人が少ないからこそ人材シェアリングと副業が必要だ
ついこの前、経産省(METI)が任期付き管理職とスタッフ(たぶん補佐級、係長級?)を募集し始めました。
めちゃくちゃ面白い流れだし、こうあるべきと(自分は)思う流れです。
行政の仕事は、いわゆるお役所仕事もありますが、それ以上にクリエイティブな仕事が多いので(特に政策立案に関しては)、外部人材もいたほうが絶対いい。(現に、自分が在籍したときの同僚や上司(管理職ポスト)には研究機関の優秀な研究者がいたし、ご一緒させていただいた別の部署の管理職ポストの方は大学教授だったし、結構いろいろな人材がいました。)
国の中枢を担うポジションですし、得るものもおそらく多いと思いますので、給与・待遇云々ではなく非常に優秀な方が殺到するでしょう。
(今の社会的な潮流を考えれば、大企業のエース級の若手人材が組織の許可を得て応募してくることも考えられるのでは?)
リボルビング・ドアー(回転ドア)式の組織は優位性を持つか
経産省の採用は任期付きで管理的地位にある職員を募集するもので、それ自体が外部のリソースを取り入れて組織を活性化させようというものかと推察します。
外部リソースに頼ること自体は、これから当たり前になってくると思います。自前で育成したりするコストを考えたらよっぽど効率的だし。
一方で、『これまでの雇用環境、雇用形態、採用方式を大切にしよう!』という組織的な現状維持バイアスも働くと思うので、まぁいきなり広がることはないでしょう。徐々に広がっていくのではないかと思います。
広がっていくと思う、という根拠はやはり人口減少です。人が減ればそもそも人材確保が難しい、育成にもコストがかかる。そして不確実性が高い。
だったら経験や実績豊富な人材を手っ取り早く来てもらおう、という意識が働くのは当然の成り行きだと思います。
転職市場や中途採用が増えたのはまさにその表れだし、不確実性の高い世の中、特定の組織に居続けるリスクというものに個人が気付いたことも大きな意味があるでしょう。
もう一歩踏み込むとすれば、出戻りも含めて流動化が進むこと。出戻りなんかは結構ひろがりつつありますよね、パナソニックなんか専務取締役が出戻りですしね。
こんな時代、出戻りや外部人材の受入れなどなど、柔軟に人材を入れ替えるリボルビング・ドアー式のオープンな組織は、外部の人材を否定しない、人材のるつぼ的な意味で魅力的に映ると思います。
リボルビング・ドアー組織を一般化するためには
まず、人材の流動化は潜在意識として広まりつつあります。そもそも地方ではずっと前から転職は都市部に比べて当たり前だし(会社が不安定だからしょうがない)、更に転職が市場形成も含めてこれだけ一般的になったことで、県外からもIJUターンのような流入も増えてきてます。(その逆もしかりで、そっちの方が影響が大きいのですが…)
次のステージとしては、会社組織が人材流動化を当然のこととして受入れ、それに合わせた組織形態化を実現していくことでしょう。
ノウハウ的なものを排除して、マニュアル化、ICT利活用である程度自動化し、必要に応じて人材を獲得するような仕組みに組織をリニューアルする。
『うちは無理だ』と言っている組織はおそらく生き残れないでしょうね。
鳥取県は、もはや人口は少ないんだし、行政、企業問わず、人材を抱え込まずにジャストインタイム(必要な時に必要なスキルを持つ人材を調達する)でやればいいと思います。
一番抱え込んでるのは行政組織だし、行政が先鞭をつければ動き出す側面はあるから、まずは県庁がポストを半分くらい任期付きのポストにして、外部からどんどん受け入れる、人材をどんどん外に出す、ということをやればいいんじゃないでしょうか。
公務員こそ副業という人材シェアリングで地域社会への貢献ができる
公務員は、地域全体の奉仕者であるべきというのがうたわれています。その考え方自体は当然だと思いますが、解釈の仕方を
『地域全体の』(⇒広く浅く、地域の皆さん平等に)から『地域全体の』(⇒地域のやる気のある、意欲ある人に集中的に)
に変えていかなければいけない時代になっていると思います。人材バンクとしての位置づけで、まずは人材を県内企業へ供給するところを始める、いいことじゃないでしょうか。
これだけで、もっと地域に活力が生まれるはずだし、それを受入れて活力ある企業が生まれれば、地域の他の企業や人材に良い影響を与えると思います。
そんなことになれば、真っ先に手を挙げて出ていきますね。求められるところで期待以上の仕事をし続ける。まさに公務員として期待されている社会貢献そのものですよね。
今日はこの辺で。