大学院の選び方
大学院進学を考えている人へ
新年度の始まりが近く、来年度大学院受験をしてみようかな、と考えている人もいらっしゃるかと思います。
大学院の選択肢はいろいろあり、どこの大学に行こうか、どこの研究室に行こうかと悩みは尽きないものです。
そのため、他大学の大学院に進学した経験から、大学院選びにおいて考えるべきことを、お伝えしたいなと思います。
私が考える重要な点は、以下の4点です。
仲間がいるか
指導をお願いしたい予定の先生や、そのゼミ生の研究内容に共感できるか
同研究科に、指導をお願いしたい先生以外に、研究内容が近い先生がいるか
ここでお話しすることは、文系大学院のケースですので、理系の場合には当てはまらないかもしれません。
ご了承ください。
以下では、挙げた3点について詳しく書いていきます。
それぞれに、私の体験談も載せておりますので、興味があれば読んでみてください。
仲間がいるか
文系の場合、特に研究活動というのは自分1人での戦いになることが多いです。
しかしながら、研究の内容について相談できる人や、日々の生活で支えになってくれる人がいなければ、本当に孤独に大学院生活を過ごすことになります。
そのため、「仲間」がいるかどうか、というのはかなり重要です。
ここで言う「仲間」は、ある程度自分と研究分野が被っていて、かつ年代が同じか近い人を指します。
研究内容について話して、アドバイスがもらえるか、という点が重要です。
また、博士課程の進学について考えている方は、進学率を見てみるのもよいと思います。
進学する人があまりにも少ない場合、進学について話せる仲間がいない、ということを意味します。
私の場合
私の場合、出身大学の院に進まなかったのは、仲間がいないから、という理由が一番大きいです。
大学院に進む人はある程度いましたが、言語学系の人はあまりおらず、教育系を目指す人が大半でした。
そのため、別の大学院を探しました。
結果的には、気軽に研究や将来について雑談できる同級生がたくさんいて、心の支えになっています。
指導をお願いしたい先生や、そのゼミ生の研究内容に共感できるか
研究活動で、最も長い時間付き合うのが、指導教員です。
指導教員選びの成功・失敗が、研究の成功・失敗につながると言っても過言ではありません。
ただ、自分のやりたい研究と、まったく同じ研究をしている、という先生を見つけるのは、なかなか困難です。
ですが、自分が持っている研究課題のある部分に詳しい先生なら、見つけるのはそこまで難しくありません。
例として、自分の研究課題が「〇〇理論を使う、××語の△品詞の研究」であれば、〇〇理論を専門にしているが、××語は扱っていない、という先生でも、指導してもらえる可能性があります。
そのような、一部でもかぶっている先生も、視野に入れてみるのもよいと思います。
そして、あたりをつけた先生の論文は、1本でもよいので読みましょう。
そこで、あまりにも自分の考えとは違う議論をしている場合は、その先生に指導を仰いでも、方向性の違いで対立するかもしれません。
なので、一部「違うんじゃないか」と思う部分があっても、概ね共感できる議論をしている先生だと、良い関係を築けると思います。
また、余裕があれば、その先生だけではなくて、その先生に指導を受けている学生の研究も見てみるとよいでしょう。
学生の研究を見つけるのは難しいですが、その先生が共著で出している場合もあるので、そのような手がかりから探すとよいでしょう。
私の場合
私の場合、研究対象は日本語ですが、指導教員の専門はドイツ語です。
ですが、これまで良い関係を築けています。
言語が違っても、扱う理論や、解決したい課題が同じなので、そういう面でアドバイスをもらうことが多いです。
また、私の知らないドイツ語の文献なども教えてくださるので、研究の視野が広がる、というメリットもあります。
また、同ゼミに所属している方も、ドイツ語を専門にしている方が多いですが、それ以外の言語の方もいらっしゃいます。
そういう面で、肩身が狭い、ということは感じていません。
同研究科に、指導をお願いしたい先生以外に、研究内容が近い先生がいるか
上では、研究内容の面で指導教員の選び方について書きましたが、それよりも重要なのは、「指導教員と人間的に合うか」です。
人間同士の関わりなので、どうしても人間的に合わない、付き合えないと感じる場合もあります。
以前から付き合いがある先生であれば問題ありませんが、別の大学院へ進学するとなると、そのような面は指導を受けてからでないとわからない部分があります。
指導教員と顔も合わせたくない、我慢の限界である、というときは、指導教員を変更するべきです。
また、人間関係のもつれ以外にも、指導教員の異動だったり、病気だったりで、指導を継続できない、ということも起こり得ます。
その場合、同じ研究科に、研究内容が近い先生がいれば、その先生に指導をお願いすることができます。
また、研究内容の近い先生が複数いれば、指導教員とは違った意見をいただけることもあります。
そのため、複数の先生に、自分の研究を見てもらえる環境、というのは大学院選びの中で重視すべき点だと思います。
私の場合
私は、これまで指導教員を変えたい、と思ったことはありませんが、修士論文の副査の先生方や、その他の先生方にも研究のアドバイスをいただくことがあります。
そのようなアドバイスは新しい視点かつ、鋭い意見なので、戸惑うこともありますが、研究にとって励みになるものです。
おわりに
大学院選びに限らず、何事も選択する時には、あれこれ考えてしまうものです。
ここで挙げた点は、あくまで私の意見なので、参考にする程度にとどめ、後は自分の直観を信じて突き進んでください!
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