大出産祭りレポ①家編
【プロローグ】
先生:用地さーん、正期産になりましたね。
用地:いよいよですね。
先生:じゃあ、念のため刺激しときますね。
用地:刺激?
バリッバリィ〜〜‼︎ギュッギュッ‼︎
用地:?!?!?!?!(声にならない叫び)
先生:お疲れ様でした。また来週!
【陣痛1日目】
その夜、私は妹と「第五人格」のランクマッチにいそしんでいた。(分かる人にしか分からなくてめんごだよ)
ライト版dead by delightのようなものだ。いや誰もわかんねーよ!要するに鬼ごっこゲームだ。
マップ上に点在する暗号機を解読したら勝ちなのだが、途中で定期的にお腹が痛くなって解読をミスりまくり、仲間チームにメチャクチャ迷惑を掛けた。
ゲームに全集中できなくなってから、陣痛じゃないかということに気がついた。そこで登場するのが陣痛アプリだ。初期の陣痛には波があって、痛くも痒くもない時間と、今までの生理痛を集めて固めたみたいなやつが交互に襲ってくる。それをタイムウォッチで測るのである。大体5分おきになってきたな…と思ったのが深夜0時であった。
子宮口1センチは陣痛の風上にも置けない的なことを言われた。3センチになってからじゃないと入院ってことにはならないらしい。病院に到達したときは入口まで看護婦さんが車椅子を持って来てくれて、いや歩けるけど?と思いながらも乗せてもらってなんか得意げになったのが恥ずかしいじゃないか。帰りは勿論徒歩で入口まで帰された。送ってくれた母、えっなんで帰って来てんの?的な顔で車で待ってた。
でもここからがプチ地獄だった。
深夜、寝落ちかけても痛みの波で起こされ、全然睡眠が取れない。その間ネット検索の鬼になり、「前駆陣痛」というワードを調べまくっていた。前駆陣痛とは、陣痛的な痛みではあるが本陣痛には繋がらない痛みで、徐々に引いて行くという。これがニセモンだと?!嘘だろ?!
気がついたら空が明るんでいた。気持ちいいほどの晴天だ。こっちは汗でドロドロなんだが。
気分転換も兼ねてお風呂に浸かるとめっちゃ気持ちよくて、「えっこれ風呂に入ってたら痛くないやつ?」と思った瞬間にズッキィィンと強いくせに鈍い痛みが襲って来た。だめだ、どんどん強くなってくる。これが前駆だったらもう妊娠途中でやめたい(無理)、と思いベソをかきながら病院に再度電話をした。
すると「さすがに前駆は眠れないほど痛くないよ。まだ続いてるなら本陣痛かもだからもう一回病院においで」とのこと。また帰されたらほんとにやだむりと思いながら、母が用意してくれたおにぎりを頬張りながら家を出た。
続きます。