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アカウンタビリティ

 「アカウンタビリティ(accountability)」とは、「説明責任」とよく訳されます。これを紐解くと「自分が直面したことについて決断し、実際に行動を起こし、そのことに責任を持つ」ということです。
 「アカウタビリティ」と対照的なのが、「ヴィクティム(victim)」です。「自ら考えることなく、指示や命令だけに従って、行動を起こしていく意識」のことです。

◎『夜と霧』のフランクル

 『夜と霧』の著者であるヴィクトール・フランクル氏は、第2次世界大戦中に、ナチス強制収容所(ゲットー)に収容されました。収容所では強制労働を強いられ、いつガス室に送られるかわからない状態でした。
 その環境下であっても、フランクル氏は創造性を失わず、絶望する以外の選択肢を模索し、自ら決断することを手放しませんでした。フランクル氏は、閉じ込められた狭いゲットーを、心の中で「壮大な心理学の実験場」だと考え、過酷な環境における人間の心理状態の変化を観察し続けたのです。
 こうして、フランクル氏は希望を捨てずに生き延びることに成功し、当時の体験を綴ったのが『夜と霧』です。

 フランクル氏は「内なる自由は浸食されない」と言いました。
 この全く選択肢がない状況の中でも、自分の可能性をつぶさなかったのです。

 ここまで極端な状況ではなくとも、私達も同じような捉え方をできるはずです。自分を取り巻く外部環境の状況がどうであれ、心の中では、いくらでも選択の幅を広げていくことができるのです。

◎どちらを選ぶ

 かつて世界中を震撼させたリーマン・ショック、そして2020年から続いているCOVID-19の問題、仕事における対立、お客様からの苦情、売上や利益の低下など、今目の前で起こっている問題への対応の仕方は、この「アカウタビリティ」になるか、「ヴィクティム」になるか、基本的にはこの2つのどちらかです。

 ある状況において、「この環境下の中でどういうふうにやっていくことができるだろうか」と選択の幅を広げていくこと、これがアカウタビリティです。そして、外部の変化に対応できる唯一の方法は、変化を自分から起こすことです。

◎あなたの状態は?

アカウンタブルとヴィクティムの特徴の一部を紹介します。

【ヴィクティム】
・運が良い・悪い
・維持
・他人への期待
・後でやる
・限界を見る
・できない理由を探す
・問題に焦点
【アカウンタブブル】
・運も自分が作り出している
・変化
・自分への期待
・今すぐやる
・限界を超える
・できる理由を探す
・目標の焦点

◎自ら変化を起こす

 「変化への適応が大事です」というセリフをよく聞きます。この言い方自体がそもそもヴィクティムではないでしょうか。
 変化が起きる前に、自分で変化を起こしていくことが、変化に対応する唯一の方法であり、アカウタブルなあり方といえるのではないでしょうか。

 1つの正解を求めるのではなく、「より良い選択」をし続けることで未来を創っていきたいですね。

※参考資料 セルフトークマネジメント入門、主体的に動く ~アカウンタビリティ・マネジメント~
アカウンタビリティの入り口を紹介しました。
アカウンタブルに移行するお手伝いその他、内容についてお話してみたいなど、お気軽にご連絡ください。
Mail : youhei_machiya@outlook.com

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