「ファッションが地域を救う① 〜ローカルTシャツ〜」
「日本は魅力的なモノがたくさんあるね」
ある日本好きなオーストラリア人に言われたことです。日本のモノは、世界でも評価されています。自動車産業は言うまでもなく、抹茶やラーメンなど、世界でも、有名なものは多いです。僕がオーストラリアにいた頃、一番驚いたのは、日本食レストランと日本車の多さでした。
しかし、日本を地域レベルで見てみると、
まだその周知はほとんどされていません。
それぞれの地域には、独自の伝統技術や文化が存在するのに。
個人的に、日本の悪いところは、自分たちの持つ技術やブランドを発信する力が弱い所だと思っています。なので、悪い意味で世界の人が、「知る人ぞ知る」のレベルにまでしか達しない(周知が足りない)。プレミア感が出て良い面もあるかもしれませんが、結果として「自分たちを知ってもらう」という目標は達成できないですよね。
例えば、日本人全員知っている(と願いたい)、「コシヒカリ」というブランド。「世界の人も当然知っているだろう。ワインで言う所のシャルドネみたいなものになっているだろう」と思っていましたが、答えは散々。「え、米は米でしょ?」と返答された時にはもう何とも言えない気持ちに。
それを機に、もっと日本を地域単位で、世界の人に知ってもらいたいと思うようになったんです。だって、ブランドというものは、「知ってもらえて初めて、価値を持つものだから」。さもないと今のままでは、国内での「自己満」になってしまう。
これからの時代、インバウンド産業が日本経済の一つの支えになってくると言われている中で、世界相手に自分たちを「ブランド化」して、何かを武器に価値を高めていかないと、同じアジアの国々にすぐ抜かれてしまい(韓国、ベトナム、タイなど)、日本は衰退する一方だと思います。
この流れの中で、すでに世界相手にブランド力がある地域(東京、京都、大阪など)は、これからの時代もっと人が集まってくるでしょう。しかし、それらの地域ばかりに人が集まると、結果として、地域間格差は広がり続け、人口がそれらの地域に集中し、過密、過疎問題は深刻になるばかりです。
では、そう言うなら具体的な案を出せと言われそうですね。そこで、僕が最近見つけた、自分たちの「ブランド化」が成功しそうな地域を見つけました。
九州
です。これは、ある企業が出しているプロダクトに目を引かれた事がきっかけです。
さまざまなメディアでも取り上げられてますので、知っている方もいるかと思います。こちらです
"Local T-shirts"。九州各県の名前や有名なものがプリントされたTシャツを、各地のクリエイターやTシャツ工房とコラボレーションし、地域活性化を目指しているブランドです。
コンセプトとして、こんなことを挙げています。
“「地元への愛をデザインに」”
このブランドについて、僕が他とは違うと思ったのは、県単位ではなく、地方単位で物事を進めようとしている視点です。こうすることで、その地方全体が活性化し、「どこかの県に行くからついでに他の県にも行ってみようかな」などの相乗効果が期待できます。また、地域を軸に動くことで、県単位では出来ない、大規模なプロジェクトも成功させられそうですよね。つまり、自分たちの持ち駒を増やせるんですよね。
せっかくなので、プロダクトをいくつかご紹介します。それぞれの地域色が出てて個人的にはすごい好きです。どれも可愛すぎる。買いたい。まずは紹介しきれない福岡のリンクから!
↑「福岡Tシャツ」
次に、個人的に好きなTシャツを挙げていきます。
大分県「入浴シティTシャツ」
鹿児島県「BUTA Tシャツ」
熊本県「Asosan Tシャツ」
“クスッと笑えて会話が生まれるような商品を目標にしています。”
コンセプトにあるこの言葉、とっても当てはまってますよね。プロダクト自体も、シンプルですけど、言いたいことがわかりやすい、しかもデザイン性も結構ある(ファッション雑誌 『mina 2018年9月号』等に掲載)など、抑えるところを抑えているTシャツだなって思います。
そして何より、自分たちを「ブランド化」して、価値づけする一歩目を踏み出せている感がすごいです。東京、京都、大阪しか知らなかった世界中の人、つまりこれからの日本経済を活発にしてくれる人達が、このTシャツ一つ通して、九州にある県とそれぞれの良さを知り、「日本って、まだまだ良いとこたくさんあるじゃん!」という風に思ってくれる起爆剤のような物になるんじゃないかと期待しています。
そして、このような動き、つまり「地域活性化に向け地域自体の良さで勝負する」ことができるというロールモデルが増えていけば、日本全体の経済がまた温まり始めると思うんです。
みなさん、知ってる海外の方々に教えてみてください。自分でお気に入りを見つけて買ってみてください。ちなみに筆者は長崎出身です(深い意味はありません)。笑
それでは!
エンジニアリングとコーヒーをこよなく愛する新米エンジニア 夢は、「世代を超えて、それぞれの幸せを追求できる社会を創造する」こと エンジニアだけどコーヒーを上手に淹れます。 頂いたサポートは、より良いnoteの記事を生み出すために使っていきます。