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椿桜子の全て 『椿桜子WR生説』


こんにちは。今回は椿桜子考察の最新版となります。

それでは早速、考察していきましょう。

●椿の嘘


まずは、『椿桜子は嘘をついている』という認識を共有しておきましょう。

それは、以下の抱負から判断できます。

「退学にはなりたくない」、抱負ではこのように述べていますね。

こちらの宝泉の抱負によると、宝泉はポイントを貯めれば上位クラスに移籍できると考えている、つまりは、宝泉は抱負を述べているこの時点で学校のシステムを理解していると考えられます。

※抱負時点の椿は、努力しなければ退学する危険性があることを知っている
⬇️
高育のシステムを理解している
このことから、抱負の語りが入学後の椿の心情であることがわかります。

よって、これらの抱負は、『入学後』の各キャラクターの語りであると考えられます。


鋭い方はもう気づいたんじゃないでしょうか。

そう、入学してからまもない段階で、椿は「退学してもいい」と周囲に公言していましたよね。

しかし、抱負では「退学するつもりはない」という主旨の内容を述べている。

このことから、『椿桜子は「退学してもいい」と嘘をついている』と考えることができます。

●椿の不可解なリアクション



『椿が嘘をついている』と仮定すれば、いくつかの椿の"不可解なリアクション"にも説明がつきます。

①『2-1:撤収の早さ』

2-1 綾小路に初めて接触した場面

2-1において、宇都宮・椿はペアを組むために綾小路に接触しました。

交渉中、宇都宮は食い下がっていたのに対して、椿は早々に宇都宮に撤収を進言していましたね。

宇都宮によると『綾小路退学特別試験』への参加を促したのは椿だそうです。(2-4) その椿が早々に綾小路とペアを組むことを諦めているのは違和感がありますよね。

しかし、椿が最初から『嘘をついていた』のであれば、この不可解な行動にも説明がつきます。

椿が宇都宮に進言していた作戦(綾小路とペアを組み、道連れにする)が成功してしまえば、椿は退学することになる。

しかし、「退学するつもりがない」椿からすれば、この作戦は成功しなくていいのです。だからこそ、椿は早々に綾小路とのペア組みを諦めたのだと考えられます。

②『2-4:綾小路包囲作戦の失敗』

2-5 綾小路包囲作戦を指揮する椿

2-4無人島試験において、椿は『綾小路包囲作戦』を実行したものの失敗しました。

「失敗したことに消沈しているというよりも不穏な乱れを椿は嫌った」

2-4 P223


しかし、椿は作戦が失敗しても落胆していませんでした。何故なのか。

このリアクションも、椿が『嘘をついていた』と仮定すると説明がつきます。

この『綾小路包囲作戦』は、綾小路ら2年生を"暴力"で行動不能にするという作戦であるため、作戦が成功すればこれを指揮した椿はほぼ間違いなく退学することになるのです。

つまり、椿に「退学するつもりがない」のであれば、これも成功しなくていい作戦ということになります。

よって、作戦が失敗しても落胆することがなかった、このように考えられるでしょう。


以上のように、『椿桜子は嘘をついている』と考えれば綺麗に説明できます。


では、椿はなぜ嘘をついているのでしょうか?


次はその理由を考えてみましょう。

●椿が嘘をついた理由



椿が嘘をついた理由、単刀直入に言うとそれは


『宇都宮を動かすため』


です。

宇都宮は入学早々、~特別試験のことを思い出す。綾小路清隆を退学させれば2000万ポイントを得られるという特殊な試験。当初、この特別試験に嫌悪感を示した宇都宮は1年Cクラスの傍観を提案した。しかし椿はそんな宇都宮を繰り返し説得し仲間に引き入れた。どんな手を使って退学にさせるのかと問いかけた宇都宮に、椿は即答した。自分が綾小路とテストのペアを組み、わざと試験を放棄して自爆をすると。椿の退学と引き換えに~

2-4


このことから、椿が嘘をついた発端は『宇都宮を綾小路退学試験に参加させる』ための説得であったことがわかります。

つまり、椿は『宇都宮を動かすため』に嘘をついたと考えられます。

では、椿が宇都宮を動かしたかった目的とは一体何なのでしょうか?

