エイドリアン・ニューウェイ、 去りゆくデザイナー
僕は、機械の設計者(本来の意味でのデザイナー)に関心があり、特に F1 車両で最先端技術を駆使するデザイナー達には常に注目している。
彼は、画像前方の男性、決して ドライバーではなく、ウィリアムズ や マクラーレン、そして レッドブル の各チームでタイトル獲得に寄与した Adrian Newey 氏で、特に レッドブルチームの隆盛を支えたのは 彼だと僕は思っている程に優れた人です。
ただ、フェラーリの ロス・ブラウン氏 や マクラーレン の ゴードン・マレー 氏の様に社交的でも無く目立つ事も好まない様子ですが、その作品は常に空気力学の応用で最先端を走り続けていたと思います。
時代は移り、個人の才覚で F1 車両をまとめ上げる時代は過ぎ去りつつあり、過去の偉大なデザイナーであり経営者であった、僕が尊敬する ロータスの コーリン・チャップマン 氏 の様な鬼才は必要とせず、設計と解析グループの総合力、特に AI 活用の設計で勝負がつく時代になりつつあります。
料理の話でデザイナーを語るならば、高級チェーンレストランやコンビニ弁当やファミリーレストランの料理が 不味いという訳ではありませんが、作った人の顔を見ながら食べる料理が美味しさの一番の決め手だと信じているので、作り手の “顔” が見える 車両 の方に心が強く惹かれてしまうのです。
以前なら、誰が考えたのか作ったのか判りやすい世の中だったけど、現在は誰が作ったのか分からない事ばかりで、AI が自動的に操作している場面に出逢う機会も多くなっています。
そういう意味では、僕は時代遅れでしょうか。 いや、人間にとって真に大切で魅力的なモノは人間にしか出来ない筈だから、僕は最先端に残り続ける心意気で生き続けたいと思います。
<画像出典元: Motor Sport Magazine>