックの開会式がやってるのですが、その開催や観客数を巡って是非が問われています。
 緊急事態宣言下で「なぜオリンピックが特別なのか?」の声が上がってるのですが、実はこれ、多くの人が誤

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見える化の次にすること

見える化の次にすること

 コロナの被害を可視化することができたら次にすべきことはコロナの被害を見ないようにすることです。”見ない”は”見えない”とは違います。見えるようにしたところで見る必要がない部分は見ないようにするのです。
 コロナの被害がどれくらいなのか、そして対策によってどれくらい緩和できるのかが見えてきたら次にやることはなんでしょう? コロナの根絶と答えたくなりますが、どうもこれは難しいように見えます。
 コロ

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コロナは短期戦なのか長期戦なのか問題

コロナは短期戦なのか長期戦なのか問題

  今の日本のコロナ対策はなぜうまくいかないのか。その理由の一つはこの問題にあります。
 コロナに関することで政治家やメディアから「今がこらえ時です」とか「今が一番の頑張りどころです」という言葉を何度も聞いたのではないでしょうか? 一方で街頭インタビューなどで「どうせなら短く強い措置をした方がいい」という声もよく聞かれます。
 コロナ禍が1年以上続いていることからももう十分に分かることですが、対コ

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オリンピック開催を認めさせる方法(オリンピックを止める方法)

オリンピック開催を認めさせる方法(オリンピックを止める方法)

 コロナ禍の日本には政策を評価しその責任を明確にすることが欠けていると書きましたが、ここではそれをもとに東京オリンピック開催を反対派に認めさせる方法を書いてみたいと思います。この方法で政府に追及することがそのままオリンピックを止めさせる方法になりますので反対派の人もよければ最後までおつきあいください。

 オリンピック開催を認めさせるのはこの手順にそってやればいいのです。

1  感染拡大の定義を

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被害と責任を可視化する

被害と責任を可視化する

 対コロナの政策がなぜ迷走しているのか。それはコロナがちゃんと見えていないからです。といっても見えるようにすべきなのはコロナそのものではなく、コロナによる被害です。
 原発事故後の福島県でその地域の空間線量を計りながら個人の空間線量を測定、推定しないことで健康被害の予想が難しくなっていた現状を以前に書きましたが、理屈はこれと同じです。大事なのは被害をできるだけ可視化すること、被害を定義することです

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命と人生を天秤にかける愚

命と人生を天秤にかける愚

 『だめんず・うぉ~か~』などで有名な漫画家の倉田真由美さんのツイートを見た。コロナ禍で緊急事態宣言が出ている中で命を守る為に様々な業種の営業を自粛するべきだという論調への抗議の意を感じる。

 
 これと同じようなことを原発事故後の福島で感じたことを思い出した。
 福島県では被曝の被害を避ける為に強制的な避難がなされた。その人たちの多くは仕事などそこで暮らしていた多くのものを失った。新しい家と新

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「緩み」と「不安」

「緩み」と「不安」

 2回目の緊急事態宣言が終盤に来て感染者の下げ止まりが言われ、市民の緩みが政治やメディアから語られている。なので「もうひと踏ん張り頑張りましょう」とテレビから政治家やキャスターが語りかける。
 私はこのコロナ禍で語られる「頑張る」という言葉がたまらなく嫌いだ。頑張れなかったことは「緩み」と言われる。もちろん緩みも大嫌いだ。

 なぜこんなに政治とメディアから発信される「頑張り」と「緩み」という言葉

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GOTOトラベルはなぜコロナ禍に合わないのか

GOTOトラベルはなぜコロナ禍に合わないのか

 政府の肝いり政策のGOTOトラベルが第三波の感染拡大を受けて12/28から1/11まで停止されることとなりました。
 人の移動が多くなれば感染も多くなる。単純に言ってしまえばそれまでなのですが、このGOTOトラベルにはコロナ禍と相性が悪い決定的な理由があったと思います。
 9年前の福島では放射能を巡る様々な問題がありました。その時に問題を複雑にしたことの一つは、事態が未知のことで先の予想がよく分

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コロナワクチン無料はなぜダメか

コロナワクチン無料はなぜダメか

 政府がコロナウィルスのワクチンの自己負担を全員無料にすることを検討していると言う。
 一見異論がなさそうに見える政策だが、これは大いに疑問を感じる政策である。

 ワクチンというものは決して打てば必ずその病気にかからないという効果を保障するものでもないし、副作用の心配もあるものである。コロナに対するワクチンはスピード重視な為、効果や安全性の追求が十分とは言えない。日本政府はワクチンの副作用への治

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人は命に係わる数字に弱い

人は命に係わる数字に弱い

 福島第一原発事故の時は空間線量が大きなトピックでした。ICRPの低線量被曝(微量の放射能を長期に浴びる害)の定義は以下のようになっています。

自然被爆以外の被曝量が生涯で100mSvになると、ガンで死亡する可能性が0.5%上乗せされる

 空間線量は時間あたりの被曝量であるμSv/hで表されますので、空間線量×そこにいた時から被曝量を計算していくことになります。
 やっかいなのはこの後です。ト

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空気こそが一番怖い

空気こそが一番怖い

 福島第一原発事故の問題の本質は、問題は関東や日本全体ながら被害を受ける人は福島の一部の地域の人だったことにあると考えています。大多数の利益の為に少数が黙らざるをえない。これはある種のいじめに通じます。

 コロナでは福島より露骨に多数派の正しさや安全、利益が叫ばれ、ただのプレッシャーを越えて公的にも私的にも嫌がらせが起きています。
 そして、これは必ずしも体制側だけの問題ではありません。大勢の人

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対コロナの目的と手段を見誤らない

対コロナの目的と手段を見誤らない

 私は感染症の専門家でも何でもないが、最近コロナ対策が何だか変な方向に行っているような気がしてならない。ここで素人なりにコロナの対策について整理したい。
 ここでは目的順というものを考えて述べていきたい。数字が少ないほど目的としての優先順位が高く、下はその為の手段となる。
 そうすると対コロナの一番の目的は何か。もちろん8割の接触減ではない。コロナの患者を減らすことでもコロナの重傷者や死者を減らす

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『シン・ゴジラ』巨災対に学ぶなぜ専門家の声がうまく活かされないのか

『シン・ゴジラ』巨災対に学ぶなぜ専門家の声がうまく活かされないのか

 コロナの対応を巡っては感染症の専門家の声が政策にうまく反映されていないという声がよく聞かれます。政府に協力している感染症の専門家が実際に声を上げているので事実なのでしょう。

 この件を考える上で浮かぶのが映画『シン・ゴジラ』の巨災対です。
 ゴジラの出現によってつくられた巨大不明生物特設災害対策本部という組織は各部門の官僚や専門家が集まって政治家と共に対策を練っていきます。医学、野生生物、生物

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