●椿の目的

2-7 八神を退学させた綾小路に接触する椿

椿「まだ彼(綾小路)の深層心理に深くは踏み込まない。慌てなくても時間はあるのだから、ゆっくりと確実に。そして────」

2-2 椿SS

このことから、椿は綾小路の深層心理に踏み込む、つまり、綾小路を『観察』することを目的として行動していることがわかります。

つまり、このことから嘘をついて宇都宮を動かしたのは


『綾小路に自然に接触するため』


と考えられます。

『綾小路退学試験』の参加者である宇都宮を伴うことで、椿もまた試験の参加者という体で綾小路に自然に接触することができるというわけです。

後に宇都宮が『綾小路退学試験』の参加者であることがバレることで、その協力者である椿が綾小路に接触したことに必然性が生まれるため、試験が終わった後も椿は綾小路に接近しやすくなる。

ちなみに椿は『綾小路包囲作戦』を展開した目的として『綾小路の観察』があると2-4で明言していますし、石神の提案に乗って佐藤をけしかけたのも綾小路の実力を試すためだと考えられます。

椿「想像以上の結果に満足してます。綾小路先輩」
合格と言わんばかりに、指で丸を作る椿。

2-7

●椿の正体

さぁ、それでは本題である椿の正体について考察していきましょうか。

ここまで考察してきて、一つ椿の行動からこのように言えます。

それは


『椿は入学してから現在まで綾小路を"観察"するために行動している』


ということです。

椿「まだ彼(綾小路)の深層心理に深くは踏み込まない。慌てなくても時間はあるのだから、ゆっくりと確実に。そして────」

2-2 椿SS


「深層心理に深くは踏み込まない。そして────」、この語りからして、椿はあくまで綾小路を観察したら終わりというわけではなく、何らかの『目的』を達成するために綾小路を『観察』しているということがわかります。

「椿は綾小路退学試験に参加してたから、綾小路を退学させるために観察してるんじゃない?」

このような意見が出てくると思いますが、私は違うと考えます。

前述した通り、『椿は退学する気がない』▶︎『綾小路を退学させる気がない』と考えられるので、この意見は否定されます。

また、『綾小路退学試験』の期限である2学期まで猶予が少なくなっている中、「慌てなくても時間はあるのだから」と椿がじっくりと観察をしようとしていることからも、椿の観察は試験とは関係がない可能性が高いと言えます。


つまり、『綾小路退学』以外の目的で椿は綾小路を『観察』していると考えられます。


また、椿が『綾小路退学試験』をきっかけに綾小路に興味をもったというパターンも考えられるでしょう。

しかし、このパターンだと宇都宮の協力者であっても参加者ではない椿が、退学対象にランダムで選ばれたと参加者に説明されている綾小路にここまで執着するのは不自然と言えるでしょう。

よって、むしろ椿は入学以前から綾小路のことを知っており、入学以前から綾小路に近づいて観察する計画を立てていた可能性の方が高いと考えられます。

※2-2:八神曰く、各クラス参加者は"1人"で、Cクラスからは宇都宮が選ばれた。綾小路が退学対象に選ばれたのは"ランダム"だと説明を受けた。

※2-2椿SS:椿は綾小路の鋭い洞察を受けて「流石…と言ったところか」とまるで以前から実力を知っていたかのようなリアクションを取っている。


ここまでの説明で理解されたと思いますが、椿は


ただの一般生徒ではない


可能性が高いでしょう。

よって、椿の正体は



WR生 or 石神と同じような立場の学生



であると考えられます。少なくともWR側の人間であることは間違いないはず。


…いや、どっちやねん。


では、単刀直入に結論を言いましょうか。椿の正体は





『   WR6期生   』





です。

少なくとも私はそう考えています。次に、その根拠を説明していきます。

まず、椿=『石神と同じような立場の学生』説に反論していきましょう。

椿と石神を同じ立場とすると、一つ"違和感"があります。

それは


椿と石神の"綾小路に対する意識"があまりにも違いすぎる


ということです。

椿が石神と同じようなWRを知る政財界の人間という立場であれば、綾小路について持っている『情報量』は同程度であると推測できます。

石神『噂通りの実力を持っているようだ』

2-7


額面通り受け取ると、石神は間接的に綾小路の実力を知っていたのであり、実際に実力を細かく把握していたわけではないと考えられます。

つまり、同じ立場の椿も綾小路の実力については「噂で聞いたことがある」程度の認識だった可能性が高いと考えられます。

では、ここで問題となる石神と椿の"綾小路に対する意識"を比較してみましょう。

石神
➡️綾小路に『興味がない』

1-9 『電話』越しで綾小路に接触
2-6 『ドア』越しで接触
2-7 『電話』越しで接触

2-7    石神『1年と2年でぶつかり合うことがない限りおまえとの関係はここまでにしよう』

このように、石神は綾小路に「姿を見せる」ことを徹底的に避けてきたこと、極力関わりたくないと述べていることから、綾小路に『興味がない』と考えられます。なんなら意図的に避けています。

