脱炭素社会へ(6)
実質ゼロで足りるのか不安です。
温暖化の影響などで豪雨や火災などの災害が相次ぎ、もはや気候変動の枠を超え、気候危機の状況になり、気候非常事態宣言が発せられ、脱炭素社会の実現に向けて「経済社会の再設計を抜本的に強化し国を挙げて実践していく」ために、2050年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標が掲げられました。しかし、果たして実質ゼロで足りるのか不安です。
現在災害が発生している状態をどのように沈めるのでしょうか?
実質ゼロとは「樹木などの吸収量」と「人類が経済活動などで出した排出量」が差し引きゼロであることです。
例えば、バイオマス発電で木材チップを原料としている場合など、カーボンニュートラルと云われていますが、伐採、切り出し、木材チップやペレットへの加工、運搬、不足すると海外輸入、などカーボンニュートラル以外のエネルギーの使用に基づくCO2排出、山林の荒廃など、多くの問題を含んでいることに不安があります。
その上、今後計画されていることは、風力発電、太陽光発電、水素自動車、CO2回収、など大掛かりで収益活動を主目的とした開発が主体となり、完成までの過程でCO2の排出を増加させる可能性はないのでしょうか?
温暖化ガス排出量を実質ゼロにするための生産活動で排出されるCO2の量を埋め合わせるために、ますます状況を悪化することにならないでしょうか?
不安はつのるばかりです。
そこで、大規模な産業活動だけでなく、私たちが個人的にも、身近な周辺にある有機物が保有する地域炭素(仮称)を大切に考え、燃さないで固定することを試みて、埋め合わせの量を少しでも増加し、地球の住み良い環境を守る考えが必要と思います。