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ただただ認める、受け止める。

―コミュニケーションを通して、相手の言葉や行動にどう対応していますか?
―思い出に残る褒め言葉が何がありますか?
―それは、どういう言葉で、その言葉はなぜ他にも沢山受け取ってきた言葉よりも思い出に残っているのでしょうか?

 コーチングのスキルで「アクノレッジメント」があります。これは、これまで紹介した、「聞く」「質問」というスキルをより機能させるため、安心感を生み出すことができます。

 人は、自分が行動したことを通じて、自分自身の成長や変化を知ります。そして、喜びを感じ、達成感を得ます。この自分自身の成長は大きなエネルギーとなり、さらにやる気や自発性を強く促していきます。そして、結果重視からプロセス重視へと変化し、今、ここに取り組むことに対して、楽しむようになります。

◎評価ではなくどう感じたのか

 「アクノレッジメント」は、辞書では「承認・認めること」「受けとったという言明」「親切に対する感謝」「あいさつ」「礼状」と言った意味で記載されています。
 語源を遡ると、「そこにいることに気づいていることを示す」とあります。「存在を認める」。これは、相手に表れている変化や成果に気づき、言語化して伝えることです。

「さすが私の弟子だ!よくやったね!」
「きっとあなたならできると思った。おめでとう。」
「チームにあなたがいることで僕たちに勇気が湧いてくる。」
「あなたの力をもってすれば当然の結果だ」

 これは、あなたの視点から評価しているため、メッセージとしてはおそらく「こういうふうにあなたを認めている私はえらい」と受け止められる可能性があります。そして、目上の人へは使わないでしょう。また、これらメッセージを相手は拒絶、謙遜、受け取らない可能性があります。
 受け手があなたのことを尊敬している、評価に値する人だと認識していれば別ですが、そうでない場合は、「いやいやそんなことは、、、」と受け手にはストレートに入っていきません。

 アクノレッジメントは賞賛とは違います。「ここまできたね」という到達点を事実として伝えることです。
 「最後までやったね」「初めてゴールを達成したね」「あなたのプレゼンは安心してみていられたよ」「あなたが頑張っているとぼくもやる気が高まるよ」など、私の立場で伝えることです。

―あなたは日頃、どのように人をアクノレッジメントしていますか?
―自分がされたアクノレッジの中で、印象に残っているものは何ですか?それはだれからのどのようなメッセージでしたか?

◎そのまま受け止める

 ただただ認める、受け入れるって意識しても難しいことです。なぜなら、自然と「反応」してしまうからです。
 人は自分の価値観などを守るために、盾を構えています。もしくは、フィルターや眼鏡をかけているのかもしれません。
 例えば、「○○に困っているんだよね」に対して、「こうしたらいいんじゃない?」とアドバイスし、マウントを取る=攻撃的な対応になったり、または、関わりたくないもしくは答えたくなければ「無視する」か「わからない」と逃げるかもしれません。
 これは言葉では「そうなんだね」と発言しても、表情や態度など非言語で相手に伝わります。つまり、相手の言葉や行動に対して、そうなんですねとそのまま受け止めず、跳ね返しているかもしれません。まるでテニスや卓球のように球を打ち返しているかのように。
 相手が話したことをまずは受け止める。そこからどう考えているのか、どういう背景があるのかと考え、そして伝える。ボールをしっかり受け止めることで「アクノレッジメント」がより機能していきます。

※「アクノレッジメント」について入口だけご紹介しました。過去「承認」について例を基に書いておりますので参考になればと思います。


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