椿
➡️綾小路に『興味ありあり』

何らかの『目的』を達成するために綾小路の『深層心理』に踏み込もうとしている。『執着』していると言っても過言ではない。



上記のように、椿と石神は綾小路について持っている『情報量』が同程度であると考えられるものの、

"綾小路に対する意識"は明確に異なっています

石神は綾小路との接触を避けているのに対し、椿は『観察』するために積極的に接触しようとしている。

このことから、このように考えられる。


椿は過去に綾小路と何らかの因縁がある。だからこそ、綾小路に執着している。


単に興味があるから観察してるわけではない。椿は何らかの『目的』を持って綾小路を観察しようとしている。

ここまで綾小路に計画的に近づいていること、綾小路に執着していることから、理由なく綾小路に強い興味を抱いているというより、椿には綾小路と何らかの因縁があると考えるのが自然ではないでしょうか。

現に、八神、天沢、七瀬、坂柳とこれまで綾小路に執着し近づいてきた人物は全員綾小路と『因縁』がありましたよね。

WR生・八神は綾小路を『憎悪』していた。天沢は『崇拝』していた。
七瀬は松雄栄一郎の幼なじみであれば十分な因縁がある。
坂柳はガラス越しに綾小路を目にし、綾小路を倒すことで自分の力を証明しようとした。

仮に椿が八神や天沢と同じようにWR生として常に綾小路と比較されながら育てられてきたとしたら?

綾小路を『倒す』という目的を果たすために『観察』をするといった行動をしてもおかしくはないですし、現状の椿の行動に当てはまるのではないでしょうか?

もちろん、椿が坂柳並にWRや綾小路と深い関係にある外部の人間であるという可能性は否めません。
ただそれを示せるだけの判断材料が無いことやそういったケースは作中だと坂柳や七瀬ぐらいの特殊なケースであることから

WR生である可能性の方が高いのではないでしょうか。

●椿=WR生


椿=WR生説を支持する根拠はいくつかあるので紹介したいと思います。

【根拠①】綾小路の推測と一致する行動

綾小路「退学させることが最重要な命題だとしても~必ず近くで接触し、綾小路清隆という人間を観察するはずだ」

2-1

椿「まだ彼(綾小路)の深層心理に深くは踏み込まない。慌てなくても時間はあるのだから、ゆっくりと確実に。そして────」

2-2 椿SS


上記より、綾小路はWR生が自分に近づき『観察』すると推測していますが、椿は「深層心理に踏み込む」=『観察』をしようとしているということで、綾小路の推測通りの行動を取っていることがわかります。

※八神、天沢は綾小路の推測通りに行動していなかったが、これは綾小路よりも『感性』が発達しているからではないだろうか。


WR5期生は『コミュニケーションカリキュラム』を受けているため、綾小路に比べて情緒が発達していると考えられます。

一方、綾小路はこれを受けておらず『感性』が弱いため、八神たちの行動と綾小路の推測にズレが生じたのではないだろうか。

【根拠②】『暴力』をものともしない椿

綾小路「率先して1人話している堂上は、巻田と共におろおろとした様子を見せている。対照的に落ち着いているのは椿だ。先輩に囲まれ、しかも大怪我をした2人を前にうろたえる様子もない」

2-3


小宮、木下が突き落とされた現場にあって、1年生で唯一落ち着いている椿。

単なる脅しではなく、椿は実行に移す強い意志を示す。現に宇都宮を使って暴力と脅迫まがいの行動を起こしているのが証拠だった。

2-3


『暴力』を用いることを厭わない椿。『綾小路包囲作戦』も綾小路ら2年生に『暴力』を使ってリタイアさせるという作戦でした。

このように、椿は『暴力』に抵抗感を示していないことがわかります。作中に登場した『暴力』に抵抗感を示していないキャラは以下のように分類できます。

①暴力に対抗する手段(武力)を持っている
➡️堀北兄妹、七瀬、伊吹、高円寺など

②暴力が身近にある環境で育った
➡️龍園、宝泉など

③WR生


よって、椿もいずれかに該当すると思われます。

【根拠③】八神の直感

どこまでも瞳の奥を覗き込むような椿の目を見て、八神は思わず視線をそらした。椿が単なる生徒ではないことを感じつつ、想定以上だったことを肌で感じ取る。
八神「あなたは……」

2-3


八神は椿を警戒しており、「単なる生徒ではない」と他ならぬWR生である八神が評価しています。

また、八神の「あなたは……」の続きも回収されないまま終わっているのも気になる点です。

他にも椿と綾小路が似ている点がいくつかあるのですが、私の主観が多分に含まれるためここでは割愛したいと思います。


支持する根拠がある一方で、反論もあると思います。
よって次は、反論に対して反論したいと思います。

【反論】八神を尋問


2-3で、椿は宇都宮を使って八神を尋問し、櫛田に関する情報を聞き出していました。

このことから、椿は櫛田の情報を持っていなかったことになり、椿はWR生ではないとも判断できそう。

※WR生は2学年生徒に関する情報が与えられていた。

2-1


しかし、この場面において椿の心理描写は全く描かれていなかったことから、椿が本当に櫛田の情報を持っていなかったかはわからないとも言えます。

現にこれまで椿は八神から得た櫛田の情報を活かさないどころか、櫛田に接触すらしていません。つまり、椿が櫛田の情報を引き出すことを目的に八神を尋問したのかも怪しくなってきます。

【反論】石神との連携


WR生・八神の排除を狙っていた石神の提案を受けて佐藤に接触した椿。

ここでWR生を排除した石神とWR生の椿が協力するのは違和感があるという反論が出ると思います。

しかし、石神はWR生だから八神を排除しようとしたのではなく、八神が1-Cの一般生徒を試験外で意図的に退学させたことから八神排除に動いたという点を見逃してはいけないでしょう。

現に石神はWR生の綾小路や天沢を排除しようとはしていませんよね。

このことから、石神がWR生・椿と協力することはありえると言えます。

椿の目的は綾小路を『観察』すること。石神の提案に乗れば綾小路に自然に接触することができるため、椿にとってはメリットがある。

一方、石神は綾小路との接触はできるだけ避けたいと考えているため、波多野の仇討ちを狙う宇都宮・椿を利用したい。

双方の利害が一致するため、石神と椿が協力することは自然と考えられます。

※そもそも椿は波多野の仇討ちに興味が無いことから、石神は表向き1-Cのリーダーである宇都宮の方にコンタクトを取った可能性が高い。

●椿=WR6期生

月城「ホワイトルームは初年度の1期生から、1年ごとに新しいグループが作られる」

1-11.5


1期に部屋は1つ。

椿は八神と面識がなかったことから、WR5期生ではない。

つまり、WR6期生ということになります。

椿=WR6期生説を支持する根拠は以下の通りです。

月城「あなたの後を追う5期生6期生で言えば、生き残った子供たちの中には大きな才能を開花させている者もいますしね」

1-11.5


月城により、『優秀な6期生』の存在が既に明言されています。

6期生が登場する可能性は十分にあると言えるでしょう。

また、メタ的に考えると新入生の中にWR生が潜んでいるという2年生編と全く同じ展開を3年生編でもするとは考えにくい。

その点、既に6期生(椿)が潜んでいたという展開は面白いのではないかなと思います。

月城「(WR生を)私が4人も5人も送り込むとでも?」

1-11.5


「"1人"しか送り込まない」ことを強調するのであれば、「2人も3人も」という表現が自然であると考えられます。

しかし、「4人も5人も」と表現されていることに衣笠先生の意図があるのであれば、送り込まれたWR生は『3人』いるという可能性が高くなりそう。

つまり、七瀬がWR生でないのであれば、八神、天沢の他にもう1人いるということに⋯。

●雪

何故か苗字が明かされていないWR生・雪ちゃん。

苗字が明かされていない=既存のキャラと関係があるとも考えられる。

WR生疑惑のある椿か七瀬の関係者だったら面白いですね。

●まとめ


以上、『椿桜子考察』でした!

ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

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